ロハスなんて言葉がやたらと威張りはじめて、
土いじりは気の利いた奴等のたしなみみたいになっている。
普段は都心で暮らしながら休日は田舎のほうで土いじり。
穫れたばかりの野菜などを頬張っては、
「無農薬だから安心だね」
な~んてマヌケに笑いあったりするのだから重傷だ。
テメー等が平日都心で便利な生活をしている間、
誰が無農薬野菜の面倒を見てやってるんだ?
そんな気分になってしまう。
いや、別にロハスな方々を攻撃するつもりはなかった。
たださっき散歩をしていたら家庭菜園よりは大掛かりな畑を耕すヨボヨボのジジイを見てしまった。
おそらく80歳は過ぎているかと思われるヨボヨボのジジイが、
フラフラになりながら鍬を振り上げる姿は、
悲壮感すら漂っていた。
「あれっ、あのジジイ倒れちゃうんじゃないの?」
その姿は今心臓いわせて倒れても全然不思議じゃないのだ。
とても健康のための野菜とかいう感覚からかけ離れている。
おそらくあのヨボヨボのジジイは、
畑仕事が一つの主張であって、
おいしい野菜だとか身体にいい野菜などという付加価値は二の次三の次であろう。
鍬をふるった瞬間死ぬかもしれないわけだから、
もはや身体のことなんか何も考えていないはずだ。
そんなヨボヨボジジイの鬼気迫る畑仕事を見ていると、
にわか田舎暮らしをエンジョイして、
「やっぱロハスでしょう」
なんて抜かしている方々に憤りを覚えてしまった僕である。
まぁ、大きなお世話なんだけど……。