【災害復旧事業で、被災してしまった人のこと】 | 土木技術者(もどき?)のブレイクタイム

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土木技術者(的な)人物のブログです。ブレイクタイムを過ごしているような気分で書いています。個人でも仕事ができるように、ただいま準備中(やるかどうかはまだ未定)



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昔、某地域の災害復旧事業に従事していたときのこと。
私は当時勤務していた建設コンサルタント会社で、災害査定を受けるための資料作り、工事計画作りにアタフタしていた。

ほぼ毎日、発注者と対面・電話で打ち合わせ・やり取り。その間隙を縫って作業。さらにその間隙を縫って現地調査と写真撮影などをやっていた。

そのときは、他の建設コンサルタント会社と一緒に仕事を進めていて、疲労という重たい荷物を持ちながら、仕事をしていた。後に、体を壊してしまった人も出たとのことだ。


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仕事が大詰めを迎えつつあったある日、人づてに舞い込んできた話があった。

「被災した自治体に勤務していた人が、自殺したらしい・・・。」

耳を疑った。後日、そのことが地元新聞に報じられ、事実であることを知った。

災害復旧事業で被災したといっても、過言ではありません。


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東日本大震災や熊本地震ら北海道胆振東部地震など、相次いで地震による災害が起きた。台風による被害は毎年出ている。

まだ東日本大震災や熊本地震などの復旧事業が道半ばなのに、そこに上乗せしてくるという事態。かなり厳しい。

建設業界としては仕事がたくさんあっていいじゃないか、儲かるじゃないか、と見る向きもあるかもしれない。しかし、業界に身を置く身としては、とてもとても喜ぶ気にはなれないのだ。

「いつまで、こんなハードな日々が続くんだろう・・・?」「いったい、いつこんな状態から抜け出せるんだろう・・・?」と憂鬱にすらなる。私の場合、表情や味覚がおかしくなってしまった。言動も変だったかもしれない。
被災したところにお勤めの方はもちろん、他の場所から支援に来ている方々は、毎日ハードに動いている。

災害が発生すると、おそらく翌年1月の通常国会に予算を出すために、年内には大まかな復旧事業の費用を算出する必要がある。そこに間に合わすために、昔の「月月火水木金金」のリズムで、関係する人たちは働きまくるのだ。

現地に入って調査や測量、それらの結果を取りまとめて設計、工事費の算出、工事計画の策定などを行う。そして、発注者に確認を得た上で、財務の査定を受けることになる。

普通なら半年・一年かけてやることを、3カ月くらいでやらなければならないなんてことが起きる。

ただ体力的にキツイならまだしも、精神的なキツさは半端じゃない。

私も某地域の災害復旧事業で、似たような事態に身を置いたので、辛い気持ちになる。


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何かしら、自分自身に影響が出る。知り合いの場合は入院してしまった。また別のところでは重度の鬱となって休職を余儀なくされた人がいた。前述の自治体職員のように自ら命を断つ人もいた。私の場合は一時的に味覚を失い、表情がおかしくなるだけで済んだ(一時、自殺を考えたこともあったが)。

命に影響は無くても、何かしら壊れて被災してしまう人はたくさんいる。そうなると身近な存在の方々にも影響が出る。その方々も間接的に被災してしまうのだ。

早くやりたいのは理解できる。早く直して欲しいのはわかる。その一方で、そのために直す立場の人が犠牲になっている一面がある、ということを少しでもご理解頂きたい。

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