映画:ハンガー・ゲーム(THE HUNGER GAME) | 気まぐれ戦隊・徒然ンジャー改☆オ~ソレ観ぃヨ☆

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某市小学校教師の、映画大好き気まぐれヒーロー物語

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満足度:★★★☆☆

How was face when I watched?
→(/_;)(゜0゜)( ̄~ ̄)

How much can I pay?:1,800円

RT's SCORE:85%(9月30日付)
(レビュー満足率:225人/266人)



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【抗いを奪われた救われない世界】



世界でシリーズ7000万部突破の、スーザン・コリンズの同名ベストセラー小説の映画化。
主演は、演技派で売出し中のジェニファー・ローレンスとジョシュ・ハッチャーソン。
全米だけで4億$、オープニングは歴代5位で4週連続週末首位に輝いた大ヒット大衆映画。
日本のバトル・ロワイヤル(以下BR)のパクリと揶揄されているが、完成度が全然違う。
設定の類似点を挙げれば

・衰退した近未来
・ゲームの名を冠した殺し合い法がある
・未成年が殺し合いをさせられる
・限定された空間で戦いを強いられる
(BRは島、ハンガーは巨大なドーム)
・生き残りは一人だけ

これだけ見ればパクリと言われても仕方ないが、相違点の方この作品を盛り上げているし、世界観を作り上げる設定が緻密に練り上げられている。

・12地区から12~18歳の男女1人ずつ志願か抽選選ばれ、同級生同士を殺し合いさせる残忍さとは少し違う
・12地区にはそれぞれ、産業に特徴がある
・そもそも殺し合いをさせられる意図が違う
(BRは社会から子どもへの報復、ハンガーは反乱の抑圧と地域の統率)
・プレイヤーには教育係、スタイリストがつけられる
・戦いまでに練習・売出し期間として2週間与えられる
・戦い中はスポンサーから物資を支給してもらう
(故にイメージ戦略を必要とする)
・勝者には巨万の富が贈られる

12地区の特徴なんてものは本編にはそこまで関わってこないが、しかし土台がしっかりしている作品はそれだけで安定感が生まれる。
日本のBRほど残虐なシーンはなく、戦いのシーンは普通のアクション映画として観れる。
もちろん、そんなアクションだけの映画で終わっていない。
腐った社会に振り回される貧困層とその子どもたちの姿を描くことで、どうしようもない絶望が観る者の心に流れ込む。
カットニスはハンガー・ゲームによって生命の危機にさらされるが、最後は魂すら救われない。
都合のいいように振舞ったり、ルール変更をする主催者は、まさに自分勝手な子どもの遊びを見ているよう。
本作だけでは絶望しかない。
小説はもともと3部作の作品、続編を大いに期待したい。





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