満足度:★★★☆☆
RT's SCORE:75%(4月27日付)
RT's consensus
【It doesn't take its terrific premise quite as far as it should, but Splice is a smart, well-acted treat for horror fans.】
(意(誤)訳:それ(多分倫理)が完全にある限り、その恐ろしい前提を取り上げてはならないが、スプライスはホラーファンにとって才能豊かで巧く演じられた、めったにない楽しみである?)
さまざまなアニマルの
遺伝子を結合(スプライス)させて
女性のヒトを"作り出した"
二人の科学者、エルサとクライブ
倫理を逸脱した科学の先に待っていたもの
というのが話の軸にはなっているのだけれど
この映画、ただのSFスリラーと解釈しちゃいけん
物語を作っているのは子どもを育てる親
つまり「育児」そのもの
序盤はダレン(作り出された子)の
日々の変化をワクワクしながら見守るエルサ(母)
しかし、次第に知識が身につき
自我が芽生えはじめ
自由を求めだしたダレンに対して
執拗以上に心的束縛を強要する母
自分の思い通りにコントロールしようとする母
中盤ではそんな母と娘の関係を
描写した構成になっている
(専門用語で、機能不全家族って言うのかな?)
この物語では、少し示唆されただけで
明確には描写されてはいないのだけれど
このエルサも自分の母親から
ある種の虐待を受けて育ち
そのときの母から受けた時と似た愛情を
ダレンに繰り返していると解釈することができる
(虐待は連鎖するって話と同じ)
自分に害を与えた娘に対して
「毒気や害は抜いておかなくちゃ」と言い放ち
ダレンの尻尾(針)を切り取るという行動が
「君のここが悪いから取り除かなくちゃ、痛めつけなきゃ」
と言っているのと同じであるように捉えられる
それはきっと、エルサが自分の母親から
受けてきた"不足の愛"そのものなのかもしれない