――小株主が大株主の株主資格を解除!
【要旨】有限責任公司の株主が定款の約定通りに出資義務を果たさず又は全部の出資を引き出し、催告を受けてから合理的な期間内に出資金を払い込まない若しくは払い戻さない場合、会社は株主会決議で当該株主の株主資格を解除することができる。この株主除名決議において、該当の不払い株主は議決権を持たず、例え当該株主が支配株主であっても相違ない。『会社法』の修正後、会社投資への敷居を下げたが、これは株主の出資義務を果たさない行為に対する責任を下げたのではない。株主の出資義務を法律で定めるのではなく株主間の合意によるものにしたのである。株主が約定の出資義務を果たさず、根本的な違約に至った場合、他の株主は当該不履行の株主に対してより厳しい法的責任を問うことができ、ひいてはその株主資格を解除することができる。
【概要】
上海万禹国際貿易有限公司(以下「万禹社」という)は2009年3月11日設立し、設立当時の登録資本金は100万元で、株主は宋XX、高Xである。2012年8月28日、万禹社は株主会会議を開き、「1、会社の登録資本金を100万元から1億元に増やす;2、杭州豪旭貿易有限公司(以下「豪旭社」という)を新規株主として受け入れる;3、増資後の株主出資状況、持分比率は、宋XX60万元(0.6%)、高X40万元(0.4%)、豪旭社9900万元(99%)とする;……」という内容の決議を下した。同日、万禹社は新しい会社定款を可決し、会社定款に定める会社の登録資本金、株主出資額及び持分比率に関する内容は上記の株主会決議と一致する。
2012年9月14日、外部の会社二社より豪旭社の銀行口座へ計9900万元が送金され、同日、豪旭社は当該9900万元を万禹社の銀行口座へ送金した。会計士事務所の資本金検証による確認を経てから、同年9月17日、豪旭社は早速その増資検証金額9900万元を万禹社の口座から引き出し、一連の口座を経由して外部の二社に返した。
2013年12月27日、万禹社は郵便で豪旭社に「出資引出額の返却催告書状」を出し、豪旭社がその全部の出資額9900万元を引き出したことを述べた上、早めに全部の引出額を返却することを求め、そうしない場合、万禹社は法に基づき株主会決議を通じて豪旭社の株主資格を解除するという旨を伝えた。しかし、豪旭社は引き出した出資額を返していない。
2014年3月6日、万禹社は郵便で豪旭社に対して「臨時株主会会議の通知」を出し、同年3月25日に株主会を開催し豪旭社の株主資格解除の件について審議することを伝えた。2014年3月25日、万禹社で2014年度臨時株主会が開催され、全株主が出席した。株主会の会議議事録によると、「……5、出席した株主は豪旭社の万禹社株主としての資格を解除する件について議決を行う。6、議決状況:賛成2票、持分比率1%、会議に出席した有効な議決権の100%を占める。反対1票、持分比率99%、会議に出席した有効議決権の0%を占める。議決結果:可決される。」と明記され、各株主は会議議事録の後尾に署名するものの、豪旭社の代理人は署名時に上記の結果について認めないと書いた。同日、万禹社は株主会決議を発行し、「株主である豪旭社がその出資額を全部引き出した上、催告を受けてからも適時に返却していないため、他の全ての株主の協議合致によりその万禹社株主としての資格を解除することを決議する。万禹社は本決議が発行されてから30日以内に会社登記機関にて株主変更登録及び減資の手続きを行う。」と明記した。宋XX、高Xは当該株主会決議に署名したが、豪旭社の代理人は署名を拒絶した。
豪旭社が上記の株主会決議を認めないため、宋XXは株主として裁判所に起訴し、万禹社の2014年3月25日株主会決議が有効であることを確認することを求めた。万禹社は原告宋XXの訴求に同意する。
豪旭社は、出資額を引き出していない、例え出資額の引き出し行為があったとしても、豪旭社は変わりなく株主の資格と株主の権利を有し、株主会議で99%の議決権を有すると主張し、2014年3月25日の株主会議決の件について反対したため、当該株主決議は無効であると主張した。
【審判】
一審裁判所は豪旭社の意見を認め、宋XXの訴求を却下すると判決を下した。宋XXと万禹社は結果に不服し、上訴を提起した。
二審裁判所は、本件の証拠は豪旭社がその引き受けた9900万元の出資全額を引き出し、万禹社の催告を受けてから合理的な期間内に返却していないことを証明するに十分である。最高人民裁判所の「『中華人民共和国会社法』の適用における若干の問題に関する規定(三)」第17条の株主除名に関する規定によると、株主会が出資を拒む株主を除名する場合、当該株主は当該議決事項について議決権を持たない。本件において、豪旭社の出資引き出し行為について万禹社は合理的期間を与えた上で催告を行い、株主会を開催する前に豪旭社に通知して釈明の権利を与えている。最後の議決時において豪旭社はその株主資格の解除如何について議決権を有しない。万禹社の他の二名の株主は100%議決権で豪旭社の株主資格解除決議に賛成可決し、当該決議は有効である。豪旭社の株主資格が解除されてから万禹社は適時に法定の減資手続きを行うか他の株主又は第三者より相応なる出資額を払い込むべきである。上記により、二審は次のとおり判決する。一、原判決を破棄する;二、万禹社が2014年3月25日に下した株主会決議を有効と確認する。
