第58話 ケン一くん空をとぶの巻
大好きなケン一氏のためならば、
弟の涙パワーを人力飛行機の動源にしようとさえするハットリくん…
飛行機の後方にしがみつかせて「泣くでござるよ!」
と言われても、シンゾウとしては「兄上…」と
困惑の色を示すより他ない。
あんなに冷静沈着だった憧れの兄上が、
小学4年生男児ひとりのために、ここまでアホになってしまったか
と思うと、シンゾウの思いは計り知れない。
ハットリくんの「父上、母上と離れて暮らして寂しくないのか?」
との問いに、「寂しくないよ。だって兄上が居るもん」と答えたのは、
実は自身に言い聞かせたのかもしれない。
すごくキラキラした目のシンゾウくん。