越美南線

 

といえば現在の長良川鉄道。JR高山本線の美濃太田駅から北濃駅に至る鉄道路線です。われらが岐阜県内を走る鉄道です。

 

国鉄がJRになる前、岐阜県内には不採算盲腸路線(盲腸戦とは行き止まり路線の事です)が4路線ありましていずれも廃線予定でした。しかし地元からの切実な願いが叶ってすべて第三セクターとして生まれ変わりました。(かつては国鉄神岡線だった奥飛騨鉄道は残念ながら廃線となりました。)

 

上記4路線の内で一番好きなのは、よく見かけるのは(車のフロントグラス越しですが)長良川鉄道です。よくドライブする関市や美濃市も通ってるし、有名な郡上八幡にも通じてます。

 

一両編成の列車に乗って行ったこともあります。郡上八幡へ。市内散策に。

 

そんな長良川鉄道。大好き(なんだろな)な長良川鉄道が危機だったタイミング。国鉄からJRへ至る時期だけではありません。そう思います。

 

これは(テツが入ってる)ボクの想像ですが、もう一度あったのです。

 

高度成長期は終わったものの(当時の)世の中はまだまだ上向き基調。終点北濃駅より北のエリアひるがの高原は「東海の奥座敷」と呼ばれる観光リソース満載のリゾート地でした。周囲にはスキー場、ゴルフ場、避暑施設等が充実し、別荘地の分譲も行われていました。

 

そして(前述の通り)国鉄からの不採算路線廃止対象に越美南線も入ったのに前後して、(大手私鉄の)名古屋鉄道(以下、名鉄)がこの越美南線を買収するという計画があることを公表しました。

 

名鉄の新岐阜駅(現在は名鉄岐阜駅)から美濃町線を介して新関駅へ出てそこで越美南線と合流さらに北進という運行計画でした。

 

新岐阜駅~新関駅間は道路併用区間(いわゆる路面電車)もありましたから、本格的な乗り入れになるとその辺も整備されただろうと思います。将来的に無るならば名古屋からひるがの高原への直通指定特急も運行されるのでは…とボクは期待してました。

 

しかし、この計画を実施するにあたり名鉄側が地元に提示した条件のひとつに、越美南線の従来からある区間「美濃太田~関市」間を廃線にするように、がありました。

 

それには当該区間の沿線住民さんからの猛反発があり計画自体が頓挫して実施には至りませんでした。

 

残念と思う反面、これでよかったかな…と思う面もあります。

 

東海北陸道の延長開業も影響を与えているのではないのでしょうか。岐阜名古屋地域からひるがの高原エリアへのアクセスは「鉄道利用による乗り換え等の手間が省ける+列車よりもスピードが出せる」自動車利用のメリットを求められて鉄道からマイカー+バスへとシフトしました。

 

それと前後して、名鉄でも不採算路線の再見直しが行われ多くのローカル路線が廃線となりました。その中に美濃町線も入っていたのです。これにより、新岐阜~新関間をつなぐことはできなくなったのです。

 

もしも前述の構想が実現して新岐阜~北濃間が開通したとしましょう。通勤客主体の美濃町線(新岐阜~新関)がこのような状況下(モータリゼーションの台頭)で不採算路線になったのですから、非定期客主体となる旧越美南線区間(新関~北濃)はキツイ収益性を強いられるでしょう。

 

最悪の場合「越美南線」全区間がなくなるという可能性も出てきます。

 

それを考えるならば、国鉄→JRの時点で「名鉄抜きで第三セクター長良川鉄道を誕生させた」という選択は結果として大正解です。

 

 

 

最近は行ってませんが、(越美南線から引き継いだ)長良川鉄道の議場八幡駅はボクの大好きな駅です。

昔ながらの木造駅舎ですが今の駅舎にない趣きを醸し出しています。文字通り、昔ながらの田舎の駅です。それも中心地の。

 

城下町郡上八幡とともにこの駅と地域の鉄道が残ってよかったと思います。

 

(貼り付け画像は冬の議場八幡。駅の画像探したんですが見つかりませんでした~)