大谷選手、山本選手 の活躍により今シーズンもナ・リーグ西地区の一位の座を確保しているドジャーズです。

 

ムーキー・ベッツやウィル・スミス、フリーマン、マンシー、そして大谷翔平。昨今ではまれに見る強力打線。ナ・リーグ優勝やワールドシリーズ制覇も期待できるでしょう。

 

ボクはMLBに興味を持ってる方で、野茂がドジャーズに入団する前からTV放映があるたびに観てました。その当時の野球中継なんて日本のセ・リーグばかりなので、開幕前とワールドシリーズ後に発行するMLBガイドをみて情報を集めてました。

 

TV中継の際の解説者であるパンチョ伊東氏も欠かせない情報源でした。

 

 

 

その頃を振り返ると「ドジャーズも変わったなぁ…(シミジミ」と思う事があります。

 

当時のドジャーズも人気球団で、常勝球団で、経営も球団運営もしっかりしてる点は今と変わりません。

 

しかし、当時のドジャーズは(今で言う)典型的な金満球団ではなかったのです。

 

当時のドジャーズは実業家のオマリー一族が所有する球団。その球団是は「オマエ等(選手)には悪い思いをさせんから金の事はそんなに言ってくれるな。頼むわ。」でした。ザックリ言うと。

 

米国の球団でありながら、どっちかというと日本的な同族経営的な雰囲気で球団運営をしてました。NYヤンキーズのオーナーであるジョージ・スタインブレナーが得意とする「各球団の四番バッターを金で買う(この表現、どこかで聞いたな…)」チェック・ベースボール(小切手野球)をやっていなかったのです。

 

当然のことながらトレードやフリーエージェントによって長距離バッターやホームランバッターとかの「大砲」なんて呼びよせることなんてできません。

 

ボクがMLBを観始めた時はそれほどでもなかったんですが、一世代前や二世代前はそれが顕著でした。

 

そんなドジャーズが取り入れてた戦法が、シングルヒットで塁に出てエンドランで塁上をかき回す…みたいな、いわゆるドジャーズ戦法です。いまで言うスモールベースボールです。

 

日本のプロ野球で最初にドジャーズ戦法に興味を持ち採用したのはV9時代の読売巨人の監督だった川上監督です。ONという不世出の大打者が一時期在籍してましたから一見気が付きにくいですが基本的に守りの野球です。

 

その当時、ドジャーズ関係者が読売巨人軍を訪問した際に、ドジャーズ戦法を採用してる旨を説明されて驚いたそうです。「巨人軍はスター選手がそろってるのに何でドジャーズ戦法を採用するんだ。ドジャーズにはそういう選手がいないから苦肉の策で守りの野球(スモールベースボール)やってんだぞ!」なんです。

 

 

 

それを考えると、現在のドジャーズは(かつてのヤンキーズがやってた)チェック・ベースボール(小切手野球)をやってます。前述したベッツやスミス、フリーマン、マンシー、そして大谷、山本はすべて他球団との札束攻勢に勝ち抜いて獲得した選手です。

 

世間を驚かせた大谷の10年契約の対価。オマリー一族時代のドジャーズなら絶対獲得しなかったでしょう。隔世の感があります。

 

ただボクはどっちがいいかとかを決めたりするつもりはありません。かつてのドジャーズの球団運営哲学ははそれなりに素晴らしいと思ってましたし、相変わらずのヤンキーズのやり方は「さすがはお大尽」と唸らせる経営手法です。

 

ただ、考え方や価値観の変化や、絶え間なく発展し続けるメディアとMLBとの関わりや、(NFLやNBAにキャッチアップされて)もはや必ずしも National Pastime(国民的娯楽)ではなくなってる米国の野球事情。

 

そういうのを加味して考えるならば金満ドジャーズも時代の流れ的に有りなのではと思います。