近ごろ巷(ちまた)ではやる言葉、といったらマーケティングでしょうか。
売れ筋を探る時にも、
商品を企画する時にも、
対象顧客層を設定する時にも、
潜在顧客を探る時にも、
価格設定をする時にも、
利ザヤ利益率を設定する時でも、
お出ましいただくのはマーケティング様。
market(市場)の語尾にに -ing を付して動名詞化しただけなのに、どうしてこれほどまでにもてはやされ、広範囲に使用され、多くの研究がされ、本屋さんにこの言葉関連の解説本が並ぶのでしょうか?(売れてるかどうかは知りませんけど)
ボクも考えてみました、マーケティングって何なの?と
「市場へ行く」なら going to market だし、
「市場で働く」なら working in market だし、
「市場で売買する」なら trading in market だし、
(前置詞、on か at の方がいいかな)
納得できる解釈がつかめません。
こういう時にボクが採る作戦があります。
Google翻訳ありますよね。ボクもよく使ってるんですが、普段は英語→日本語 or その逆ですが、対象語句を英語→フランス語でやる時もあります。
ご存じの通り、英国史ノルマンコンクェストの時代、フランスのノルマン朝はブリテン島に上陸侵攻して、その結果、多くの(当時の)フランス語を(当時の)英国に持ち込みました。
ですから今日でも英単語にはフランス語源のものが多いです。ですからその逆をやって、フランス語では「marketing」は何という言葉であるかを探ってみたのです。
「commercialisation」なる単語が出てきました。ボクの思惑は大当たりしました。
であるるならば、このフランス語単語は(s が z に換わっただけの)「commercialization」英単語に置き換えられます。「商業化」ですね。
そうなると分かりやすくなってきます。
前述の各項目(売れ筋リサーチとか商品企画とか)はモノを売るための(商行為のための)事前作業です。
市場の店先に商品を並べて「いらっしゃい、いらっしゃい。安いよ安いよ~」やるための備えです。
であるならば、店先でお客様からお代をいただく前段階さえも(仕込みの段階としての)商行為であり、お客様にいいものを提供しようという売る側の思いが反映しているのです。
そして、売る側がお客様(買う側)と直接対峙して、商行為が成立する(お買い上げいただく)場が市場(market)であるならば、モノを売ろうと思い立ってからモノが売れるまでのプロセスを「市場行為」(marketing)と定義するのもなんか分かる気がします。
英国人のとフランス人は商売に関する基本理念の点では違うかもしれません。それが言語にも反映している場合もあるでしょう。
しかし、外来語である「marketing」を適切な日本語訳を充てる事なく使い続けるのであれば、その言葉を理解する補助線としてのこうした行為(Google翻訳の活用)は許容されるものかと思います。