さて、前回は音源にかかる費用でした。ざっくりこんな感じ

<全てお手製で最安値>・・・A

100枚・・・11万5000円(以降100A)

300枚・・・14万5000円(以降300A)

 

<作業はお手製でその他の仕様は贅沢に>・・・B

100枚・・・18万(以降100B)

300枚・・・22万(以降300B)

 

<基本業者で安さ重視>・・・C

100枚・・・21万5000円(以降100C)

300枚・・・22万6000円(以降300C)

 

<全て業者、仕様も贅沢>・・・D

100枚・・・24万円(以降100D)

300枚・・・27万円(以降300D)

 

今回のテーマは値付けです。

CDシングルというと1000円ぐらいのイメージでしょうか。

「では、1000円で!」

とは簡単にいかないのが難しいところです。

 

1000円で100枚売ると売上は10万円です。

つまり、100枚制作の場合、

全て赤字です。

一番お手頃な100Aでも1万5000円の赤字。

100Dに至っては14万円の赤字です。

 

300枚制作の場合、300枚売れれば売上は30万円です。

全部売れればどのパターンでも黒字になります。

・・・全部売れれば?

300枚売るってどれほど大変かっていうと、まず300人お友達やファンがいないとダメってことです。

これがアマチュアのアーティストにとってどれほど大変なことか想像できるでしょうか。

無理とは言いませんが10年単位で売る覚悟が要ります。

全部売れなくても損得の分岐点まで売れればいいなら、かかった値段を1000円で割ればいいのですが、現実的なのは300Aぐらい。

枚数売れないなら、価格を上げればいい!

・・・2曲に1500円出しますか?

出さないですよね。むしろ1000円でも高い。

バンド歴が浅い知り合い曰く、

「1000円出して、アマチュアのCDなんか買う気にならん。ライブが相当気に入っても音源がまともかどうかなんて賭けや。せいぜいアルバムで500円。シングルなら2〜300円が限度」

だそうです。まぁ、気持ちは分かる。音源を作ったことがない人の感覚はこんなもんでしょう。

じゃぁ、この知り合いが言うように、売りやすくするために1枚500円ならどうか。

300A以外赤字です。

 

1000円程度で売らないと赤字になるので、

どこまで赤字を被れるか

がアーティストサイドの悩みどころ。

 

自分は、シングル1000円はちょっと高いかな。300〜500円が妥当かなと感じます。

手に取りやすさと、赤字のバランスがとれているのがこの値段帯です。

バンドメンバー1人当たり3〜5万円の負担で世に自分の音源が出せると思えば、趣味としては悪くないのではないでしょうか。

 

「どうせ赤字になるのだから、無料配布でよくない?」

という意見もあります。

しかし、無料配布はあまりオススメしません。

理由は、聞かないからです。

自分も「無料だし、とりあえずもらっておこう」ともらって聞かなかったデモCDが何枚あることか・・・

100円でも払うと、最低1回は聞きますので、100円でも価格はつけるべきだと思っています。

 

また、こうやってかかる経費の話をすると

「CDなんて作らない!どうせ最近はCDなんて売れないから配信で!」

という話が出ます。パッケージ分、経費が浮きますからね。

では、配信の場合の損得はどうなのでしょう。次回に続く