ロサンゼルスからはカリフォルニア州内などの各地への長距離列車が集まっている。

ユニオン駅(Union Station)、つまり共同使用駅である。こういうターミナル駅としてのUnion Stationはアメリカ各地にあるが、地元民は単に地元のユニオン駅を「Union」と呼ぶようだ。


​アムトラックとは?

アメリカには元々、長距離列車を走らせるような私鉄が複数あった。しかし、自家用車、飛行機との競争で衰退していった。


それでも鉄道需要に応えるべく、廃止、または貨物鉄道となった各私鉄の旅客部門を統合した全米旅客鉄道公社が1971年に発足した。この通称がアムトラック(Amtrack)で、アメリカ+Track(線路、軌道)の造語だ。


各私鉄から線路を借りて、その上に旅客列車を走らせている。JR貨物のようなやり方を、旅客鉄道でやっている。


ただ、人口密度が希薄なので、各都市のメトロ、あるいは日本、韓国、台湾、中国のような東アジアに比べると運転本数はかなり少ない。週に何列車かしか走らないルートも珍しくない。

​パシフィック・サーブライナー

2階建ての客車列車、スーパーライナーという車両に乗る。架線がないから、かなり背の高い2階建てとなっている。

なお、写真の通り2階にしか貫通路が無く、車両を移る際には階段を上り下りしなければならない。

今回乗るのは北のサンルイスオビスポからロサンゼルスを通り、南のサンディエゴに向かう「パシフィック・サーフライナー」。1日11往復と、アジア並みの高頻度で運行されている。

全米3番目に利用が多い列車だそうで、カリフォルニア州交通局からの援助も受けている。


ビジネスクラスと普通車があり、ビジネスクラスは食事やドリンクのサービスも付いている。普通車は自由席となっている。



なお、今回乗った列車の発車直前が17時。これは冬時間では日本時間の翌日10時にあたる。ロサンゼルス・ユニオン駅からJR西日本インターネット予約サービス「e5489」に接続して、ある列車の指定席券を押さえた。


​カフェ車両での車内販売

普通車では2階建客車の8号車に「マーケットカフェ」がある。階段で1階に降りる。


ロサンゼルスのユニオン駅などには売店があるが、こちらもきちんと機能している。


常連客らしき人が店員さんと喋りながら会話している。かつてのJR九州「つばめ」のように、カフェ近くの席で買ったものを食べることも可能だ。


ショーケースに冷たいドリンク、サラダ、サンドイッチなどが並べられている。アルコール飲料もある。



アメリカ特有の甘いお菓子、スナック菓子、マフィンなどの食べ物も豊富だ。


カクテルは作るのに棚のドリンク(メニュー写真にある)を棚から自分で出して、店員さんに出さないといけない。


その他メニューは表にある通り。



アセラエクスプレス(TGVを輸入した、ボストン〜ニューヨーク〜ワシントンD.C.を結ぶ高速列車)が描かれた箱に入れてもらう。


今回はカクテル、スナック菓子、甘いドーナツを頼んだ。15ドルほどしたような気もするけども、アメリカで出てくるものはアメリカンサイズなので、「円安だ!高い!」と反射神経で反応しないようにしたい。


​アナハイム駅はエンジェルスタジアムの近く

アナハイムの駅はエンジェルスタジアムの近くだ。オオタニサンの試合を観たいところだが、あいにくこの時はキャンプ中で大谷翔平はいない。ただし、スタジアムツアーなどで球場を楽しむことは可能なようだ。



ここからは路線でバス、ライドシェア(Uberなど)でディズニーランド近くへ移動することもできる。


(続く)