レジ袋

ポリオフィレン(ポリアルケン)を素材にして作られた袋の通称。

 

 

ポリオフィレン(ポリアルケン)

ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などでよく知られている合成高分子の総称。

 

ポリエチレン(PE)

1898年(明治31年)にドイツのハンス・フォン・ペヒマンがジアゾメタンを熱分解している時に偶然発見。

エチレンが重合した構造を持つ高分子(ポリマー)。基本的にはメチレンの繰り返しで構成されている。

遮水性、絶縁性に優れているが、静電気を帯びやすい。

容器や包装用フィルムに使用されている。

 

エチレン

炭素を二つ持つ炭化水素。

 

メチレン(メチレン基)

メタンがら水素が二つ取り除かれた構造のもの(有機化学における二価の基のひとつ)。

 

ジアゾメタン

もっとも単純なジアゾ化合物。爆発性のある有毒な黄色気体。

1894年(明治27年)にハンス・フォン・ペヒマンによって発見される。

 

ジアゾ化合物

有機化合物の種類の一つ。

 

有機化合物

炭素を含む化合物の大部分を指すもの。

 

ポリプロピレン(PP)

プロピレンを重合させた合成樹脂。

耐熱性、耐水性が高く、比重も軽いが、染色が困難で耐光性が低い。

様々な製品や部品に使用されている。

 

プロピレン(プロペン)

主に石油精製時の副産物として生産される。

炭素の数が三つで二重結合を一つ持つ炭化水素の一種。

 

 

 レジ袋の歴史

1954年(昭和29年)

小中学校用のタイヨー印ノートを製造していた中川竹一商店(後の中川製袋化工株式会社)が、新事業としてポリエチレン製の袋の加工を開始。

梨園での梨狩りに使用されていた竹籠に女性客のストッキングが引っかかってしまって困っているという相談を受け、竹籠に代わるものの開発としてポリエチレン製の袋の加工を始めたのがきっかけだという。

破れにくい、水に強い、軽い、扱いやすい、安いという利点だらけの商品の存在は、次第に世間に知られるようになり、梨園だけにとどまらずスーパーマーケットでも使われるようになると爆発的な需要を生むようになる。

1964年(昭和39年)

レジ袋の原型となる実用新案を取得。

1972年(昭和47年)

取っ手付きレジ袋の実用新案を取得。

それまでは小売店での包装袋は紙性が主流であったが、次第にポリエチレン製の袋、いわゆるポリ袋(レジ袋)が普及していく。

2000年代(平成12年~)に入ると、海や河川での漂流などの環境問題が語られるようになる。

ヨーロッパ各国が先陣を切ってポリ袋(及びプラスティック製品)の有料化、禁止を始める。(生分解性プラスティック素材のものは対象外)

台湾、韓国、中国、アフリカ諸国、オーストラリアなども続き、世界各国で有料化・禁止が広まっていった。

2020年(令和2年)7月1日

環境省、経済産業省は「容器包装リサイクル法」の省令改正し、すべての小売店でのプラスティック製レジ袋の有料化を義務付けた。(ただし、バイオマス素材の配合率25%以上のものは対象外)

当時の大臣

環境大臣:小泉進次郎 経済産業大臣:梶山弘志 内閣総理大臣:安倍晋三 副総理、財務大臣:麻生太郎

 

 

 さて、

レジ袋有料化になってから1年経ち、みんなもそれに慣れたとは思います。

このレジ袋有料化どうでしょうかね?

 

まずは環境問題について、

プラスティック製品は、ほぼ自然に還ることはないので、海や川に流されてしまえばそのままの状態を保ってゴミとして漂流・漂着してしまう。地中に埋めても腐ることはない。

中には生物に悪影響を与えたりすることも多く、その生態系を変えてしまったりもしているのだという。

植物製品(木材など)は腐る。鉱物製品(鉄など)は錆びる。

人類はより強い道具を得るために知恵を絞り、腐らないもの、さびないものを追い求めた。そんなものの一つにプラスティックも含まれる。

プラスティックは使いやすい。他の素材に比べて、軽くて、強くて、安価である。

そりゃあ、自然に還らないわな。

そういったものは、廃棄するときにも造ったときと同じくらいの知恵を使わなければならない。

ただポイ捨てするなんてもってのほかだ。

「あっ!落っことしちゃったっ!!」

ってな時には、できる限り拾うべきである。

そして、しかるべき捨て方で廃棄する必要がある。

燃やして有害なガスなんかが出るようならその対策も必要なので、素人が関われるのは分別してゴミに出すところまでだ。

あとは、その専門家(行政)がきっちりと廃棄すれば問題なし。

(まあ、大きい括りの「ごみ問題」はあるんだけどね)

 

要はポイ捨てしなきゃいいわけなのよ。

「そんなこと言っても、プラスティックごみがなくなるわけないでしょう!」

そうです。

海洋地震なんかが起きて、大津波が襲ってきたりなんかしたら、沿岸部の町の建造物がごっそりと波にさらわれたりなんてこともあります。そういうときはやっぱり、プラスティック製品もたくさん海に持って行かれちゃいます。

なので、そういったどうしようもない場合にもプラスティック製品が自然に流れ出されちゃうことがある。というのを踏まえたうえで、なお一層、個人個人がプラスティック製品の処分には気を付けなければならないのです。

 

使っている間は強度が続き、不要になったら自然に還る。

そのような夢素材があればいいのですが、そんな(人間にとって)都合のいい物なんてそうそうございません。

人間がプラスティックという物を使う以上は、捨て方を守るのは必須なのであります。

 

「レジ袋ってプラスティック製品なんでしょう?だったら、有料化して使用を規制することは良いことでしょう?何の文句があるの?」

たしかに、レジ袋はポリオフィレンで出来ているのでプラスティック製品と言えるでしょう。

しかし、ポリオフィレンというのは、石油を精製する過程で出る副産物(ナフサ)を原料としているので、エコ製品ともいえる。

石油エネルギー社会を続けているうちは、その精製過程で副産物(残りカス)は必ず出るわけで、プラスティックが作られる前までは副産物(ナフサ)は燃焼廃棄されていた。

残りカスを活用していることを考えれば、レジ袋を単純に否定するのは安易な考えだともいえるだろう。

 

 

もう一度同じことを言うが、レジ袋を含めたプラスティックをゴミとして適当に投棄しちゃっているのが問題なのであって、レジ袋自体が悪いわけではない。

海亀の体内からレジ袋が出てきたという映像がインパクトを与えてはいるが、そもそも海中にレジ袋が入り込んだ過程が問題なのである。

そこをどうにかしようとしないで、レジ袋を悪者にするんだったら、石油エネルギーを必要とする生活そのものを止めちまえ!

いっそのこと、石器時代の生活に戻っちまえ!世界全部が一斉にねっ!

 

 

プラスティック(プラスチック)

高分子(ポリマー)に添加物を加えて作られる物質のこと。

 

石油性プラスティック

石油精製過程の副産物(ナフサ)を使って製造される合成樹脂のこと。

1909年(明治42年)

アメリカのレオ・ベークランドが工業化に成功。(商品名ベークライト)

プラスティックが作られる前まで、副産物(ナフサ)は使い道がなく燃やして廃棄していた。

 

バイオマスプラスティック

サトウキビやトウモロコシなどを原料としたプラスティック。

植物性の原料を使っているというだけで、自然に分解されるプラスティックというわけではない。

 

生分解性プラスティック

微生物によって分解可能なプラスティック。ただし、分解されるには長期間が必要であったり、一定の条件が必要な場合もある。

 

 

 最近のレジ袋問題

レジ袋有料化になってから、万引き被害が増大しているらしい。

コロナ禍の影響も多少はあるのかもしれないが、エコバッグをみんなが持つようになったことで万引きし易い状況を作ってしまったということらしい。

なにはともあれ、万引きする人がそんなにいっぱいいることにびっくりだ。

人間とは、やはり根本は悪な生き物なのだろうか?

 

そもそも、買い物客にサービスとして品物を包む紙袋を用意したことから発展していったレジ袋文化。

昔々は、買い物には買い物かごや風呂敷を持って出かけ、ソレに入れて帰って来た。

手ぶらで行った場合や大きい物を買った場合は紐で縛るなどして、その紐もサービスしていた。今でも、紐とかテープはサービスしてくれるお店が多いですね。

「レジ袋有料化」で、私が最初に思ったことは「だったら、紙袋用意してくれよ」(上から目線で申し訳ありませんけど)でした。

だって、昔は紙袋だったでしょ?(ある程度の年齢以上の人は共感してくれると思いますけど)

レジ袋が普及・浸透して「雨でもへっちゃら、こりゃあいいね」と思ったことのある人も多かったはず。(物忘れがひどくなって忘れて易くなってしまっている年齢層の人は共感できないでしょうけど)

「客が買い物袋を用意するんだったら、レジ袋の費用が浮くからこっち(売る側)にとっても悪くないな」

と思った経営者もいたと思います。

そりゃあそうだよ。国が決めたことだもの。受け入れるしかないし、それが自分にとって都合がよければ万々歳ですよ。

 

 

エコバッグ持参の生活で「レジ袋有料化終了してくれないかな」と思ったこと。

・コンビニで汁物(天ぷらそばだったと思う)を買ってエコバッグに入れて帰ったら、バッグの中が汁まみれになっていた。

・エコバッグを忘れて買い物に出かけてレジ袋を買った。(これでは自然環境にも自分の財布にも優しくないのでは?と思った)

・少し大きめの商品を買った時に、以前は大きいレジ袋を用意してくれるか、紐で縛って持ち手を付けてくれた店(家電量販店)だったのに

「そちらに紐やテープが用意してありますので、ご自由にお使いください」

と、サービスのかけらもなくなっていた。

「大きいレジ袋買いたいんですけど」

と言ってみたら、

「大きいレジ袋はもう用意してないんですよ」

と言われ、しょうがないので品物を紐で亀甲縛りにしてやろうかと思ったが、普通に縛って持ち帰った。

 

 

まあ、私の考え方が間違っているのかもしれないけど、レジ袋有料化は本当に地球にやさしいんですかね?

地球じゃなくて、一部の人のために有料化しちゃったとしか思えないんですけど。

 

私にとっては生き地獄なこの世の中。

病んでるのかねえ。