忘れもしない2017年10月29日、左目の下あたりがどうも曇っているような違和感があり、見えづらくなりました。
仕事はデスクワークなので、目が見難いのはとてもストレスがあるため、週初め平日の月曜日ではありましたが、眼科を受診。
眼圧検査、眼底検査、視力検査をして、暗室での診察をした結果、目の奥の毛細血管が切れて、目の中に水たまりができている状態との事でした。
目にステロイド注射をする事で、徐々に水がひいていくとの事でしたが、なぜ血管が切れたのかの原因を探るため、血圧測定の他、精密検査をする事になりました。
ちなみに、この日、血圧測定をした時に、上が200以上あったと思います。
続けて、尿検査、血液検査と続きます。
眼科の診察が終わり次第、出勤しようと思っていましたのですが、月曜日で眼科がとても混雑している&精密検査の結果が午後1時頃となるため、職場には遅れる旨を連絡していました。
午後1時すぎ、内科で検査の結果が出たので診察に呼ばれます。
検査の結果、クレアチニンの値が16(通常は1.0前後)で、末期の腎不全ですぐにでも人口透析が必要であるという事を告げられました。いわゆるいきなり透析というやつです。
数値的にはいつ、倒れてしまってもおかしくない事と、今日はこのまま帰す事はできないので、ICUに入って透析をしてもらう旨を伝えられました。
最近、夕方になると足のむくみがあるなーくらいに軽く考えていましたので、人工透析という言葉を聞いて、呆然としたのを覚えています。
あまり、詳しい事は知りませんでしたが、人工透析は一度スタートすると、生きている限りは必要になる事、週何回か、長時間の治療が必要になる事はなんとなく知っていた為、あー終わったなという気持ちと、30代で人工透析か、長いなといった気持ちとか、それでも仕事どうしよう、職場になんて言おうといった気持ちが色々巡ってきて、頭が真っ白になったのを覚えています。
少し落ち着いてから、職場にいる上長に緊急入院で透析が必要になったため、しばらく休職になる旨を連絡、エコーやレントゲン、心電図をとって、そのまま流れるようにICUへ移動です。
ICUへは自分であるいて向かいました。ICUという施設は人生で初めてで、オペ室のような雰囲気を予想していたのですが、実際には病棟のように、ベットが横にたくさんならんでいて、ただちがうのはたくさんの機材があって、それぞれアラームがなっていて騒がしいところといった印象でした。
私は歩いてICUに向かい、扉を自分であけて名前を伝えたのですが、初めスタッフの方がとても驚かれていました。おそらく、緊急透析が必要なくらい具合がわるいと思いきや、自分ですたすたと歩いてきたからだと思います。大丈夫ですか、辛くないですかといった言葉をたくさんかけていただいたのですが、自分としては、特に痛みもないので大丈夫ですと答えていました。
一番入り口側のベットに案内されて、体重測定のあと、首に透析用のカテーテルを通す旨の説明がありました。体重測定をする意味については、この時はわからなかったのですが、透析をすると、身体に溜まっている余分な水分を除く(除水)ため、透析前後で体重がkg単位で変わるのです。この時、透析前は体重が72kgほどありました。
ベットによこになり、首の消毒を念入りにし、頭にキャップと顔に緑色のシートをかけられて、カテーテルを通す箇所に局所麻酔をします。麻酔が終わると、(見えないので憶測ですが)カテーテルを通す穴をあけて、実際にカテーテルを導入します。カテーテルを入れる時は痛みはないのですが、押し込む時にズズズといったいやな振動が伝わって気持ち悪かったです。30分くらいでカテーテルの処置がおわり、目隠しをはずされたタイミングで、すでに透析装置につながれており、自分の赤い血液が流れていました。(結構衝撃でした)
16時前くらいから透析を開始して、終わるのは4時間後の20時頃になる事を聞いて、これがずっと続くのだと思い、とても気持ちが落ち込みました。それでも、透析をされていると、少しずつ身体が楽になってきた感じを覚えています。すこしずつ悪化してきて、自覚症状がなかったのですが、とても調子が悪かったんだなと、チューブにつながれていながらそんな事を考えていました。あとは、職場に落ち着いたら改めて連絡すると伝えていたので、早く連絡しなきゃという気持ちと、手や足のむくみがとれて逆にシワシワになってきたので、すごいっという思いが頭の中でぐるぐるしていました。
奥さんが18時頃、病院からの連絡を聞きつけてきてくれました。
入院が急なので晩御飯がないので、おにぎり2個とペットボトルの水を買ってきてくれました。
自分がチューブに繋がれて、しかも血液が循環しているのを奥さんがみて、泣かれてしまいました。
主治医からの説明がありますとの事で、奥さんとは別れて、そのあとは話をして帰ってもらいました。
初めての4時間の透析中、腰がとても痛かったのを覚えています。
腎臓を悪くすると腰が痛むと聞いた事があるので、相当悪かったんだろうなと思います。(実際悪かったです)
ひとまず、緊急の透析が終わって、カテーテルから透析装置を外しました。
そのあと、体重測定をしたところ、4時間で3.5kg体重が減りました。
これが全部水分だという事を知って、びっくりしました。手や足がシワシワになるのも納得です。
体調は、透析前より頭がスッキリして、身体が楽になった感覚がありました。
そのあと、奥さんが買ってきてくれたおにぎりと水を飲みました。
透析のあと、コンビニのおにぎりの味がとても濃かった印象がありました。
水分補給は、1日1Lに制限になるという事を聞いて、また頭の中が真っ白になりました。
以前から水分を多く摂る方だったので、水分制限はとてもつらいだろうなと思いました。(実際、夏は特に辛かったです)
先生から、今晩は1晩ICUに泊まってもらい、明日問題なければ一般病棟にうつるという事でした。
看護師さんに確認して、スマホは触っても良いとの事で、職場の上長に現状までを報告して、一旦は落ち着いたところで21時の消灯時間となり、部屋の電気が落ちました。
ただ、ICUなので、真っ暗にはならず、時折患者のうめき声とか、咳とか、機械のアラーム音とか、スタッフの話し声とか、急患がストレッチャーで運び込まれてきたり、危篤状態の患者さんをずっと呼びかける家族の声とかが一晩中聞こえてきて、まったく眠れませんでした。一瞬うとっとしたくらいです。
そんなこんなで、腰痛とも戦いながら、ICUでの朝を迎えます。
続きます。