FOCUS JAM 8.9 NINEです。
ブレーキですが、SRAMの下り系アルミレバーのトップモデル、CODE RSCを着けました。
CODEシリーズの本当のトップモデル、アルティメットとの差は、材質とそれによる重量です。あちらはカーボンコンポジットになっています。
マグラでカーボンレバーのトップモデルMT8より、アルミレバーのMT6(現MT8Pro)の方が制動力があったので、メーカーは違えどオールアルミのブレーキの方がしっかりしてるのでは?と考えました。
実際のところはまだわかりません。
完成車外しの未使用品をGETしましたが、リヤのホースが短過ぎて使えず、ホースのみ新品を取り寄せました。
マグラは基本的にブレーキホースは共通ですが、SRAMはモデルによって異なります。
元々はGUIDE REが着いていたのを替えましたので、そのホースが使えるかと思ったところ、バンジョーの形が違い互換性なし。
ロード用のホースも未使用品が手持ちにあったので試してみましたが、やはり互換性なし。
SRAM同士でブレーキを替える際は要注意です。
ローターはフロント200mm、リヤ180mm。
下り系ならこの組み合わせは鉄板です。
本当は飯南/REVEALのように、前後でブレーキの種類も変えようかと思ったのですが、SRAMの現行ディスクブレーキはほとんどが異形も含め対向4ポット。あまり変える意味がありません。
MTBに限らず、前後輪がある乗り物にディスクブレーキを使う場合、フロントは大径ローターで制動力が強くコントローラブルなものを使い、リヤは荷重が前にかかって後輪が浮いても、前後同じ強さで握った際にロックしない程度に弱めのブレーキ=より小径のローターと容量の小さいブレーキを使うのが理想です。
自動車やオートバイにお乗りの方は、ご自分の所有車のブレーキを見てみてください。そのような組み合わせになっているハズです。
日本の自転車教育、例えば小学校で児童対象に催される自転車教室などでは、リヤ→フロントの順に握れと教えていますが、あれは乗り物をコントロールするという観点からは間違いで、子どものゲンナシパワーでフロントブレーキを握った際に前輪がロック→前転、とならないことに重きを置いた教えです。
自転車やオートバイのように前後を別に制動出来る乗り物で、上手いとされるライダー達は基本的にフロントブレーキしか使わないことも多く、リヤはあくまで補助的に制動させるのみです。
子どもに対しても、本当はロックさせないフロントブレーキの使い方を教えた方が良いのですが、MTB教室ならいざ知らず、一般の小学校で全児童にそれを教えるのはカッタるい難しいので、苦肉の策としてああ教えているものと推測されます。
その観点から、悪戯に強く握らざるを得ないシマノのローグレードのロード用ブレーキがいかにクズで、使ってはいけないものかがわかります。
さておきその意味で、SRAMは4ポットでもモデルによって制動力を変えているので、元々着いていたGUIDE RE(制動力はCODE>GUIDE)をリヤに使うかとも考えましたがブレーキを替えようと思ったのは、あまりGUIDE REの状態が良くなかったからでもあり、前後共CODEにすることにしました。
別々に握るMTBの前後ブレーキなら、後ろの制動を弱くかけることも可能ですし、SATORI→REVEAL→飯南と使い回しているフロントMT7/リヤMT6の組み合わせは、当時新品を新たに購入したのでコスト的なメリットがありましたが、今回は未使用とはいえ中古品の前後セットで入手しましたので、わざわざリヤ用に弱いブレーキを別途購入するメリットはありません。
それと私は、リザーバーを持たない(持てない)構造にせざるを得ないMTBのブレーキは、油種を問わず握りが変わってしまい易いため、ツールレスリーチアジャスト(手元で握りを変えられる機能)とツールレスコンタクトポイントアジャスト(同じく当たりを変えられる機能)が必須と考えていますが、GUIDE REにはコンタクトポイントアジャストがなかったのも替えた一因です。
その機能がついたGUIDE RSC以上だったら、リヤだけでも、オーバーホールしてでも使ったかもしれません。
ちなみに私が他の車体で使う、マグラのMT6〜8も全て両方の機能が備わっています。
SRAMの油圧ブレーキは扱い易く、私自身がやっても専用のブリードキットを使えばミスなくブリード出来ます。今回、ホースカットからブリードまで、全て自分で行いました。
構造的にブレーキラインを密閉して、強い負圧をかけてブリードしますので、ちゃんと手順を踏めばまず失敗はありません。
DOTフルードの扱い難さはありますが、ちゃんと養生すれば大丈夫です。
日曜整備をする方ならまず大丈夫でしょう。
ちなみにそのDOTフルードですが、手持ちの純正品に長期保管による劣化(変色)が見られたため、会社でトヨタ純正のDOT5.1を購入して使用しました。一般的な自動車は現在DOT3が指定されていますから店頭在庫はなく、取り寄せになりました。
DOTフルードは規格品ですから、ブレーキメーカー純正でなくとも、ちゃんとしたところのものなら自動車用やオートバイ用も問題なく使えます。
番手(SRAM指定はDOT4か5.1)さえ合っていれば大丈夫です。
自動車と自転車では、マスターシリンダーの容量が全然違いますから大量に余ったりしますけど。
自動車用なら金属缶なので、長期保管にも自転車用の樹脂ボトルよりは保つでしょう。
単価もマスター容量のせいか、自動車用の方がだいぶ安いです。
自分でブリードしましたが、かなり時間をかけ根を詰めてやりましたので、ものすごくカッチリ仕上がりました。
以前、AVID名義だった頃にエリクサーシリーズを使ったことがあり、その頃は制動に不満はありませんでしたが握りが大きく変わってしまうことを嫌い、シマノやマグラに移行しました。
しかしSRAMはしっかりカイゼン(トヨタの手が入っているとは聞きませんが)して来るメーカーで、ロード用ディスクや今回使ったものは比べものにならないくらい良くなっていて、以前ほど握りが変わらず、しかもかなりカッチリしており好感触です。
しばらく乗らずに放置すると変わることがありますが、再ブリードで事なきを得られますしブリードも自分で出来ますので、将来的にマグラにトラブルが出て換えざるを得なくなった時には、SRAMに移行して行こうかと考えています。
ブレーキ談義が長くなりました。
サドル周りです。
ドロッパーはFUNNのその名もUPDOWNにしました。
密閉式の油圧ドロッパーですが、重量も動きも軽く申し分ありません。
JAMはインターナルドロッパーのフレームですからこいつも当然インターナルです。
レバーの引きも、KSやFOXと比べ拍子抜けするくらい軽いです。慣れの問題ではありますが、ここはもう少し操作感がある方がしっくり来そうです。
実は取り付け直後に不具合がありました。
レバーを引いても落ちなくなる、上がらなくなるということがたまにあり、代理店のクワハラバイクワークスさんにも相談しましたが、解決せず。
自分で状態を良く観察したところ、アウターチューブの一番上にあるキャップが回ることに気付きました。
ググってFUNNのマニュアル類を読み漁ったところ、このポストは密閉式ですが、メンテナンスとして内部ユニットの交換までユーザーサイドで出来るようになっていることがわかりました。
そのユニット交換の際に、アウターチューブトップのキャップを緩めて外して交換するようになっているようです。
そこでこのキャップをしっかり絞めてみたところ、トラブルは解消しました。
クワハラさんでは諸事情により、UPDOWNの取り扱いを近々やめるかも?と伺いましたが品質的には悪くなく、むしろ良いので気に入ってます。
もし正規で入って来なくなって、解消出来ないトラブルが起きたらその時に考えようと思います。
サドルはアンタレス00の、何年か前に出たリミテッドエディションの白を入手しました。
リミテッドエディションは当時、黒と白が限定で販売され同じ色目のサドルバッグとセットで売られていましたが、こちらにサドルバッグは付いてませんでした。
実は私は黒の方も持っていて、以前BIG.NINEに着けていたのがそれです。黒に緑の差し色が入っています。同じ色のサドルバッグは使ってませんがどっかにあります。
その差し色の緑が、メリダグリーンというよりヘリウムの差し色にそっくりでしたので、今はヘリウムに着けています。
正月の京都に赴いた記事にヘリウムの画像を載せていますが、そこに写っているサドルがそいつです。
一方JAMに着けた白は、ご覧の通りオレンジの差し色。
JAMのフレームにもオレンジ(とブルー)の差し色が入っていますし、グリップも白にしたので色目もバッチリだな〜と自画自賛していますがいかがでしょうか?
JAMはシフト、ブレーキ、ドロッパーに至るまでラインは内蔵式(フレームイン)になっています。
ヘッドチューブ左側にスリット状のゲートがあり、そこがターミナルになって、樹脂製グロメットを介してラインを引き込む構造です。
前後サスのリモートはありませんが、もし増設してもちゃんとリヤのリモートも内蔵出来るようになっていました。
ところでJAMは中古で購入したと書きましたが、トップモデルだということも書いて来ました。
ちなみに新車時の国内定価は約50万円です。
それでも同ジャンルの、例えばS-WORKSのスタジャンやエンデューロなどに比べればだいぶ安価ではありますが、ついているコンポの差や、専用チューニングを謳わず汎用パーツで組まれている点。そもそもブランド的に国内定価が良心的などの理由による価格設定だと思いますし、と言ってもいずれにせよおいそれと新車購入出来る車体ではありません。
にも関わらず、私が譲り受け組み直した時にはブレーキラインもシフトラインも、ドロッパーさえ長過ぎて特にブレーキラインなどはダルンダルンでした。
JAMは以前、TARMAC SL4を購入した大手(なのかな?)中古自転車店で購入しました(あの時のTARMAC同様、何故こんな価格で?というくらい破格でした)ので、前のオーナーも存じなければ、それを新車で納入したショップも知りません。
ですが、あまりに酷い。
この、恐らくメーカーが切ってきた完成車キットのままの各種ライン長を見てそう感じました。
これはNさんに教えて頂いたのですが、よく完成車は所謂七分組みでショップに届き、ショップが最後組み上げると聞きます。
実はそれは入門〜中級車の話で、トップモデルなど定価4〜50万円以上の車体になると、変速調整もブリードも済んだ、ほとんど組み上がった状態で届くそうです。
このJAMも恐らく新車で代理店から仕入れた場合、それで届くハズだと伺いました。代理店から考えても間違いないとおっしゃってました。
価格帯を考えればそこからショップは、ユーザーに合わせたポジションの調整と、それに合わせたライン長の調整などを行なってから納車する流れですが、多くのショップは軽く試走する程度で問題なければ(問題なくはないだろうと思いますが…)そのまま出荷してしまっているのが実態だそうです。
なので上記は単に私の邪推、という訳ではありません。
50万もの車体を買ってもらいながら、フィッティング一つしないで右から左に自転車を動かしただけで、お客から金を盗っているショップも
酷い!
ですし、この価格帯の自転車を購入しながら、このライン長がオカシイのではないかとすら感じられない前オーナーも
酷い!
と思います。
こんな場合の自転車店の言い訳としてよくあるのが
ポジションが変わった時に短くしてると直せないから、長めに調整したんだよ。
というものですが、ではあのフロントのブレーキラインの長さはどう言い訳する?
フロントのステム高ってフォークコラムの最大長より高い位置には出来ませんよね?
そこにどんな長さのどんな角度のステムと、どんだけライズしたどんだけ長いバーを着ければ、あのホース長でちょうど良くなるの?
画像や具体的な数値を示している訳ではなく恐縮ですが、そんな長さのホース長でした。
意味なくフォークのホースクランプから下もたわませてたりしてゴマかしていましたが、バンジョーを真っ直ぐホースクランプに向けて突っ張らない程度に固定し、クランプから上はせめて標準装備のステムとバーで実用上最も遠い位置でレバーを水平にしてピッタリの長さで切ったくらいにしていないと、上記の言い訳は成り立ちません。
それよりも全然長かった。
もちろん当初、標準装備のGUIDEのまま仮組みした時の話です。
またはじめに受け取った車体の状態からは、私が組み直して使うには差し支えないものの、それなりに乗り込まれていることが窺えました。
なのにこのグレードの車体をこの状態で乗ってたの?
ちょっと信じられませんでした。
見事にブーメランになりましたがP.T.の店主が言っていた、信者客がダメショップをのさばらせるの構図そのものを表した状態でした。
この車体をこれくらい乗り込んで売ったとすると、MTBをやめた可能性も否定出来ませんが、より高価な車体に乗り換えた可能性が高いと思われます。
勝手な妄想ではありますが、タイヤを除きほぼデフォルトのパーツであったことも、ショップの言いなりの客であった可能性が高いことを示唆しています。
私が見た限り各パーツの傷み具合は比例していて、例えばどこかをカスタマイズしていて、売却するに当たりデフォルトに戻した感はありませんでした。
吊るしで乗ってたんかい?
まあそれはいいとして、吊るしのパーツでそのまま乗るなら乗るで、ポジションはある程度乗ったら定まるハズです。
サドル高、前傾具合からコラム高も決まればライン長は定まりますからその時点で最適化は出来ます。
吊るしのまま乗るユーザーなら、メンテナンスには持ち込まれるのでしょう。カスタマイズしない人がメンテは自分でやってます、というのはちょっと考え難いと思います。ユーザーがラインの最適化に思い至らないなら、ショップが持ち込まれた際にアドバイスしたってバチは当たらないと思いますが…。
あえて辛辣に書きますが、これはスキルの低いショップと意識の低いユーザーのマッチングによるある意味の相思相愛、私が懸念する自転車業界の由々しき状況を如実に表しています。
確かに、ラインが長くてもしっかりブリードすれば、ブレーキが効くようには造れます。
シフトケーブルが長くても、ちゃんと変速出来るようには調整出来ます。
でもね。
ママチャリじゃないんですよ。
この車体を新車販売したショップがどうかわかりませんが、ブログやHPでうちは完成車も一から組み直しています的なことを書いているショップが沢山ありますが、そういうショップが組んだ車体を見て本当に?と思ったことが何度もあります。
客受けの良さそうな文言を並び立てて、実態が伴っていない、右から左に物を動かすだけで金を盗る商売をしている輩がこの業界は極めて多く、だからSDGsじゃないのか…と妙に納得してしまう実情を理解してしまうと、余計なお世話と言われるのは承知の上で、小言を言ってしまいます。
それも自転車業界の未来を憂いてのことと、ご理解頂ければと思います。
自転車を組んだり、ご自身で整備出来なくても構いません。そのために自転車整備士がいるのですから。
ただ趣味や、好きで乗っている方ならご自身の車体が良い状態なのかどうか、どういう状態が良いのか、興味を持って頂けたらと思っています。
いつもながら長々とスミマセン。
しかも誰かをディスっているように感じる方もいらっしゃるかと思います。
読み苦しいところがございましたらその点はお詫び申し上げます。
さて、話をJAMに戻します。
ステッカーチューンも施しました。
今回、3TとSRAMのステッカーを業者さんにオーダーしたので早速貼りました。
シャレで貼っている、一般車用のウォーニングステッカー(悪路走行禁止)もREVEALから移しました。
下に見えているのは純正のフェンダーです。
サスのところで書き忘れましたが、ブーストのFOX34だと2.80のタイヤでも、純正のフェンダーが余裕で着きます。
こうして、時間はかかりましたが気に入った車体に組み上がりました。
既にJAMも飯南もトレイルに投入してますが…。
インプレは改めて。