2台の新たな車体を組むにあたり、SRAM MTBコンポの話からちょっとSDGs | 堕天使の唄

堕天使の唄

ヤフブロからの強制転居組です。

我ながら長いタイトルですね。

それはさておき。


REVEALさん さようなら。

前の記事がREVEALさんの最終形です。


今回縁あって、いよいよブーストのフルサス車を入手することになり、基本的にはREVEALさんの載せ替え車として仕上げることになりました。

それについて詳しくはまた、別の記事をあげますが、その車体は完成車の形でやって来ます。


完成車というのは案外チグハグなものが殆どでトップモデルでさえ、何もかも最高のもので固められているものは稀です。

ましてシマノ大好きで、シマノのパーツはボルト1本さえ使いたくないというこだわりを持つ私などは更に苦労する訳でして。


EAGLEシリーズ

の台頭により、MTBのドライブトレインは結構な比率でSRAMが採用されることが多くなりましたが、はじめからXX1やXO1を積んでいることはほとんど無く、カタログモデルのトップグレードであってもポンチャン(MIX)コンポだったり、GXだったり。

GXはかなりの率で多用されています。


今回入手するフルサス車はそのメーカーのトップモデルなんですが、ご多分に漏れずGXでした。

REVEALさんとはトラベル量など差はあるものの、もちろん29erですから同じようなキャラクターの車体をブーストと非ブーストで持っていても仕方ないので、最もブースト化の意味がありそうなカテゴリーであることもあり、XO1を積み替える意味でもREVEALさんとはおさらばすることに決めました。


で、


来る車体はトップグレードではあるので、最高のもので固まってはいないものの、そこそこのパーツで組まれているのも確かで、全然使えない訳ではないというかまあ、使用に差し支えないレベルではありまして…。


という訳で

物欲発動!

新しいブーストフルサス車にREVEALさんのパーツを積み替えるとほぼ、もう1台MTBが組めるくらいパーツが余る。

なら

組んじゃおー!

ということで、いつもならよせばいいのにシリーズにするところですが、ちょっと仕上がった車体に思うところがあり、そんな記事をアゲようと思った次第です。


が、その前に。


最近触れていなかったSRAMの特にMTBコンポの動向ですが、2021年現在、EAGLEシリーズは出揃った感があるラインナップになっています。

素人としては日本で最初に手に入れたのは私(ウソくさいけど事実です)だと自負しているEAGLEでしたが、その頃はXC用のトップグレードXX1と同じく下り用のXO1の2つしかありませんでした。

その後、GX、NXと出て、今は廉価モデルのSXまで出てまして

日本の正規代理店のダートフリークさんはSXを入れていない上に、SRAMグループの製品は個人輸入にも規制をかけられていますから、SXは完成車について来るものくらいしかほぼ手に入りませんが、NXでも国内定価6万ちょっとでクランクやチェーンまでフルセットで揃いますので、

まあ日本国内でもMTBでシマノを買う理由が無くなりました。


またロードのeTAPによる電動化の後、XX1〜GXまでのEAGLEが電動化され

AXSという名でラインナップに加わって現在に至っています。


グレード感について。


10速時代はXXとXOがフラッグシップでその下X9までがレースグレードでしたが、11速化された後にGXも出て、そこまでがレースグレードとなりました。


ちなみにリヤ10速のXO、X9、X7、X5ですが、当初はリヤ9速で開発されました。現在9速は販売終了しております。

その頃はXと数字の間にハイフンが入りX-Oと表記されていました。

もしかするとX-OはX-0(ゼロ)だったのかもしれません。

10速ダブル専用のXCコンポとしてXXが開発されるに至り、モデル表記からハイフンが消え、順次リヤ10速化され、9速は現在かろうじて中古市場でその生き残りを僅かに見るだけとなりましたが、リヤ10速のモデルは未だ現行品として販売されています。

これってどこかのシマメーカーなどと比較すると凄いことです。


何故って?


何せそのシマメーカーは新型コンポを発売すると、同じ10速でもワザと引き量を変えたりして強引に互換性をなくし、速攻で補給部品の供給を打ち切ってユーザーにコンポ丸ごとの買い換えを強要します。下取サービスなどをする訳でもありません。

その点、SRAMは国内代理店は入れるモデルを絞ってしまっていますが、本国では継続販売のみならずならず、10速モデルさえ未だにアップデートを続けていますし、補給部品にしても継続的に供給し続け、納期の問題はあるにしても手持ちのコンポにトラブルが起きても治しながら使い続けることが可能なのです。


少し逸れますが…


シマメーカーの企業姿勢は、売れればいい、儲かればいいという米国的大量生産大量消費主義そのものにしか見えず、言い換えればユーザー不在の利益追求至上主義であり、それは昨今唱えられているSDGsの精神とは対極のものです。

ところがそのシマ国ノメーカーのHPを見ると堂々とSDGsを謳っているのです。これをウォッシュと言わずして何がSDGsウォッシュかわからないような典型的な企業理念。

それが私がかのメーカーを毛嫌いする理由でもあります。


元来SDGs、

それからその前身のMDGsも、

米国型資本主義への反発と、それを継続することへ人類全体として危機感を持ったことから生まれています。


自分さえ良ければいい、利益が出るならどんなクソを客に押し付けても構わない、という思想は軋轢しか生まず、軋轢は反感になり、反発が起こります。私の、シマノ製品を一切使わないという行動はまさにそれですね。その行動自体の是非はともかくとして。

わかりやすく言えば、誰かが道に倒れていてもお金にならないから助けない、ということを続けるならいずれ誰もこの世からいなくなる。

それではイカン!という気付きから始まっているのです。


SRAMは生産こそ全面的に台湾で行っていますが、紛れもない米国企業であるにも関わらず、SRAMとシマノ(はっきり書いてしまいましたが)、そのどちらの行動がよりSDGsに則っているかは考えるまでもありません。

米国企業であるSRAMは当然、SDGsを謳っていませんが、実情と照らし合わせるとそのことが皮肉であると感じるほどです。

それでも何も考えず、シマノ製品を使い続けるサイクリストの何と多いことか…。

SDGsを学べば、自転車という乗り物は本来、SDGsとの親和性が高いということに気付きます。

ところが世界的にみても、自転車に携わりながらSDGsを掲げる企業は極めて少なく、車体メーカー、パーツメーカー、卸売業者、ショップに至るまで、むしろ米国型資本主義に則った企業が極めて多いのです。

海外ではそうでもないようですが、日本国内を見れば自転車に携わる企業の大半が零細企業ですから、まず自分が喰うことに必死で、他人を構っている余裕などないということなのかもしれません。


わからなくはないのですが…


人として生まれたなら、自分の頭で考えることができるハズです。

また人として生きて来たなら、誰かの温もりを知らない人はいないんじゃないかと思います。

色々な思想があり、SDGsに賛同出来ないという方や、陰謀説を信じている方もいらっしゃいますから強要することは出来ませんが、一人一人が少しでもどう行動するか、果てはどう生きるのか、考えて頂けたら何かが変わると私は信じています。


さて、話を戻します。


11速時代にはXX1、XO1に次ぐX9相当のグレードとしてX1というグレードがあり

これも日本では未展開でした。

あと11速GXでは2×11も出てます。 

私はこの2×11のRメカ

を使っていっ時、EPICでXGX1と勝手に呼んでいた2×11を組んでました。

1×用のRメカはチェーンラインが変わると変速に難が出る構造ですので、10-42Tでフロントダブルにするにはこれしか無かったんですね。

のちにSRAMの紐式コンポは、基本的にRメカの振り幅は一緒で、レバーの構造だけで引き量を変えていることが確認出来ましたので、もしこれから同様のポンチャンコンポを組むとしたら、XXとかXOのRメカにスペーサーを入れて使ったかもしれません。


今ではケージの長さがチェーンの最長と最短を巻き取れるだけのキャパさえあれば、使えることがわかっています。


現在、CruXのリヤでXXのロングケージ

を使っていますがこれは、Rメカスペーサーを入れた上でフロント10枚差の46/36T×リヤ11-42Tを駆動出来るというギリギリのキャパシティです。

フロントアウターインナーの歯数差がもう少しあったり、リヤコグがもっとワイドレンジだった場合はスペーサーまたはRメカを換えざるを得なくなると思われます。


ちなみにXXまたはXX1をトップグレード、XOまたはXO1をセカンドグレードと書いているショップのHPや個人ブログなどをたまに見かけますがこれは間違いで、どちらもトップグレードで用途、ジャンルが違うという解釈が正しいです。

確かに価格は、定価の上ではXX1が高いのですが、国内はともかくガイツーにおける実売価格は逆転していることも多いです。

また、例えばリヤコグのXG1299と1295は同じもののコーティングありと無しの違いしかないですし、その意味では確かにXX系をトップグレードと誤認するのは仕方ないとは思うのですが、DH用のリヤ7速がXO1にしかラインナップされていないことを見ても、どちらもフラッグシップであるというのは間違いありません。


XCレースコンポがXX系で、オールマウンテン〜DHレース向けのコンポがXO系です。

例えば、ブースト規格出現後に発売されたEAGLEシリーズでこそXX1でもクランクのQファクターが168mmに限定されますが、11速まででは156mmも選択出来るなど、ペダリングに特化した設計になっているのに対し、XO1は168mmに限定されているのも、下りではむしろQファクターを広めにとった方が有利だからに他なりません。


で、言わずと知れたEAGLE、12速。


10-50T

という超ワイドレンジの12速コグを中心とした1×12のコンポーネントです。

最近ではさらにレンジを広げ、ウルトラローが52TになったコグもGXと、AXSのXX1用

がリリースされました。

SRAMコンポの懐の深さを考えれば、紐式でXX1の52Tも駆動できそうには思いますが一応、SRAM自身はGXの新型か、AXSの52T対応Rメカを使え、と言っています。


本当に使えないのか?


これは試していませんし、現物確認もしていませんから実際のところはわかりません。

ただ社外品では9-52Tとかも存在しており、それらのモデルでは特にRメカに注釈をつけていないことから、使えないことはないだろう、と思います。


と書いてみたものの、私の使う領域にあって10-50Tで漕ぎ切ってしまいことはないので、ローを52Tにしたいという要望は、今のところ私にはありません。


ローのギヤ比を下げるということは、あくまで既にEAGLEを使っているという前提で、登りであと少し下が欲しい、という場合にコグの交換で対応するということになる訳ですが、その場合はトップもギリギリ漕ぎ切らない=トップは現状がちょうどいい、という状態であることがさらに大前提となります。

トップを全然余してます、というならフロントを小さくすればいい訳で、確かに1×の場合フロントは偶数歯しか使えないので、36Tだと漕ぎ切ってしまい38Tでは余す、という状況に陥る可能性までは否定しませんが果たして、ワイドレンジが身上のEAGLEでそんなことがあるのかな?と使っている身としては疑問に思っています。


最近ではロードもワイドレシオが主流になって来ており、1×すら普及し始めていますが、従来のクロスレシオのコグであとはフロントを弄るしかないというところまで詰めたギヤ比を使っている状況なら、フロントを1枚ずつ弄るのはアリです。

その場合、フロントダブル以上が前提になると思います。

いくら舗装路Onlyのロードでも、例えば12〜13速で11-23Tなどという超クロスレシオのコグが実在したとして、それを1×を使うのはいくらなんでもレンジが狭くなり過ぎますよね。

TTとかトラック専用とかでフロント55Tでダンシングで加速したらあとはひたすら回しまくるようなシチュエーションならいざ知らず、ロードでさえクロスレシオの1×というものに、現実味があるようには思えません。

そもそも私自身、この段落の冒頭で、ロードもワイドレシオが…と書いてますしね。


ちなみにEAGLEの10-50Tは昨今、500%のコグと表現されるようになって来ました。

その500%のギヤ比は、以前も書きました通りXXのダブル10速、42/29Tとか39/26Tで11-36Tのコグを駆動するギヤ比が470〜90%ですからそれより広いのです。

確かにSRAM11速の1×は420%ですし、私自身も書いていたように少し足りないギヤ比でした。だからこそGXではダブルの11速もあった訳です。


でもね、使っていたのがニノなので一般化は出来ませんが、420%の1×(XX1)でXTRのダブル10速に勝っていたのですから、当たり前に思考すれば500%で足りないという事態にはならないと思います。

尤も、ニノ云々はレースの話で、普段のファンライドではキツい登りも着座してクルクル楽に回したいというのもわからなくはないですが、それをするにしてもトップ側が合っているなら50Tで充分では?と思うのですが…


まあそれはいいでしょう。

長い登りだと着座してクルクル回してもキツいことに変わりはないんですけどね。


それから電動化に関しては、私は過去のトラウマから消極的です。

過去のトラウマとはマグラの電動フォーク(と言ってもロックアウトが電動なだけで、ストロークを電子制御している訳ではない)を使った時に、1年くらいで電池が飛んだからです。しかも急激に。

何しろフル充電しても1ライド保たないくらいになりました。


果たしてマグラの電池が全てそうなのか、私の個体が単にハズレだったのか、真相は闇の中ですが、紐式で特に変速に難も感じなければ、ストレスも感じていないので、コストとリスクを考えた時にそこまでのメリットを感じず、未だ電動童貞を貫いています。


私は自転車に乗るだけではなく組むのも趣味なので、電動対応のフレームであることが条件(電動非対応のフレームでは加工がカッタルい)ではありますが、電動コンポは車体組みに於いてものすごく楽、というのは理解しています。

操作系の取り付け自由度も高いですし、そもそもケーブルルーティングが無いあるいは少なく、変速調整も楽です。

ただコンチのタイヤの件でも書きましたが、私のマグラのフォークのように1年くらいで電池が飛んだ場合にかかるコスト、電池を換えるにしても、紐式に戻すにしても、ちょっとかかり過ぎると思うんですよね。


ま、何かきっかけでもあれば試してみたくない訳ではありません。


ところで


EAGLEの心臓部である10-50T(52Tでも構いませんが)のコグについて。

今までXX1またはXO1用のXG1299か95しか使っていませんでしたが、今回初めてGXのXG1275を手にしました。

このXG1275にちょっと思うところがありまして…。

あと、NX用のPG1230(こいつはHGフリー用なので11-50Tですが)

というのも触る機会があり、更にちょっと思うところが出て来ました。


それが今さらこんな記事を書いたきっかけでして(SDGsについては書いてるうちにシマ国ノメーカーに対する怒りが込み上げて来たので書いただけです)。

詳しくはこの後の組んだ車体についての記事で触れますが…


思わせぶりでスミマセン。