なぜか不機嫌な日本人の不思議[1]-日本人の幸福度



中国に抜かれたとはいえ、日本は世界で3番目の経済大国である。しかし、いろいろなデータを紐解いていくと、日本人の幸福度は決して高くはないことがわかってくるのだ。「不機嫌」の正体を探ってみた。

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「GDP(国内総生産)で中国に抜かれたとはいえ、まだ豊かといえる。それなのに、なぜだか満足感を得ることができない」──。日々の暮らしには事足りているのに不機嫌でなくてはいられない、こんな不思議な疑問を抱えている人が多い。
 日々の生活に対する満足度を定期的に調査しているのが政府による「国民生活に関する世論調査」だ。2008年6月調査のデータによると、現在の生活に満足している人の割合は61%。それに対して不満と答えた人の割合は35%だった。日本銀行の「全国企業短期経済観測調査」で示される「景気動向指数」を応用して、満足の割合から不満の割合を引いた“生活満足動向指数”を計算すると「26」ということになる。
 この調査が始まった1958年時点に遡ると、満足している人60%、不満を抱いている人38%の割合なので、生活満足動向指数は「22」。一方、この50年間で国民一人当たりのGDPは12万9000円から389万6000円へ30倍も伸びている。それに比べて生活満足動向指数はほぼ同じなわけで、我々がなぜだか不機嫌なのも頷けてしまう。

 そんな不機嫌さをさらにヒートアップさせている要因の一つとして、いま槍玉に挙がっているのが「官民格差」ではないだろうか。市職員の給与の是正などを訴えた大阪維新の会代表の橋下徹氏が、先の大阪市長選挙で圧倒的な支持を得て当選したことは、その象徴といえる。
 その一方で、来年新卒の学生の就職志望ランキングでは、メガバンク、トヨタ自動車、NTT系列などを抑えて公務員が第2位(図1参照)になり、入れたら天国という“役人天国”への憧れも根強いようだ。

 そこで給与面での官民格差の実態から検証してみたい。早稲田大学政治経済学術院の原田泰教授が前職である大和総研顧問を務めていた際、総務省の「家計調査」をベースに官と民の世帯主給与の比較を行ったところ、80年代後半は官の給与が民よりも10%弱高い水準で推移していた。それが90年代前半のバブル崩壊後から拡大し、ピーク時の02年には格差が26%にも達したことがわかった。
「景気後退で中小企業をはじめとする民間企業は正規労働者を削減し、その分を非正規労働者でカバーするなど極力労働コストを抑えてきた。しかし、官の給与は大規模事業者の正規労働者の給与に準拠して決められるため、真の民間給与とは乖離してしまった」と原田教授はいう。
 官の給与のほうが高ければ、有能な人材の多くはそちらを選好する。しかし、民の仕事が生産による付加価値の創造なのに対して、官の仕事はその付加価値の分配。有能な人材が官に流れれば、生産効率が悪くなり、民の給与は下がる。その結果、さらに官に有能な人材が集まる“負のスパイラル”が発生し、多くの国民に不幸をもたらす。