女性管理職になるとイイコトある?
一般女性社員を対象にしたアンケートでは、「昇進・昇格したい派」は37.5%、「昇進・昇格したくない派」は58.9%という結果が出た。
不況の今、十分な報酬も望めず、重責が増えるだけ──無理して管理職になりたくないという女性の気持ちは分かる。そもそも管理職になると、何かとてもいいこと、メリットはあるのだろうか。
女性の社会進出、ワークライフバランスについて研究を行う、日本女子大学人間社会学部教授の大沢真知子さんに聞いた。
意外と「女性管理職=自分とはかけ離れた存在」ではないのかも…
「やはり、女性管理職になるとワークライフバランスが取れず、結婚・育児との両立ができないのでは、という不安が大きいのでしょう」と大沢さんは指摘する。
確かに企業の取り組みも進んでいるとは言いがたい。「女性管理職を増やすために、あなたの会社で実施している取り組みはありますか?」という質問に「育児休業取得者に対するキャリアサポート」という回答が30.1%あったものの、その一方で「特にない」も33.0%を占めた。まだまだ日本では女性が安心して管理職を目指せる職場環境が整っていないようだ。
大沢さんによると、女性へのキャリア支援が進んでいる欧米諸国では女性管理職の割合は3~4割。それに比べると日本と韓国は低く、未だ1割程度だ。それでも、係長クラスまでなら女性の割合が増えつつある。
「現在は、『男性・女性を問わず、能力が優れているのならば機会が与えられて当然』と考える女性が増えています。今は会社も不況で人を育てる余裕がないかもしれませんが、女性には諦めずに積極的に声を上げてほしいですね。女性たちが主張すれば企業の制度を変えることができ、女性管理職が増えるきっかけになると思います」
また、アンケートでは女性管理職になりたくない理由に「ロールモデルがいない」という回答も目立った。●参考記事「敵か味方か?女性管理職VS一般女性社員」
社内に女性管理職がいても、私生活を犠牲にしている姿や、仕事と家庭・子育て両立の大変さを見て「自分とはかけ離れた存在」「とても無理」と思う人もいるようだ。
「髪の毛を振り乱して働いている姿を見て、そう思ってしまうのかもしれませんね(笑)。でも、子育てが一段落した女性に聞くと『一生懸命で楽しかった。あの頃に戻りたいわ』という人も多いんです。彼女たちは傍から見て大変そうでも、本人たちは実は充実している。たとえ仕事が上手くいかないときでも家庭があるし、仕事と家庭の相乗効果で頑張れるんですよ」
現代の女性に必要なのは、仕事も私生活も楽しむ姿勢。“仕事か家庭か“の二者択一ではなく、どちらも選択して良い。会社員として、女性として、母として、個人がいくつもの顔や価値観を持つ“マルチプル・アイデンティティー”が求められているのだという。
男性たちにも「イクメン」や「イケダン」という新しい流れがあるように、これからは男女ともにワークライフバランスを取ることが望ましい。不況の今、共働きで仕事を続ける女性が増えれば、管理職になる人も多くなるだろう。今はその過渡期なのかもしれない。
●管理職の良さは自己実現できること●
大沢さんは「管理職になると意外と働きやすいと感じる人もいる」という。「いざ管理職という役職を引き受けてみると、周囲からサポートしてもらえることが分かります。管理職になってからのほうが仕事を他の人に頼めるし、裁量的な働き方ができる。その結果、自分の得意分野に集中できるようになるんです」
もしかしたら「管理職になりたくない」と思っている女性は、ただただ仕事に忙殺されることを怖れているのではないだろうか。
しかし管理職になってみれば、その立場に合った働き方ができるようになる。自分の得意分野に集中して成果を出せれば、評価につながる。人から認められることで自信がつき、仕事に対するモチベーションも上がる。「この自己実現こそ管理職になることの醍醐味」だと大沢さんは言う。
「自信を持って働き、成果が出せれば、それは会社にとっても大きなプラス。さらに良いロールモデルを後輩たちに示せることになります。“自分には無理”と最初から諦めずに、ぜひ一歩、半歩でもいいから先に向かって歩き出してほしいと思います」
最後にエール代わりとして「管理職となって良かった」と感じている女性たちの声を紹介しよう。
●「仕事を進めやすい」(51歳・放送、映像、出版、編集、新聞、課長クラス)
●「上層部から情報が下りてきやすくなり、俯瞰的に物事を見られるようになった。部下ができ、何でも自分でやらなくて済むようになった。時間や仕事量が管理しやすくなった」(43歳・電力、ガス、水道・部次長クラス)
●「仕事は大変だが、“やらされ感“ではなく“追いかける”ようになった。後輩たちのモデルになろうと意識が上がった。仕事以外の面(子どもの保育園、地域活動など)でも良いお手本になろうと意識している」(40歳・銀行・課長クラス)
どうやら、管理職になった人にしか分からない喜びがあるようだ。
一般女性社員を対象にしたアンケートでは、「昇進・昇格したい派」は37.5%、「昇進・昇格したくない派」は58.9%という結果が出た。
不況の今、十分な報酬も望めず、重責が増えるだけ──無理して管理職になりたくないという女性の気持ちは分かる。そもそも管理職になると、何かとてもいいこと、メリットはあるのだろうか。
女性の社会進出、ワークライフバランスについて研究を行う、日本女子大学人間社会学部教授の大沢真知子さんに聞いた。
意外と「女性管理職=自分とはかけ離れた存在」ではないのかも…
「やはり、女性管理職になるとワークライフバランスが取れず、結婚・育児との両立ができないのでは、という不安が大きいのでしょう」と大沢さんは指摘する。
確かに企業の取り組みも進んでいるとは言いがたい。「女性管理職を増やすために、あなたの会社で実施している取り組みはありますか?」という質問に「育児休業取得者に対するキャリアサポート」という回答が30.1%あったものの、その一方で「特にない」も33.0%を占めた。まだまだ日本では女性が安心して管理職を目指せる職場環境が整っていないようだ。
大沢さんによると、女性へのキャリア支援が進んでいる欧米諸国では女性管理職の割合は3~4割。それに比べると日本と韓国は低く、未だ1割程度だ。それでも、係長クラスまでなら女性の割合が増えつつある。
「現在は、『男性・女性を問わず、能力が優れているのならば機会が与えられて当然』と考える女性が増えています。今は会社も不況で人を育てる余裕がないかもしれませんが、女性には諦めずに積極的に声を上げてほしいですね。女性たちが主張すれば企業の制度を変えることができ、女性管理職が増えるきっかけになると思います」
また、アンケートでは女性管理職になりたくない理由に「ロールモデルがいない」という回答も目立った。●参考記事「敵か味方か?女性管理職VS一般女性社員」
社内に女性管理職がいても、私生活を犠牲にしている姿や、仕事と家庭・子育て両立の大変さを見て「自分とはかけ離れた存在」「とても無理」と思う人もいるようだ。
「髪の毛を振り乱して働いている姿を見て、そう思ってしまうのかもしれませんね(笑)。でも、子育てが一段落した女性に聞くと『一生懸命で楽しかった。あの頃に戻りたいわ』という人も多いんです。彼女たちは傍から見て大変そうでも、本人たちは実は充実している。たとえ仕事が上手くいかないときでも家庭があるし、仕事と家庭の相乗効果で頑張れるんですよ」
現代の女性に必要なのは、仕事も私生活も楽しむ姿勢。“仕事か家庭か“の二者択一ではなく、どちらも選択して良い。会社員として、女性として、母として、個人がいくつもの顔や価値観を持つ“マルチプル・アイデンティティー”が求められているのだという。
男性たちにも「イクメン」や「イケダン」という新しい流れがあるように、これからは男女ともにワークライフバランスを取ることが望ましい。不況の今、共働きで仕事を続ける女性が増えれば、管理職になる人も多くなるだろう。今はその過渡期なのかもしれない。
●管理職の良さは自己実現できること●
大沢さんは「管理職になると意外と働きやすいと感じる人もいる」という。「いざ管理職という役職を引き受けてみると、周囲からサポートしてもらえることが分かります。管理職になってからのほうが仕事を他の人に頼めるし、裁量的な働き方ができる。その結果、自分の得意分野に集中できるようになるんです」
もしかしたら「管理職になりたくない」と思っている女性は、ただただ仕事に忙殺されることを怖れているのではないだろうか。
しかし管理職になってみれば、その立場に合った働き方ができるようになる。自分の得意分野に集中して成果を出せれば、評価につながる。人から認められることで自信がつき、仕事に対するモチベーションも上がる。「この自己実現こそ管理職になることの醍醐味」だと大沢さんは言う。
「自信を持って働き、成果が出せれば、それは会社にとっても大きなプラス。さらに良いロールモデルを後輩たちに示せることになります。“自分には無理”と最初から諦めずに、ぜひ一歩、半歩でもいいから先に向かって歩き出してほしいと思います」
最後にエール代わりとして「管理職となって良かった」と感じている女性たちの声を紹介しよう。
●「仕事を進めやすい」(51歳・放送、映像、出版、編集、新聞、課長クラス)
●「上層部から情報が下りてきやすくなり、俯瞰的に物事を見られるようになった。部下ができ、何でも自分でやらなくて済むようになった。時間や仕事量が管理しやすくなった」(43歳・電力、ガス、水道・部次長クラス)
●「仕事は大変だが、“やらされ感“ではなく“追いかける”ようになった。後輩たちのモデルになろうと意識が上がった。仕事以外の面(子どもの保育園、地域活動など)でも良いお手本になろうと意識している」(40歳・銀行・課長クラス)
どうやら、管理職になった人にしか分からない喜びがあるようだ。
もうひとつの天安門 親子で見てきた中国/三浦香代子 |