第3話 第13艦隊誕生
◆◆為政者に一矢◆◆ (ジェシカVSトリューニヒト)
ジェシカ
国防委員長。私はジェシカ・エドワーズと申します。アスターテ海戦で戦死した第6艦隊幕僚ジャン・ロベール・ラップの婚約者です。いいえ、婚約者でした。
トリューニヒト
それは、それはお気の毒です。しかし…。
ジェシカ
労っていただく必要はありません。私の婚約者は祖国を守って、あなたのおっしゃる崇高な死を遂げたのですから。
トリューニヒト
そうですか。いや、あなたは銃後の婦女子の鑑とも言うべき方だ。
ジェシカ
ありがとうございます。私はただ委員長に一つ質問を聞いていただきたくて参ったのです。
トリューニヒト
ほう、それはどんな質問でしょう。私が答えられるような質問だと良いのですが。
ジェシカ
あなたは今何処にいます?
トリューニヒト
はあ、何ですと?
ジェシカ
私の婚約者は、祖国を守るために戦場に行き、現在はこの世の何処にもいません。委員長、あなたは何処にいます。戦死を賛美するあなたは何処にいます。
トリューニヒト
お嬢さん。
ジェシカ
あなたのご家族は何処にいます。私は、婚約者を犠牲に捧げました。それなのに、国民の犠牲の必要を説くあなたのご家族は何処にいるの。あなたの演説はそれらしく聞こえるけど、ご自分はそれを実行しているのですか。