(NETFLIX) このサイテーな世界の終わり シーズン2 ネタバレ | ゲイが語る映画の感想とクローズドゲイの日常

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映画の感想が主ですが、たまにゲイアプリでの出会い報告もやってます。その時は(ゲイ話題)と書きますので、ゲイに対して理解のない人には、そっとページを閉じてくださいね。

 

続き。 今回新たに登場するボニー(右)はかなり癖がある人物です。 そして、その背景もかなりえぐい。今回はシーズン1の考察も兼ねてますのでネタバレあります。

 

 

 

 

シーズン1の終わりから2年後。 若気の至りで起こした事件がボニーの登場によってぶり返される。 そして、自分のトラウマと向き合うストーリーになっています。

 

 

 

相変わらずアリッサの行動原理がよくわからない。行き当たりばったりというか他人に対して冷たく当たる性格というか。大人になる過程を描きつつ、まだモラトリアムでいたい自分と前作の事件のトラウマでごちゃごちゃの展開になってます。結婚相手にも、お前は誰とも付き合わない方が良いって言われてるし。

 

 

その点でジェームスの達観具合が大人になったなって印象。罪を犯した事への反省は持っているようだし、自分が撃たれた事で色々変わったのかもしれません。

 

 

 

ただし、今回は父親離れできない。もしかしたら退行しているのかも。それまでの父親の愛に素っ気なく当たっていた事への後悔。そして父の突然死。恐らく母親の自殺の原因を父になすりつけていたのだろうからその喪失感は半端ないです。

 

 

 

でも、アリッサの事が好きなんだよね。時々嫌な部分を思い出すってのも現実的。ゾッコンじゃない。

 

 

 

普通の幸せを求めないってのは分かるんですが、二人が合わさると非常にダメな展開になるので一緒になってほしくないのにどんどん吸い寄せられていくのは見事なストーリーだと思いました。 ほとんど無駄がない! そしてタイトルにそぐわない程美しいエンディング。いや、終わりの意味するものは好転の意味かな?

 

 

 

 

対して、ボニーの熱狂的愛が復讐心を掻き立てるのも恐ろしい。こっちはゾッコン。完璧主義者として育てられる弊害か、優しさで漬け込まれてるし、盲目的に二人を殺害しようとする。ただし答え合わせが必要ってのがさらに良い。「何があったのか?」が聞きたい。ってのサイコパス。それでも殺すという一択だから。

 

 

ジェームスは自分をサイコパスだと思ってたけど、自惚れだった。自分が行う行動はより弱いものを虐める陰湿な部分があっただけで、正当防衛を行う事で気付く本当の自分ってのが良かった。

 

 

 

ボニーの話に戻るけど、頭の良さはあるんだけど、実際に使えない人の典型かなって。計画通りなら全てうまく行くけど、トラブルが起きると完璧さを失い突っ走る。二人とは真逆な存在。

 

 

 

NETFLIXの作品なので同性カップルが登場します。(前作でもそう) という書き方もなんとなく自分でして変な気持ちです。

 

 

 

少し反動が起きそうな感じがしてムズムズします。 でも、同性愛者はつねに異性愛者の恋愛模様を見せられ続けているということを考えると別におかしくないんですね。 

 

 

「そんな設定いるの?」という声が聞こえるかもしれませんが、それって男女の主人公がなぜか恋愛モードになって一夜を過ごすみたいな展開は五万とありますからね。無いほうが珍しいでしょ? 実際、このドラマであったって、アリッサとジェームスの恋愛ものですからね。

 

 

最近耳にした例外は、ミミレダー監督の「ピースメーカー」が主人公たちが恋愛モードにならないのだそう。コナンやドラえもんでさえも男女の恋愛が思いっきり描かれてますからね。

 

 

 

NETFLIXって同性愛に関して隔たりがない配信サイトだって理解すればいいだけのことです。 ことさら「うわ!また同性カップル出てきたよ!」って思わないような世界観づくりを制作側はしっかり考えているのだと思います。

 

 

日本はまだゲイであるだけでエピソードを費やしてしまいますからね。理解してもらえない状況に苦しんだりとか。フォビアにあうとか。

 

 

 

このドラマで明らかなのは、それを超越して二人の関係性に重きを置いている所。シーズン1のレズビアン警官たちは、一夜を共にした事に対してお互いの関係性が変わってしまった事が問題に挙げられるし、別の人とデートしている事に嫉妬するんです。全く異性愛者の関係と同じ描き方ですよね。

 

 

 

欧米が進歩しているという言い方はあまりしたく無いし、それ以上の差別も実際に起きていることも分かるんだけど、同性愛者だからってみんながその性的指向に困ってるわけでは無いんだよね。同性を好きになって愛する事が出来ることがラッキーだと思ってる人もいる。

 

 

 

寛容だと言いつつ、色眼鏡で見てしまう多くは、異質なものへの畏怖と想像力の限界。同性同士のセックスに対する興味。それ自分に向けられて赤裸々に応えられる異性愛カップルなんて稀ですよね。

 

 

 

だからと言って差別などに無関心になっては行けないんだけど、それはまた別の話。