昭和天皇とマッカーサーが並んで撮った写真を見た人は多いだろう。

見たことのない人は、(写真 昭和天皇とマッカーサー)で検索してみれば沢山出てくる。


人間は初対面の時に相手の目を見て、その人物を知れ、ということは非常に大事である。

特に為政者や武士、軍人にとっては、それが初手である。

また、上級者になれば、初手を合わせる前に、気で相手を測り、上座下座を悟るものである。

そうでなければ、戦乱を何度も潜り抜けることができない。


宮本武蔵は、それが出来たから、無用な争いは避け、勝てる相手には勝負し、難なく勝っている。 っと、五輪書には書いてないが。

だれでも、

公表するモノには本音を書かないものであり、行間を読むしかない。


日本の戦国の世にもそのような侍はゴロゴロいた。

だから、感服している敵に塩を送ることもあったのだ。

そうでなければ、なぜ自分を不利に、相手を有利にするようなバカなことをするものか。

たとえ敵でも、相手のほうが上であろうが、下であろうが、礼儀を尽くすのが武士の名誉である。

なんでもかんでも勝てばよいなんてものは、野蛮人のすることであって、高貴な人間が下賤な手を打ったのでは、孫末代までの恥で、御先祖の誉れを汚すものである。


さて、本題に戻ろう、と思うが、賢明なあなたは、もう私が何を言いたいか察しているでしょう。

で、

改めて、問題の写真をよく見てもらいたい。


あ、その前に、インターネットでも書籍でも、この写真が撮られる前後の経緯を書いたものは多数あるが、両者が初手を合した時の心を書いたものは無いようだ。

しかし、

戦国時代とは異なり、両者とも初対面の前にある程度相手のことは調べ、知っている。

この二人を比べれば、腕力を別にして、毛並みも教育も教養も段違いである。

だいたい、腕力なんぞというものはオリンピック程度で役に立つ野蛮な技であり、20世紀も後半になれば、知的な人間の誇るものではない。

つまり、この二人の出会いをわかりやすく例えれば、幕末の新門辰五郎と明治天皇以上の差、なのだ。


だが、しかし、マックもバカでもアルツハイマーでもないれっきとした現役の軍人であるから、初手で感じる、解る。

天皇は言うに及ばず、悠揚迫らざるところであるが、仮にも相手は連合国のボスであるから、天下に恥を晒したのじゃ可哀そうだ、と当然思っただろう。

変態親父のオレでさえ、罵倒するのは簡単でも、衆人環視の中では、相手のメンツってことは考える、という常識は持ち合わせている。


そ、そこでだ、

もう一度、写真を、なるべく大きな奴を見てもらいたい。

じぃーーっくり、よく見てから、以下を読んでほしい、、、、、


どう?


マックとしては、どうせ、いのちごいにくるんだろう、へん!

ってな気持ちで待っていたろう、、、、


巷間よく言われるように、昭和天皇は直立不動、か?

他の昭和天皇の写真にもあるように、公式の写真を撮るときは陛下は常に直立です。

しかし、不動、とはどのような姿勢か、思い直して、くどい様だが今一度写真を見てほしい。

そう、解ったでしょう?

不動の姿勢の時とは違って、陛下の両方の手先がまっすぐではない。

別にリュウマチを患っているわけじゃない。

そ、リラックスしているのです。


マックは一見して悟った。この人は命乞いに来たのではない、と。

そして、思ったろう。

しまった!正装すべきだった。

だが、時すでに遅しだ。


リラックスしている陛下と、うろたえる心を繕うマック。

それが、この写真なのだ。


さらに追い打ち。

今度はマックをよく見てほしい。

両手を腰のやや後ろに当てて、天皇側の左腕は体に近く、反対側の腕は体からモチット離れており、これは相手に失礼にならないようにする時の姿勢だ。

さらに決定的なのは、マックの姿勢が天皇と反対側に傾いている。

背景の柱などと見比べてほしい。

これは、本人も終生気が付いていなかっただろうが、相手に気押(ケオ)されている、気圧されている(どっちが正しい?)時に、こういう姿勢になる。


はたして陛下がどこまで意識してたか、無意識でか、知らないが、結果はこういうことなのだ。


ともかく、ド強い奴は、相手がよくわからないうちに、何だか知らないうちに勝負を付けてしまうのだ。


許斐氏利、國井善弥、植芝盛平などが良い例だ。

やたら段平を振り回したり、抜く手を見せたりするような弁慶や武蔵などは二流だな。


日本の外交も、上記三者の水準を目指してほしい、と思う。

これが、今日の本題です。


さて、話は終わりに近づいた。

そのあと、

二人で会談した時には、マックが矢鱈しゃべったらしいが、だいたい普通は命乞いに来たほうがしゃべるんだろうが、事態はそういうことじゃなく、マックとしては態勢挽回を図ろうとしたのだろう。


誰だか、忘れたが、西郷隆盛にサシで会い、滔々と論じて、西郷に言ってやった!っと意気揚々と引き揚げてきた帰り道でよくよく考えてみたら、何だか西郷に丸め込まれた様な気になった、なんて話が有ったな。


だが、しかし、マックの弁舌もむなしく、


半時間余、会談が終わって出てきた二人がどういう状況だったかは、多くの書き物に書かれているので、ここに駄弁を弄する必要はあるまい。



今回の参考資料は沢山あるが、実名で書いてあるので各々自分で調べてね。

http://www5f.biglobe.ne.jp/kingmiya/

http://ameblo.jp/kingmiyachan/

以上