「君」どうしてる?
元気でやってるのかい
それとも
もう死んじゃった?
「君」の印象的な目が堪らなく好きだったよ
僕の嘘なんて簡単に見抜かれているようでさぁ
あの冬の夜に痺れるような流れを堪能できたのが嬉しかったんだ
「君」の乳房を噛むと男になれる気がしてたんだ
ほら、まだ空は青いだろ
あの雲の切れ間から邪(よこしま)な目が僕らを眺めて嗤っている間に済まそうよ
時間は残り少ないからね
「君」の神秘を全世界に示したかったんだろ?
でも僕は、僕の腕の中の君が好きだったんだよ
皆が好きな君は好きじゃないさ
なんで知らないフリするの?
僕が寝ている間に「君」は他の男と平気でキスするんだね
どんな気分だい?
その味や匂いは?
いつも、そうなのか…
肉体の奥に心があるってのを忘れたの?
少し離れただけで
小犬のように怯える「君」
僕はあんまり可笑しいから
つい速足で歩いてしまう
スノッブに決め込んだ、あの猫みたいに… さ
じゃ、そろそろ
僕は眠くなってきたから
「君」の事なんか
すっかり忘れて寝るとするよ
もう瞼の裏側にすら誰の居場所もないしね!
さようなら
朽ちていく体と心
衰える魂
懐かしい記憶に苛まれるのは
まだ生きている証