こんにちは。保険のミカタです。
さて、今週も引き続き香港の貯蓄型保険についてのお話です。
前回、M社の貯蓄プランでは、一括預入れの場合、
10年後の解約時の返戻予測額は元本の約1.4倍、
年利で3.4%というお話をしました。
銀行の利息と比べると信じられない高運用利回りで、
本当に大丈夫?と思われるかたもいらっしゃるでしょう。
いったい保険会社はどうやってこのような高い
運用利回を出すことができるのでしょうか。
香港で大手保険会社が販売する貯蓄プランの
パンフレットには、該当する保険商品の保険料の
投資先についての情報が公開されています。ちなみに、
M社の貯蓄プランのパンフレットでは以下のように
記載されています。
投資先は大きく2つに分類され、一つは固定収入資産への投資、
もう一つが非固定収入資産への投資となっています。
固定収入資産とは満期まで保有していると予め決められた
固定の利息が確実に支払われるというもので、主に政府が
発行する国債、企業が発行する社債がこれに当たります。
M社が投資を行う国債の発行元は、主にアメリカと
アジア諸国と記載されており、貯蓄プランへ支払われた
保険料の半分~最大65%までが債券市場で運用
されていることになっています。実は、先進国や
大手企業が発行する長期債券は、大部分が大手保険会社
などの金融機関によって保有されています。
最新の30年もののアメリカ国債は上昇傾向にあり、
年利3%を超えており、最近の金利上昇傾向に伴い
多くの金融機関が買い増しを行っているということです。
つまり、長期間にわたり、大量の長期国債を定期的に
購入し続けることで、購入コストの平均化を行って
リスクヘッジをしています。
そして、残りの保険料の35%~50%という限定的な
部分を、株式市場や不動産投資等、非固定収入資産への
運用に充てています。パンフレットによると、
非固定収入資産の投資先は、主にアメリカ、ヨーロッパ、
アジア市場となっており、また、通貨の分散投資も
行っているとのこと。
つまり、香港で契約された保険商品の保険料は香港を
窓口に、世界中をかけめぐり、さまざまな通貨に形を
かえて運用されています。そして株式市場や
不動産投資から得られる運用益は長期的に複利で
増えつづけるため、貯蓄プランを長期で保有
すればするほど、より高いリターンが得られる、
というしくみになります。
つまり、支払われた保険料の大部分は長期債券市場で
確実に運用益を確保しつつ、限定的に株式市場や
不動産市場へ分散、長期投資を行い、年利で3%以上を
達成することが可能となる訳です。
ただ、一口に香港の貯蓄保険といっても、実際の運用利回りは、
保険会社によってかなりバラツキがあるのが実状です。
貯蓄プランを契約する保険会社を選ぶ際の基準として、
実際の運用実績が、プラン加入時に提示される予測利回りと
比較してみてどの程度達成できているかどうか、
ということがとても重要なポイントなってきます。
実は、達成率が50%ほどしか達成できていないという
大手保険会社のプランも珍しくありません。
高い利回りが予測されたとしても、実際に達成できなければ
それは絵にかいた餅になってしまいます。
香港では、保険会社を監督する機関によって、
過去5年間の運用実績の達成率をネットで公開することが
義務付けられています。保険会社の信用度と実力が
ガラス張りになっているのは良いことですね。
以下のサイトで閲覧できるので、是非参考にしてみてください。
次回は、引き続き香港の貯蓄プランの具体的な設計について、
お話したいと思います!