今日の出来事。
新入社員の歓迎会とシフトを入れ替わる仲間達の歓送迎会を兼ねた飲み会で楽しんだ夜を明け、二日酔いのまま、久々の休日が始まる。
いつもの休日の朝の習慣。
娘を抱っこ。
朝ご飯。
ランニング。
ランニングを終えた僕に妻が言う。
妻「なんか、お母さんから電話あったよ？走ってるって言ったら、じゃあ帰って落ち着いたら電話かけてって言ってた」
僕「ほんとに～。なんだろね」
用件を妻に言わない。
僕が最初に聞かなければならない用件。
どことなく不安な気がした。
僕「おばあちゃんやばいのかな？」
僕の祖母はとても高齢で今実家でほぼ寝たきりである。
妻「えー？！やめてよ！早くシャワー浴びて来な」
僕「はーい」
今日は午後に、妻の友人家族が遊びに来るので家の中の掃除機がけをしなければならなかった。
シャワーを浴びて、水分を入れたあと、家中ダスキンモップをかけた。
なんとなく嫌な気分が止まなかったので携帯を手に取り母親に電話をかけた。
母「なんかごめんねー。今日休みなんだね。走ってからシャワー浴びて落ち着いた？」
僕「うん。落ち着いて掃除機かけるとこだけどどしたー？」
母「んーっとね。えーっと。最近おじいちゃんが具合悪くてね」
僕「うんうん。どしたの？」
僕の母親は一人っ子で。
僕は長男であり、祖父にとっては初孫である。
祖父は、とても優しくて。
幼い僕がどんなワガママ言おうと全て受けとめてくれて。
なんでも願いを叶えてくれた。
大好きなおじいちゃん
その気持ちはいつまでも変わらない
祖母が20年以上前に他界してから
1人で生活して、今では実家裏のアパートで生活している。
僕が実家に行った時はよく挨拶に行く。
また、僕が結婚を決めた相手も快く迎え入れてくれて、本当にやさしさが体中から溢れていて、僕の娘が一瞬でおじいちゃんを好きになったのも自然な流れだった。
母「なんかね総合病院行ったんだけど。えーっとー。結論から言うとね。」
僕「うん」
母「おじいちゃん、肺がんって言われたんだよ」
僕「は？」
そのあと、母は僕に様々な医療的な難しい説明を重ね、今後についての話を続けた。
片手に持つダスキンモップは果たして仕事を成したかはわからないが動かし続けた。
僕は
Jリーグが始まった
小学校高学年からサッカーが
大好きで
放課後はいつも
ボールを蹴っていた
職業にしたいとも考え始めていた
でも
クラブチームに入ると
週末のおじいちゃん家へのお泊りが出来ないから
クラブチームには入らなかった
僕の中での最優先が
おじいちゃんだったのである
数分の電話を終え、妻の前へ。
僕「おじいちゃんだった」
妻「え？！」
僕「肺がんだってさ」
妻「えーーーー？！？！」
僕「キツイね」
妻は言葉を無くしていた。
僕が猛烈なおじいちゃん子なのは
ずっと言ってきたから
妻も構えてしまったんだと思う。
でもそれは問題ではない。
突きつけられた現実を受け止められない感情が
僕の目から溢れてきそうになったので
掃除機を上へ運び
今日は二階から掃除をはじめた
やっぱり受け止められなかった
掃除機はついていても
うまく掃除できなかったと思う
涙が止まらなかった
かなり時間をかけて二階を掃除し
下へ向かった
妻と娘と目を合わせず
掃除を続けた
こういうとき、妻は気づいている
でも
そっとしてくれた妻の優しさにも感謝したい。
僕の周りの大切な人達は
絶対に死なないと
昔から願ってきた
その一番手は
おじいちゃん
まだいなくなってしまったわけではないが
母との電話で
死
の言葉が何度か出た
実の子である
母も辛いはずである
その気持ちは測れないが
それを耐えて伝えてくれた事に
感謝しなければならない
僕が持つ
やさしさ
は
絶対おじいちゃん譲り
このやさしさは
一生宝物にしていきたい
まだいなくなったわけじゃないけど
やっぱり辛いから
今日だけは泣いてもいいよね
誰か肺がんを治せる人はいませんか？
おじいちゃんの痛みを取ってください
おじいちゃんはとっても優しくて
大好きなんです
大切な人なんです
だから
もっと一緒にいたいんです
