3.予想外の乗客による増大
例えば、JR中央線の御茶ノ水駅だったり、JR山手線の新宿駅だったり、真向かいの違う路線の電車に乗り換える際に「間に合っちゃった」なんて経験はありませんか?
本来は止まっていないはずの電車が1分遅れていたから「間に合っちゃった」なんてラッキーな出来事は、鉄道事業者側からすると”アンラッキー”なのです。
なぜか?
本来、すぐに発車できるはずの電車が乗換えのお客様を待つためにさらなる遅れを発生させてしまうからです。
特にそういった乗換駅には駅係員が出発の合図(扉を閉めるタイミング)を決めているので、あまりイジワルせずに乗り換えられるように配慮しているところが多いようです。(※一番の理由は事故防止のため)
4.運転間隔の調整
たまに乗った電車は定刻どおりなのに、「ただいま、後ろの電車が遅れておりますため当駅にて間隔調整を行います。発車までしばらくお待ちください」なんてテンションの下がるような放送を聴いたことありませんか?
これがまさに、”予想外の乗客による増大 ”を防ぐための手法なのです。
例えば、定刻より3分遅れていた場合「定刻で待っているお客様+空白の3分のお客様(本来次の電車だが、「間に合っちゃった」)」が乗るため、通常よりも混雑し乗り降りにも時間がかかります。
また、山手線のように3,4分間隔の電車の場合遅れている次の電車がガラガラでは、前の電車が遅れるばっかりで効率が悪いですよね。
そこで、1つの電車にお客様が集中しないように遅れている前後の電車にも少しだけ遅れを発生させて、混雑の分散で、遅れを最小限に留めているのです。
ただし、これはある程度過密した状態で電車が走っている時で、15分間隔など、そもそもの運行間隔があいている電車には適応しづらいのが現状です。
昨今、電車の遅れに対して厳しい目が向けられていますが、その理由のほとんどが「電車を安全に運行するため」にあります。
かつてのJR福知山線の脱線事故以降、鉄道会社では安全面に対し、一層厳しい目で取り組んでいます。
しかし、いくら安全面の設備やルールを確立したところで最後に必要なのは、「お客様のご理解とご協力」なのです。
何万、何十万のお客様が同時に利用している中で「何も起こらない」ことは、”当たり前”でもあり、”奇跡”でもあるのです。
私たちは、そうした”奇跡”の積み重ねで生活していることを少しでも実感していただけたらと思います。
結論:電車が遅れる要因は多数あり、ちょっとしたことでそれが発生してしまう。
遅れても気にしないくらいの心の余裕を持って行動すると、観方が変わるかも!?