長渕剛
長渕剛で思い出したエピソード。
あれは忘れもしないアドウェイズに新卒入社して3年目の2009年12月。
入社とほぼ同時に立ち上げた大阪支社が軌道に乗った頃だった。その年の8月に東京本社から小倉が部署移動し、ワンルームマンションにて名古屋支社を立ち上げている最中であったが、大阪の広告主とのミーティングのため、大阪支社に戻ってきていた。その小倉に1通のメールが来た。
「高野くん!◯◯ (某FX会社)さんから出資の依頼メールが来たよ!」
「おおお!よくわかんないけど社長と取締役とのミーティングじゃないか。初めて会うことだし、取り敢えず伺おう。アポって!」
先方からの依頼は、年内つまり今月中に出資をお願いしたいとのことだった。
「これは広告取引量拡大の絶好のチャンスだ。ただ月末まであと2週間しかない。本社と相談して決済していたらかくーじつに年が明ける。時間がない。ここは社長である岡村さんに直接電話しよう。」
となった。当時たまに社長の岡村から電話が来ることはあったが、こちらから電話することはなかった。
「今から俺が岡村さんのケータイに電話するから、静かにするように。他の電話はすんな。」
当時の大阪オフィスは陽が射すこともない10畳満たないマンションだったため、声がこもり、全員で電話することができず、特に声が大きい玉置が話し中の時は玉置につられるため、他は外やトイレで電話をしていた。ちなみに、大阪オフィスの電話は家庭用コードレス電話だったため10mは離れて通話することができた。
「よし、岡村さんのケータイにかけるぞ。090-××××-××××...」
番号をプッシュした次の瞬間、、、、
「クロォージョアイズ!!!!!!!!!!!!」
という絶叫が僕の耳をつんざき、僕は驚いて電話を切った。
「うわわわ!!岡村さん、ごっつ怒ってる!!アカン!!めっちゃ怒ってる!!確実に怒ってる!!なんでかわからんが、目潰れ!?目潰すぞ!?英語で言うてる。わからん。とにかくごっつ怒ってるわ!アカン泣きそう。俺ごっつ泣きそう。アカン、ちょっとちびった,,,,」
しばらくしてもう一度だけ電話してみることにした。
「090-××××-××××...........クロォー!!ジョアイズ!!!」
「うわわわ....ん?ん?」
よく聞いてみたら、社長の声とは少し違った。
それは長渕剛であった。どうやら長渕剛の『Close your eyes』という曲であることがのちにわかった。社長が長渕剛の大ファンで、その曲を自分のケータイの待ちうたに設定していたのだ。声も似てるし、しゃべりもちょっと似てるから紛らわしい。
その1週間後、東京本社にてFX会社への出資が決まった。大阪支社は無事年越しを迎えることができた。
「Close your eyes!!!!!!!!!!!!!!!!」
まるで桜島がいや富士山が噴火したのではないかと思うほどの熱量ある声が、
大阪時代の激闘の記録と記憶とともに、
今でも僕の耳に残っている。