「エイト」の意味を求めて | 主体性こそ集大成-Beyond the Borders-

「エイト」の意味を求めて

8月8日の本日だからこそ投稿したい話。8月に広島を訪れるようになり8年目となる今年気付かされたことについて。

8年前より気になっていた店がありました。広島平和記念公園から橋を渡ってすぐのところにその店はあります。「エイト」という喫茶店です。古ぼけた喫茶店で中は真っ暗で開店しているのかもわからず入らずに8年が経っていました。

私の会社はチャプターエイト(Chapter8)と言います。意味は私自身の名前や生まれ月、生まれた場所や30歳で訪れた場所などいろいろ意味が込められているのですが、一番大きな意味は、8という数字が末広がりという意味があるのと、横にした時に無限大∞になることから、「終わりなき物語」「永続的発展」、それに加えコーポレートカラーが赤であることから「飽くなき挑戦、成功への情熱」という意味を込めています。いつまでもどこまでも広がり続けるという意味です。

今回、大阪から来た仲間2人とこの喫茶店に恐る恐る入ってみました。店内には誰もおらず、奥の方におばあちゃんが1人ご飯茶碗を持ってテレビを見ているだけでした。その方が、53年前にこの地で喫茶店を始めた人でした。71年前に原爆が落とされた時には国民学校の5年生で11歳でした。当時呉市に住んでいて、広島市内に救護に向かった時は地獄絵図のようで長らくだれにも話せなかったそうです。またこの世代の人は学校もなくなり教育も受けられず、仕事に就くのに苦労したそうで、最もかわいそうな世代とおっしゃっていました。戦後、結婚をし子供ができましたが夫が早く亡くなり、この地で縁があって1人で喫茶店を始めることにしたそうです。楽な仕事だと思ったそうですが、過去3回過労で倒れたことがあるそうです。今では、周りの喫茶店がどんどん店を閉め、喫茶エイトだけ残っているそうです。僕は最後に尋ねました。


「ところで、店の名前をエイトにしたのなぜなんですか?」

「私の考えです。私の気持ちです。物事はなんでも8分ぐらいがええということです。多くを求めない。すべてを求めない。求めすぎない。お腹も8分目がいいと言うでしょ。」

戦争を原爆を経験した方の非常に重みのある言葉。

僕の中に新たな気持ちが芽生えた、新たな考えが加わった瞬間でした。

「ありがとうございました。また来年来ますね。」

「私がまだ元気だったら。来年待ってますね。」