海外事業戦略で差別化すべき3つのキーポイント | 主体性こそ集大成-Beyond the Borders-

海外事業戦略で差別化すべき3つのキーポイント

ご無沙汰してます。高野です。

海外拠点の現地法人の社長になって以来、劇的環境や立場の変化に対し、
自分の体の使い方がわからず、かなり体を酷使してしまい、健康診断結果が恐ろしい、いやおぞましい結果となりました(°´д`°)今月末、精密検査で帰国します...

汚い油を使った料理、酒、運動不足、寝不足、休暇不足に気を使います。

しかし、それとこれとは別で、これからもガンガン休まず攻めますよ!!!


表題の件、日本から海(国境)を越えて、インドネシア、シンガポールに来て1年半以上経過して、見えてきたもの、考えたものを、社内にも社外にも同時に公開いたします。
ちなみに、私のブログには、「ゲーム」「スマホ」「アプリ」「ネットサービス」など具体的な事業の話は出てきません。ですので、自動車業界、商社、製薬業界、鉄鋼、石油、紙、パルプなど資源業界、広告業界、IT業界から政府官公庁の方などでもぜひぜひお付き合いいただければ幸いです。


なぜ拠点をたくさんつくるの?

→経営目標「世界のインターネット商社」を目指すため

どのように?

①国を超える性質(=越境性と命名)があるものとないものを本質的に理解し、精査し、前者はグローバル戦略へ、後者マルチドメスティック戦略(国内はサービスが複数あってよい)へ。

(越境性があるものとないものは、自分で1つ1つ分析し、収集する必要があります。私は、この夏、ポーランドのアウシュビッツ収容所に3日間、移民の国スウェーデンに行き、初めてその全貌わずかばかり理解することができました。民族、言語、人種、宗教、文化、風習、通貨etc 来年公開します。)

拠点がある理由は、ドメスティック戦略により各国でシェアを築いておき、その拠点の総和で勝負するため。また、国によってスケールする時期が絶対に違うのでそれに備えるため。グローバル戦略も、各国ごとにカスタマイズする必要(すべてのサービスの要素が国を超える性質で構成されることがないため)があるので、その際に拠点があり、ある程度のリソースを確保していることが後々死活的に重要になる。

【付記】
グローバル戦略では、各国で共通しているものに着目する(相違点はその国の中に入り込み、社会をよくよく見なければわからない)ので、まず展開するプロダクトは1つに絞る。またブランド名、ブランドが築く価値は、その価値ごと越境できるので、ブランドも統一する方が良いと考える。またドメスティックの場合は、プロダクトは、その国内のターゲットを絞り展開し客数を増やすか、顧客単価を上げるため、サービスを追加し横展開していく。国内に拠点を構える強みを生かし、より顧客に密着していく方法を取るため、プロダクトを複数持ち、1顧客あたりの満足度を最大化させる戦略をとる方がよいと考える。ここでは、グローバルプロダクトとドメスティックプロダクトのターゲットとなる顧客は、順番はどちらが先にしても、もちろん一緒であることが肝。(またドメスティックプロダクトもできるならグローバルプロダクトになる可能性を頭に入れておいた方が良い。)

グローバルプロダクトを広めやすい、一気に展開しやすい環境をつくっておくのが各拠点のミッションの1つである。そのためにある程度、BtoBの場合はターゲットとなる顧客との取引をドメスティックプロダクトでしておく。BtoBやBtoC共通で、自社名を広く認知させたり、グローバルプロダクトを包括する事業を行っていることを国内で広く認知させておく、人的リソースの確保などが重要。

またグローバルプロダクトはその後、その国ごとにカスタマイズを行う必要が必ず出てきて、理由は、グローバルのそのグローバルという基準を作っているのは先進国で、徐々に新興国が伸びてきて、グローバル基準が変容してきて、どころか成り立たなくなってきて...ちょっと前はロシアの基準がグローバルだ!まずはロシア語マスターして、ソ連の文化を取り入れて、グローバル化しようと思ったら、崩壊して、英語が基準になって...というポーランドのタクシードライバーの話を思い出す。キリないですね...


なぜ本社の社長や役員が、現地法人の社長どころか役員も兼務していないの?


→「任せる社風」による。兼務すると、人が育たない。一番わかってる人がやるべき。それは現場の人間。人を信じている。そして後から、トップが出るべき時に、機を見て、社長自ら一気に出る。その際に、現地法人での役職関係なし。現地のメンバーが現地の社会を見ず、本社を見て仕事をしがちになるのを防ぐ。社内より社会を重視する。現場の意思決定と本社の意思決定の優先順位が異なる。グローバルで単一のプロダクトを展開していくなら、話は別だが、最初に社会をよく知り、人を育てる、急成長させるために、権限委譲が社内向けにも社外向けにも明確に必要。その人間に主体性を持たせ、急成長させるために、権限と責任は1セット。切り離し不可能。


また別の見方をすれば、役職は職能ではなく、職域と職責で分かれている。
役職が高いからといって、海外事業の成功の可能性が高いとは言えない。またベンチャーでは、役職といっても、経験や年齢にたいした差がなく能力も拮抗している場合や社歴などの問題で能力を正しく反映していない場合も多い。

大阪オフィス立ち上げ時、営業を助けるのが得意だった浴が営業管理、営業が得意だった玉置が営業、リーダーシップ系が比較的得意だった私が責任者となり、誰が偉いとか誰ができるとかなかった。当時、組織をして社会に貢献せしむために、弱みをなくし、強みを最大化するために自然とそういうポジションとなった。ただ、職域と職責で分けたのです。
現在、インドネシアでは、職域と職責でCEO職とCTO職で分けております。能力は比較できません。

②性善説でいく。「任せる」という決断は、性善説の上に成り立つ。とにかく日本企業、特に大きな会社は攻めるメリットより攻めるリスク(現状維持するメリット)に着目しがちで、特に変化の早い、スピードが勝負を決める(サービス)業界においては、不利にはたらく。

不信感を醸成させるもの、
日本企業で任せない理由に多く見られる、社歴、年齢、人種、言語、採用地。
他国企業で任せない理由は、能力と実績に関するもの。
年齢、人種、言語が異なる相手を変えることはできないので、自分を変え、近づき理解するように絶えず努力すべし。その努力も怠り、不信感を持ち、自分に顔、形、言葉が近しい人間を重用することを、もし真に経営目標を実現させたいなら、いずれ、いや今から捨てなければならない。



なぜ社長や役員だけでなく、新卒の社員からマネージャー、一事業部の責任者まで自由闊達に発信、発言できるの?(当たり前だが、個人情報や機密事項除く)


ベンチャー企業は、全員が経営者の領域を目指し、最後は自分が経営者、リーダーになるという気概をもっているので。いかに組織の和からはみ出さず、終身雇用され他と比べることによる優越感で、自分を満足させることに重きをおかない。所属グループ(ベンチャー企業)を「卒業」(辞めて)して、ソロ(起業)になっても1位を目指す。

また、変化が早く、未来を予測することが不可能なので、メンバー全員の知を結集し、議論しながら経営していく必要があるから。

③各拠点からも積極的に発信、発言する。あと、ヒエラルキーの維持のための情報統制をやめる。トップもボトムもすべて公開。そのためにはトップから公開。人間は動いているものに、目をやってしまう性質があり、積極的、アグレッシブな行動から、目を背けることができない。どうしても気になってしまうため。よって常に休まず攻めること。休まず攻めていれば、周りも目で追ってしまうため休むことができない。間違った方向に向かってはいけないので、常に社会を理解し、貢献するという気持ちを忘れない。

メンバーからマネージャーまで経営者を目指す。時間単位、プロジェクト単位で仕事をすることから脱却させる。すべて貢献に基づく。就業時間やプロジェクトに終わりはあるが、貢献にだけは終わりはない。果てがないので、休まず攻めなければならない。休んでるうちに、他の誰かは必ず攻めている。



ちなみに私は、かねてより売上や粗利という言葉は使わず、

売上→貢献
粗利→付加価値貢献

と言い換えています。

売上、粗利という言葉を社内で使うと、内向き、利益追求の行為が横行します。粗利を維持しろ。こちらの非を認めて補填はするな。月の売上達成のために、次月以降の売上を先食いしろなどです。貢献とは到底言えません。


この3つで究極に差別化し、貢献度シェアを高めてゆければと思います。

よろしくお願いいたします。


高野