エアは仲間の探鉱従事者とともに金の採掘に向かった。
金は1から探す必要はない!金鉱脈はアヌ達開拓団アヌンナキが発見していた。
タブレットを見ながら弱放射線砕岩機(WRRC)を動かして岩を砕いていく。

「金だ!あったぞ!」

「実はアプスーにもあるんだよ。」

ニビル人は地球の淡水の事をアプスーと呼んでニビルの水と区別していた。

「ほう!さすがエアだな!」

エアが採取したのはいわゆる砂金である。ニビルには地表の荒廃が深刻な社会問題となっていた。
地球のような澄んだ川は殆どなく、ニビル人は砂金の存在を知らなかった。
エアは研究をしていた。

金はニビルに輸出された。利益を得たが僅かだった。もっと大量の金を掘ってニビルに輸出すれば莫大な利益を得られる。


「地球は金が大量に眠っています!進化させるに相応しい生物はいないんですか?」

エアはエリドゥの公会堂で訴えた。


「実は約30年前にニビルが地球に近づいた時にティアマトが接近していたので破壊したらしい。その時にそのティアマトに付着していた生物が地球に落下したらしい。独自に進化してるようだ!」

開拓団アヌンナキの1人がこう話した。

ティアマトは彗星である。

ニビルの公転周期は3600年である。アヌンナキは3600年を1年と認識している。30年前と言うのは我々の感覚では10万年以上前の大昔である。

アヌンナキは地球人と比較するととんでもなく長命である。平均寿命は地球時間で2億才である。

「ルルと名付けている。手で物を掴む事もある。」

「ルル」とは猿の事である。

「ルルを捕獲しよう!進化させるに相応しいか遺伝子工学研究所の方に判断してもらおう!」



こうして猿が大量に捕獲された。

まもなく我々人類の祖先が誕生するのである。