フリップ&イーノ 3作品本日発売です。 | king-crimson-dgm-japanのブログ

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キング・クリムゾンのレーベル、Discipline Global Mobile (DGM)の日本公式ブログ・ページです。

長い中断となり申し訳ありませんでした。本日より再開させていただきます。

 

本日、3月27日フリップ&イーノ3作品、「ノー・プッシーフッティング」「イヴニング・スター」「ライヴ・イン・パリ 1975年5月28日」のSHM-CD再発盤が発売となりました。3タイトル共に紙ジャケット仕様で、「ノー・プッシーフッティング」はダブル紙ジャケット仕様、紙ジャケット1がE式見開きオリジナル英国盤再現仕様、紙ジャケット2が2008年版アートワークデータからのE式シングル・ジャケットとなっています。

 

3作品のSHM-CDでの発売はプラスティック・ケース版で過去にも存在しました。今回発売以前の同作品はDGMから支給されたCDRマスターからの製造でしたが今回は新たに取り寄せたDDPマスター・データをビクター工場に納入したものを使用しています。

 

POCS-1974/5  ノー・プッシーフッティング

 1973年発表デュオ名義の1stアルバムです。2008年発表の2CDエクスパンド・エディション・マスターを使用しています。

アナログ盤での発売時には1トラックだった「ザ・ヘヴンリー・ミュージック・コーポレーション」は5パートに分割されています。録音は1972年9月8日イーノの自宅のスタジオで行われました。ロバート・フリップは太陽と戦慄クリムゾン結成直後でアルバム制作に向けたリハーサルがいよいよ本格化し始めた時期。一方のイーノはこの時点ではロキシー・ミュージックのメンバーでした。

 アナログ盤後半収録の「スワスティカ・ガールズ」もアナログ発売時は1トラックでしたが、2パートに分割されています(両曲共に試聴上はシームレスでつながっています)。こちらは1973年8月4、5日ロンドン、コマンド・スタジオでの録音。イーノはロキシー・ミュージックを解雇された直後、フリップは「太陽と戦慄」発表後のツアーを同年7月で一旦中断。次作「暗黒の世界」に向けての楽曲準備とツアー後半戦へのリハーサルに入ろうとしていた時期でした。

 

 2008年エクスパンド・ヴァージョンでは1973年12月、BBCのDJジョン・ピールが完成直後のアルバムのオープンリール・テープをイーノ本人から受け取り番組でオンエアーした際、アナログ・オープンリール・テープ納入の際によく使われていたマスター巻き(エンド・アウトの状態でリールに巻かれているので、一度別のリールに巻き取ってから再生します。要するにそのまま再生すると逆回転再生になっていまします。化粧巻きとも言います)をそのまま再生。全曲逆回転放送という放送事故が起きてしまいます。これがイーノの頭に鮮明に残っていたのでしょう。2008年エクスパンド・ヴァージョンでは「ザ・ヘヴンリー・ミュージック・コーポレーション」と「スワスティカ・ガールズ」の逆回転ヴァージョンを収録。「ザ・ヘヴンリー・ミュージック・コーポレーション」は逆回転ヴァージョンに加え、回転数を落としたハーフ・スピード・ヴァージョンも収録しています。

 マスター巻きに関する説明は以下のページにあります。イマイチ意味不明な方はご参照ください。

 

 

 回転数を落としたヴァージョンに関してはドイツのNEU!がアルバムに当時のアナログ・プレイヤーにあった回転数選択に合わせ、16回転で再生したヴァージョン、78回転で再生したヴァージョンを収録していたのがヒントになったのかもしれません。

 

 また「ザ・ヘヴンリー・ミュージック・コーポレーション」は1972年末から1974年までキング・クリムゾンのライヴのオープニングに流されており、ライヴ・アルバム「USA」の冒頭でどんな感じで会場に流されていたのか、その雰囲気を知ることができます。

 

POCS-1976  イヴニング・スター

 デュオ2作目。1975年発表。前作は出会い頭のインパクトだったとしたら、この2ndは作品力で勝負といったところでしょうか。アンビエント・ミュージックの名盤の誉れ高い作品です。フリップ&イーノには手を出さないことにしていますという方、まぁ、1枚くらいは持っていても良いかとお考えの方は是非ここから、と思っております。

 トラック2「イヴニング・スター」では後のサウンドスケイプ作品でも頻繁に登場する有名なフレーズが最初に記録された楽曲。ロバート・フリップ、キング・クリムゾンに親しんできた方なら「あぁ、これか」とすぐ分かるフレーズです。

 

 

POCS-1977/9  ライヴ・イン・パリ 1975年5月28日

 2011年にDGM Liveを通じて配信された音源を2014年にCD化したものです。CD化の際、ライヴで使われたループ音源等をまとめたCD1枚が追加され3枚組で発売されました。

 

 時系列で行くと「イヴニング・スター」制作前にあたります。CD3に関して商品帯では「イヴニング・スター II」と評していますが、正確にはこのCD3は「イヴニング・スター ver. 0」ということになります。2枚のライヴCDに関してはブートレグでも出ていた音源ではありますが、アレックス・マンディのレストア作業によって音質は確実に向上しています。

 

 紙ジャケットで発売できるのは今回が最後かもということで、3つ折りジャケット全面にPP加工を施してみました。

 

以上3作品本日発売となります。よろしくお願いいたします。