クラシックギターの練習にあたり、録音録画は、レベルアップに役立つといわれます。確かに、普段練習とき、音譜、メロディー、リズム、左指、右指、運指、暗譜、曲想で精一杯、自分が曲をどういう風に弾いているか、もしくは、聞く相手にどういう風に聞こえてくるのか、わかりにくいです。それを確認するには、録音録画はやはり大切です。また、いつもの練習と違って、誰かが聴かれているよう緊張気味で、弾いているので、発表会にも役立つと思います!録音録画は、大体最後の仕上げ段階で、たくさん練習した後、いい感じになったなぁ~と思うとき、録音してみよう!ああ、一発でできた、よくやった!当然のことで、そのあとはすぐに聴いてみよう!やっぱりうまく聞こえてきました!万歳!

 しかし、ある日、本人の考案した10弦ギターで「禁じられた遊び」の曲で弾いて、一世風靡したギタリストイエペスの次のような話を聞きました。「・・・クラシックギターうまくなる方法の一つは、自分の練習曲を録音録画して、そうして必ず翌日以降に、ほかの人が弾いているように、じっくりと聞く。そこで、自分の良いところと悪いところがわかる!悪いところを修正できるようになる・・・。」ここで、聴くのはなぜ翌日以降ですか!?録音後、すぐに聴いてはだめですか!疑問に思います。当然、本人に確認のため、聞くことができませんでした。そのことで、自分なりに考えてみました。

 実は、人間の耳がうまくできています。自分に都合のいい音、言葉よく聞こえます。自分に都合の悪い音、言葉を聞いているように、聞こえていないです!わかりやすい例として、自分がギターを練習で夢中になると、周りの音が聞こえなくなります。また、いつも聴く音は、いい音と思い込みがちです。例えばスマホで聞くspotifyなどストリーミング 配信音楽で、標準音質でも何か月もすれば、これはいい音質と思ってしまいます。(最高音質に切り替えるまでに!)また、自分の愛用しているギターも何年を使えれば、いい音に聞こえてきます。(ハウザーを買い替えるまでに?)当然のことで、あなたの腕も木の経年変化で、いい音が出るようになります。

 また、我々は毎日のように使ているスマホで電話をするとき、聞こえてくる相手の声は、本人の声ではありません!家族の声も、友人の声も、恋人の声も同じです。皆さん、信じますか?信じがたいですね。実、昔のアナログ電話と違って、インターネット通信を介して使う電話、スマホは、かける方も受ける方も、その声がデジタル信号に変換され、相手に送り、受話器から再度音に変換して、声として聞こえてくるのですが、遅延を少なくしていち早く話相手に声を伝わるため、通信会社はネット上に予め用意されている43億個の音のサンプルから一番本人に近い音のサンプルを入れ替えて、絶えず組み合わせながらストリーミングのよう聞き相手に送ります!本人に90パーセントを似ている音を私たちは100パーセント本人の声と信じ込んでしまった!本人の声ではない!信じ難い!私はこともの小さい頃、外からスマホで、自宅に電話(ネット回線契約式)を掛けるとき、妹ちゃんの声を姉さんの声と間違えて、何回も怒られたことがあります。姉妹同士は元々声が似ているので、電話で同じサンプルを使われたのではないかと、今はそう思います。何故なら、家にいるとき、姉妹の声が似っていても、顔を見なくでも、間違うことはなかった。あれは、それぞれの本人の本物のアナログの声でしたからです!ここまでの話は、皆さんが信じますか!

 本題に戻りますが、耳は、いい加減に音を解釈します!信じるのがすべてです。自分が弾いている曲は、音を間違ても、何回も何回も聞いていれば、正しと思って、聞き心地よく聞こえてきます。(レッスン中で担任の先生にご指摘されたことがあります)。ですので、何回も気持ちよく聞こえて練習した後、曲を録音録画して、すぐにその録音録画を聞いていても、録音前のいつもの練習時の音と同じように聞こえて来ます。だとしたら、録音で聞く良さがなくなるのではないか、と私がイエペスさんの言葉の解釈でした。

 皆様から、耳と音に関してのご意見ご感想があれば、教えていただければ、幸いです。