皆さん、クラシックギターの音のイメージは、どういう風に抱いていますか?

 美しい!?惨め、感傷的!?・・・・・・そうですね!冒頭のナルシソ・イエペスさんが奏でる「禁じられた遊び」を聞いたことある皆さんは、そう思いますね。一人でクラシックギターを抱いて、哀愁の漂う北の旅館で、「悲しい酒」を奏でる木村好夫さんのことを思い出したら、クラシックギターは、きっとそういうイメージですね!私もそうでした!

 しかし、クラシックギターを習ってから3年の今、クラシックギターの音の虜になって、語られなく要らなくなってしまいました。

 いい音を奏でるには、良いクラッシクギターが欠かせません。音の立ちが速い、音量があって、音のバランスがいい、音の伸びがいい、和音の響きが豊か、音色の変化が富んでいる。透き通った音、音の分離性がいい。遠達性がある。・・・と色々と言われています。

 クラシックギターの音は、使用する木材の種類によって、音が異なります。表面板が杉だと、柔らかい優しい音します。松だと明るい輪郭のある音します。また、裏板とサイトは、ロズウッドの方が、ハカランダと比べて、少し甘くて爽やかな音します。メープルだと、明るい元気な音がします。フラメンコギターがよくメープル材を使用します。

 しかし、同じ木材で作ったとしても、個体によって、全然違う音が鳴る場合もあります。裏板とサイト板は、ハカランダできたギターは、強くて、堅い音を奏でるイメージありますが、メーカー、制作者によって、その反対のものもよくあります。ほんとに不思議です。

 同じ1本のギターでも演奏される場所によって、音が変わります。壁、床、天井の組成材料、空間の大きさ、形状に左右されます。店ですごく気に入ったギターを買って自宅に持ち帰ったら、全然違う音がしてがっかりする場合もあります。季節、気温、湿度にも音が勿論影響されます。高いギターを買う場合は、時間をかけて店に通い、何度も試奏したのがいいともいわれます。日本家屋の構造はギター音に向かないと言われます。西ヨーロッパ石作の建物が多く、ギターの音がよく響くとも言われます。石作りの大聖堂で奏でるクラシックギターの名曲「大聖堂」は、多くギタリストの夢ではないですか! 

 何故か演奏する場所に音が多い影響を受けるというと、狭い空間で弾くと、倍音成分が増幅されやすく、聴い心地がいい。反対に大きいホールで弾くと、音が細く聞こえます。それは、大きい空間では倍音が増幅されにくいからです。倍音について、私なりの理解は、ブログ

 

を見て頂ければ幸いです!

 クラッシクギターの音は、湿度にも影響されます。周囲の環境の湿度が変われば、音も変わります。例えば、いつもの練習で、指がガサガサと音を細く感じた時、試して水を濡らした布で、弦を拭いた後に弾くと、音が急に丸くなって穏やかになります。

 ギターの音は弦のメーカー・種類によっても大分違います。オーガスチン は明るく伸びやかな響き。ダダリオの弦は、安定したくっせいのない音で長く聞いても疲れないという。サバレスは華やかで明るい。ノブロック兄弟が作るクラシックギター弦は、ナイロン以外の音の成分が少なく、ある意味の純粋なナイロンの音がします。その弦は、華やかな音をしませんが、ほかの弦みたいに1週間ほどを経てれば、華やかさがなくなり、音が堅くなりがちこともなく、1~2が月使ても、最初の音とあまり変わらない気がします。愛用しています。また、ナイロン弦、カーボン弦、チタン弦は、材質によって、音のイメージが変わります。

 クラシックギターの音は、生産者・メーカーによって異なります。

 ハウザーは、明るく透き通った音が響き渡ります。勿論、最高です。

 ラミレスは、優しく、丸く、泣けそうな音が心に沁みます。

 日本のクラシックギターの制作者の代表ともいえる桜井正毅さんのギターの音は、優しく、バランスよく、ボリューム感を感じられます。 

 また、奏法によるクラシックギター音は180度を変わります!

 ハーモニックスの音は、透き通って、別世界のようなものです。

 ピチカートの音は、ユーモアが溢れて、南米の愉しさ感じられます。 

 トレモロ奏法は、同じ音を高速連打により、音を思うような長さに伸ばせって、ギター音がすぐに消える欠点を補います。

 

これがトレモロ奏法の音です!アランブラ宮殿の噴水の水粒が絶えず落ち、水面に打付ける音に癒されたはずです!

 しかし、新堀ギターの1本指で高速連打によるトレモロ奏法、また格別なものです。大勢の人でそのトレモロ奏法をするとクラシックギターの音ではなく、バイオリンのような音が聞こえてきます。ギターのオーケストラは、クラシックギターの地味なイメージを一掃して、まるで交響楽団の演奏を聴いているように、感動され、圧倒されます。下の「鳥の歌/百瀬賢午」による

 

そうでしょ?!まるで交響楽団!

 タンボーラ奏法、スラム奏法 南米的

 パーカッション奏法 ギター弦から出す音ではなく、ギターボディを叩き、まるで和太鼓ような音です。 三つの日本の風景(新堀ギターオーケストラ)を お聞きください

 

  

  クラシックギターのは、高音から低音まで、メロディーから伴奏まで、人にででき、1人のオーケストラともいわれます。では、「Turkish March MOZART」をお聞きください 

 

どうですか?!圧倒されますね!

 勿論、クラシックギターの綺麗な音を奏でるには、技術の高い奏者が、何によりも一番です!

  2年前、新堀ギターが行うギターフェスティバルで、ギターを紹介するため、田口先生がクラッシクギターの名曲「ラグリマ」を演奏された時に、先生の指先から流れてくる音は、まるでハス(蓮)の葉の上でゆっくりと転がりながら落ちってくる丸い透き通った美しい水滴のように感じて、感動しました。以来、田口先生のCDを買って、毎晩聞きながら、クラッシクギター奇妙な音色と静寂な世界に溶け込みながら眠りにつきます。

 クラシックギターの音楽の巨匠と言われるセゴビアの奏でる音は、太くて、力が強く、ギターが歌ってくれているように多くクラシックギター愛好者を魅了されます。しかし、演奏時ギターの特有な雑音が多いともいわれます。しかしその雑音は、曲の内容によっては、またバランスよく、曲の表現を引き立てるようにされ、クラシックギターの音のアナログ的に感じられて、なくではならない存在さえ感じます。

 日本でよく活躍しているギタリストポクションヒさんは、いつも優しく、丁寧に、透き澄むだ音色で演奏してくれます。クラシックギター演奏時特有の雑音を忘れ去るようにしてくれます。

 また弾き手の技術、指タッチ、爪の状態にも大きく変わります。弦に対して、弾く方向が斜め下(ブリッジ方向)だと(現代主流奏法)、甘く丸い優しい音します。反対方向(ヘッド方向)だと(セゴビアタッチで有名)、透明な深みのある音します。弦と直角方向だと、明るいキラキラ音します。技術の高い奏者は、演奏曲の内容によって、自由自在に

指を操り、人を感動させるような音楽を届けてくれます!

 最後にクラシックギター音の遠達性と人を感動させる音を紹介します。

 クラシックギターの音は小さいというイメージがあります、しかし、奏者によって、生の音で大きなホールでも響き渡せることは可能です。今年6月ごろ、学校のイベントDAYで、以前レッスンで教えてくれた寺田先生と藤田さんが「ボヘミアン・ラブソデイ」の曲を二重奏する時でした。先生の奏でる音は、遥か向うの壁へ飛んで、壁の反射で、2~3百人の入れるシュトラウスホールの隅に座っている私の耳に大きく伝わてきます。何という音量ですか?!これって、生のギターの音?!本当ですか?!自分の耳を疑わせる気がしていました!いや、本当です!!だって、私はその音を耳だけではなく、目でもはっきり見えたように気がしていましたから。じゃなかったら、私を感動させられたあの音は、きっと私の心の中で共鳴し増幅され、耳により大きく聞こえたかもしれません!

 本ブログを書くにあたり、多数方の名前を挙げさせて頂きおよびYouTubeから色々な画像、演奏を引用させて頂き、ありがとうございます。また、いつも私のまとまりのない長文を最後までお付き合いをありがとうございます!