私は、寺田先生の個人レッスンを受けて、1年半ほどでした。先生が海外移住のため、同じ学校の新しい先生に習うことになりました。寺田先生の授業で、分かったこと一つは、ギターの練習の順番は、目→音→指板の位置→指で、「指は最後」でした!曰く、まず目は、いつも弾いている箇所より先のところを見て、そして、音をイメージして、その音が指板のどの位置にあるか、イメージ出来たら、最後に左指を押弦して、右指で弾きます。その順番でローテーションし、絶えずに繰り返します。この順番は、非常に大事だと言います。目が先に先に楽譜を見ないと、次に弾く音のイメージできない、曲が途切れます。弾きたい音が先に脳にないと、弾けません。目から情報を早くインプットする分、音が速くイメージできます。音がイメージできたら、そして、指板の何フレート、どの位置にあるかイメージ出来たら、左指を押弦します。イメージできないまま何となくで、押すと間違いしやすい。ゆっくりでも、止まっても毎回ただし音を出せるようにします。それは、ゆっくり練習の真意だと思います。

 私は、先生に習う前、クラシックギターの独学経験があります。あの時のやり方というと。楽譜を見ながら、指を見て押したい位置を探し出来たら、音を鳴らします。それで終わり、という感じでした。つまり、ギターは指で弾くもので、指を動かすのは一番と考えてました。その結果、楽譜の暗譜が出来たというより、指の動きだけが暗記でした。自分の指は器用なぁ~と自慢さえしていました。要するに、何年も前に弾いた曲は、音も忘れて、指だけの頼りで、復元した(再び弾けるようになった)こともあります。しかし、これは、ギターの練習になってない、ただの指の動きの練習に過ぎない、とわかりました。また、アンサンブルに入ったばかり頃、楽譜も不慣れで楽譜を読んでたら間に合わないので、楽譜にすべての音を左指の番号と右指の番号まで(真面目に、ニヤリ)記入しました。その結果、皆さんと練習時、自分は読んでいるのは、楽譜ではなく、指の番号でした。その残念な結果、もう先輩たちの皆さんが想像できます。人間は、自分が出したい音を頭中にイメージないまま、指で音を出しても、覚えようとしません。間違ってたか、正しい音だったのか、確認もしません。なぜなら、指板を見て出した音だたら、正しいと脳が固定観念してしまって、それ以上のことは、脳が覚えようとしません。聞いたぶりして、聞いていません!

 先生のレッスンの一番の特徴は、目は、楽譜を見続け、指と指板は見ないようと、私を教え込まれました。音が正しいか、自分の耳で確認するというのです。どうしてもわからない時だけ、一度指板と指を見ます。その教え方は、最初目から鱗でしたが、今は、音が頭に入るように気がします。またまたでありますが、その方法で、先生が変わっても練習を続けていきたいと思います。

 先生は、もともととても有名で、どの生徒さんがどの段階で、何にかを必要とされるか、すべて把握しているようで、故に、ギターの上手い弟子が沢山います。私は、とんでもない先生に出会ってしまったな~と、今、あらためて感じました。

 寺田先生から習った事の理解と先生に対しての思いを込めて、この記事を書きました。最後まで、ご付き合いをありがとうございました。