キネマ方丈記
Amebaでブログを始めよう!

オーストラリア


キネマ方丈記-20090228_633853.jpg.jpg
2月28日に封切りした新作映画を早速見てきたね。
この世のものとも思えぬ青白い肌、ジェニーちゃん並みのパツキンに、気の強げなオーラムンムンのニコールキッドマン。今回のニコール嬢のお相手は、2008年度ピープル誌でみごと『最もセクシーな男No.1』に輝いたヒュージャックマン。昔からちょびちょび顔出してはいた俳優なんにここんとこやたら名前聞くじゃん。本年度アカデミー賞の司会もしたしね。なんでいきなしって首かしげるほど人気だよね。確かにジャック兄やんはセクシーだね。オーストラリア見て納得しちゃったね。だって何がセクシーかってあのムキムキのカラダね!そしてちょっとタレ目の甘~いセクシーeyeね。誰もが認めるオーストラリア代表女優のニコール嬢が熱い抱擁してもいいわよって許した相手だね。
はっきし言ってこの映画見る気なかったのね。マンマミーアはもうROADSHOW期間最終段階で今更見るのって感じだし、7つの贈り物はウィルスミスの映画って劇場まで行く映画でもなかったりするし、エレジーは時間が合わなかったし、消去法で考えてみると最近始まったばっかしだしってな具合でこいつが残ったってなわけね。
ああそうさね。ニコール嬢とジャック兄やんのベタ恋愛andオーストラリアの大自然andハラハラドキドキアドベンチャーてんこ盛り也な短絡的お気楽ハリウッド娯楽超大作by20世紀FOXだと思ってたさ。しかしね、この映画生意気にも結構DEEPなとこまで片足と言わず両脚突っ込んじゃってんのね。オーストラリアの先住民族アボリジニの白豪主義政策や第二次世界大戦も相まって、胸ワクワクのアドベンチャーだけじゃなかったのね。第二次世界大戦で悪魔と化した我ら大日本帝国軍が攻めてきてオーストラリアをグッチャグチャのメッチャメチャに攻撃しちゃうんだけどさ、こんな歴史あんまり知らない世界だったね。けど確かにオーストラリアは英国人の植民地なんだから悪魔の大日本帝国軍はそりゃ攻めてくるよね。外国の戦争映画を観るとさ、いつも日本のバカさ加減が浮き彫りだよね。この映画は監督ちゃんもスタッフちゃんも俳優ちゃんもみんなオーストレイリアンで作った映画なのね。作った人々からのオーストラリアに対する愛を感じるね。そんな彼らの祖国をグチャグチャ攻撃した我が国日本は阿保で間抜けでどうしょもない過去を受け止めて再発防止しなきゃね。
キネマ方丈記-australia-set-hugh-jackman-nicole-ki.jpg
いやぁしかし結構いい映画だったじゃん。1800円払ってお釣りは来ないけどもプラマイゼロなんじゃないかね。自分はチネジイのとこで前売り買って1300円だけども。安心して左団扇で見れる映画なんじゃないすかね。フィクションだから制作者の小手先一つでハッピーエンドに出来ちゃうしね。善は悪を制し、ヒロインandヒーローは絶対不死身だし。これでもかっこれでもかっ一難去ってまた一難なのに乗り越えちゃうし。これはこれで映画の醍醐味堪能出来る映画なんざんしょ。ニコール嬢andジャック兄やんのお決まりベッドシーンもあるしね。希望を言わせてもらえばもっとジャック兄やんの鍛え上げられた裸体を拝みたかったけどね。
気になる役者があと1人。アボリジニの怪しい爺さん(魔術師)キングジョージ。ヤバイッて危機的状況の時にいつも何故か付け回して…いゃいゃ、見守っていて遠くからってか、崖の上から怪しげな動きでまじないみたいな呪文を唱えながら救っちゃうんだよね。そんな力あるならトラブルを未然に防いでよって感じ。彼らが馬に乗って何十頭もの牛をダーウィンていう遥か遠い街まで連れて行く最中もずっと付け回してたし。恐らく70近い爺さんなのに馬に乗った人達についてこれるなんてすごい体力。危ないって思った時には必ずしも現れるスーパーマンだし。この超能力を持った爺さんの存在だけが非常にこの映画とリンクしなくて非現実的で参ったね。
監督ちゃんのバズラーマンは過去にロミオ&ジュリエットやムーランルージュを作って数々の賞賛を浴びたなかなか有名な監督ちゃんで、この人なんとあのCHANELのNo.5の香水のオッサレーなCM覚えてますかね?
キネマ方丈記-NK4A05_Chanel_ACA_2min_D3_Mpeg2_KCQ7.jpg
ニコールキッドマンの。あれも作っちゃってんのね。この歴を見てもこのおっちゃんもどうやらニコール嬢のファンの1人みたいね。鼻の下伸ばして撮影してた姿が目に浮かぶね。
前半の牛追いどーののハラハラアドベンチャーまでははっきし言って観る映画間違えたー!金返せー!あと残り2時間弱もあるけどどう調理する気だー!お尻痛くなるのは嫌だー!とデモ行進したい気分だったけど、その後の展開の甲斐あって、っまあ、ニコール嬢で目の保養しーの、ジャック兄やんの肉体に惚れーの、オーストラリアの壮大な自然に癒やされーの、神秘的なアボリジニの力に驚嘆しーので観る価値ありーのな映画かと思います。個人的には好きですこの映画。

チェンジリング


キネマ方丈記-output.php.jpg


息子に100%の愛情を注ぐシングルマザー、クリスティン役のアンジェリーナジョリー。
クリスティンは女手一つで生計を立て、最愛の息子ウォルターとロサンゼルスで暮らしている。
休日にウォルターと出掛けると約束をしていた矢先、断れない仕事が入ってしまい息子を一人家に残し出勤をする羽目に。
仕事を終え、真っ先に家に辿り着いたのだが息子ウォルターの姿が忽然と消えていた。
キネマ方丈記-p_c06.jpg.jpg

5ヶ月後、ウォルターが見つかったという朗報を受け迎えに行くクリスティン。
しかし戻ってきたウォルターは仕草や話し方、容姿までもが別人であった。
キネマ方丈記-A0001733-21.jpg.jpg
我が子ではない、本当のウォルターを一刻も早く捜し直して欲しいと訴えるクリスティン。
しかし警察は全く耳を貸さず我々には落ち度はないとの一点張り。
さらにはクリスティンを精神不安定者として扱い強制的に精神病院へと送り込んでしまう。


果たしてこの物語の真実は如何に??

クリスティンは本当に気がおかしくなって息子かどうかの分別もつかなくなってしまったのか?
それとも警察はここまで来たら後に引けない、捜査ミスを認められずマスコミによって世間に広まることを恐れ隠蔽したいが為に病院へ送り込んだのか?

後者の考えが妥当なのだが、アンジェリーナジョリーの演技力もあってか、ひょっとしたらという疑念も湧いてきた。

物語の真相はここでは述べないので映画でどうぞ。
アンジェリーナジョリーの演技はもちろん素晴らしく、夫のブラッドピットの存在がまたまたかすむのは言うまでもない。
キネマ方丈記-output.php.jpg

物語の冒頭はモノクロの世界で始まり、1928年ロサンゼルスの街並みと共に徐々に色づいてくる。
アンジェリーナジョリーのメイクや衣装、ヘアスタイルも古き良き時代のアメリカを象徴しているかのようなファッション。
しかし、この映画の役作りの為に体重を落としたのか、アンジェリーナはとても痩せこけていた。
その甲斐もあり、悲壮感や薄幸な感じが痛いほど伝わってきた。
クリスティンは普段は温厚で割と感情の起伏の無い毅然とした女性なのだが、実の息子ウォルターと偽る少年と口論になり怒りを露わにし泣き叫ぶという迫真の演技は一番印象に残っているシーンであり、彼女の辛さが身に沁みてきた。
精神病院でのシーンでは、これまでのどぎついメイクとは打って変わりアンジェリーナは終始ノーメイク。
この瞬間、アンジェリーナだぁと改めて再認識し、軽くホッとした。
どぎついメイクのアンジェリーナは別人のようで、まるで彼女自身が普段のアンジェリーナのチェンジリングなのではと思う程。(笑)
どぎついアイメイクで泣くシーンが多々あるのだがとても見るに堪えない程ぐっちゃぐちゃに崩れてしまってるのだから。
あれほど美しいアンジェリーナジョリーが汚れな一面を見せたのだから脱帽した。

脱帽と言えばもう一人、ジェイソン・バトラー・ハーナー。
キネマ方丈記-output.php.jpg

一方、ジョン・マルコヴィッチは珍しく癖の無い健全な牧師役を演じている。
キネマ方丈記-output.php.jpg

映画を見る前はジョン・マルコヴィッチがジェイソン・バトラー・ハーナーのノースコット役を演じたほうが良いのでは!?と生意気な事を思っていたのも束の間、見終わった後にはジェイソン・バトラー・ハーナーの演技に脱帽し、彼の1ファンになっている自分がいた(笑)。
彼の役どころは、軽く知能に障害を持っているクレイジーな殺人鬼というかなり難易度の高い役なのだが、こんな難しい役を無名に近い彼にこなせるのか?と軽く小馬鹿にしていた。
がしかし!!この浅はかな考えをジェイソンに謝罪したいくらいに素晴らしい演技力の持ち主だ。
ブラボーという言葉に尽きる。
本当に。
ジェイソン・バトラー・ハーナー。まだまだ勉強不足だったのか、彼について一切無知だった。
彼は役作りにおいて 独特の話し方、顔の表情、動作の一つ一つを緻密に研究し演じきっていたと思われる。
世にまだ知られていない、いわゆる新参者の演技力に度肝を抜かされたのは近年稀だ。
かつて、真実の行方を見た時の当時無名に等しかったエドワードノートンの時の衝撃と一緒だ。
キネマ方丈記-edwardnorton.jpg.jpg
これからの彼の活躍に大いに期待したい。
決して超娯楽大作ばかりに出るブレンダンブレイザー
キネマ方丈記-0016203c1001d3f4.jpg
彼のような俳優にだけはならないで欲しい。(笑)

話は変わって、クリントイーストウッド監督のキャスティングは有名俳優をもオーディションに受けさせ起用決定をするという話を聞いたことがある。
キネマ方丈記-output.php.jpg
流石才能ある監督は見る目がある。
ミスティックリバーでは一見、ケヴィンベーコンとティムロビンスの役は逆なのではと思いがちだが、
キネマ方丈記-tim.jpg.jpg
見終わってから意外なキャスティングがマッチしていることに驚かされるし、
硫黄島からの手紙では
キネマ方丈記-story02.jpg.jpg
伊原剛志、加瀬亮、中村獅童等演技派俳優の起用。(二ノ宮と裕木奈江の夫婦設定には無理を感じるが。)
ミリオンダラーベイビーではヒラリースワンク、モーガンフリーマン。
キネマ方丈記-Million-Dollar-Baby-m07.jpg.jpg
そのどれもがキャスティングにセンスを感じるし、目を見張る。

また彼はノンフィクションの枠にこだわり、従来のハリウッド映画とは異なった完成度の高い作品を作り続けている。

そんな彼は今年でなんと79歳を迎える。
キネマ方丈記-20090224180958.jpg
どんどんコブラ化してきているように感じるのは気のせいだろうか…。

監督としては十分な高齢者だ。しかしこれからも末永く元気で素晴らしい作品を世に輩出し続けて頂きたい。

最後に、
とても良い映画に出逢えたことに感謝します。見終わった後とても満ち足りた気持ちになれた。



No movie No life!!

第81回 アカデミー賞


キネマ方丈記-poster_74th.jpg.jpg

作品賞
スラムドッグ$ミリオネア
キネマ方丈記-medium.jpg


主演男優賞
ショーン・ペン
(MILK)
キネマ方丈記-01f6686a4f4d05d8.jpg
米で初の公職についた同性愛者である活動家ハーヴェイ・ミルクをこれ以上無いほど魅力的に演じた。私生活では元妻がマドンナ、警察沙汰は日常茶飯事という彼。レース嫌いで有名な俳優だが、ノミネートされた回数は過去4度!ミルクの他にデッドマンウォーキング、アイアムサム、ミスティックリバー。ミスティックリバーと今作で2度のオスカーに輝いた。


主演女優賞
ケイト・ウィンスレット
(愛を読むひと)
キネマ方丈記-tnr0901121306004-p54.jpg.jpg
33歳の若さにして既に5度目のノミネート。


監督賞
ダニー・ボイル
(スラムドッグ$ミリオネア)
キネマ方丈記-783.jpg.jpg
スラムで育った少年の感動的な運命を描き出した、批評家達もべた褒めの珠玉の1作。イギリスの鬼才監督。


外国語映画賞
おくりびと
キネマ方丈記-okuribito.jpg.jpg


助演男優賞
ヒース・レジャー
(ダークナイト)
キネマ方丈記-42cec4e4.bmp.jpg
スタッフandキャストを一新したヒット作バットマンビギンズの続編。jokerという難しい役所をこの上ない演技力で完全に演じきった彼は今作を最期に役者人生に幕を閉じた。才能ある者ほど、何故人生を行き急いでしまうのか。


助演女優賞
ペネロペ・クルス
(それでも恋するバルセロナ)
キネマ方丈記-20090223140907.jpg
『共演者キラー』から『演技派女優』へと確実に代名詞が変わってきたスペインの女優。


編集賞
スラムドッグ$ミリオネア


視覚効果賞
ベンジャミンバトン 数奇な人生
キネマ方丈記-20090124_142161.jpg.jpg


音楽編集賞
ダークナイト


長編ドキュメンタリー賞
マン・オン・ワイヤー


短編ドキュメンタリー賞
スマイルピンキ


短編実写賞
トイランド


撮影賞
スラムドッグ$ミリオネア


美術賞
ベンジャミンバトン 数奇な人生


メイクアップ賞
ベンジャミンバトン 数奇な人生


衣装デザイン賞
ある公爵夫人の生涯
キネマ方丈記-20090223162802.jpg

短編アニメーション賞
つみきのいえ
キネマ方丈記-cubes.jpg.jpg


長編アニメーション賞
ウォーリー
キネマ方丈記-2492953171_608fdfaebe.jpg.jpg


オリジナル脚本賞
MILK


脚色賞
スラムドッグ$ミリオネア



編集後記
チェンジリングのアンジェリーナジョリー…残念でした。。。
キネマ方丈記-869b6090.jpg.jpg