きのう深夜

 

品川駅ホームへの階段を駆け下りる途中で

脳裏に浮かんだ言葉は

 

ああ無情

 

ドアを閉めホームから滑り出ていく京浜東北線が

意思をもった生き物に見えました

 

それは、東京方面行きの最終電車。

 

乗客は一掃されて
ホームにいるのは私と無言の駅員さんのみ

 

 

 

 

久しぶりの失態です。

 

 

 

 

失態ついでに、

もうひとつ

 

目の前でドアが閉まったお話しです。

 

 

 

 

数ある失敗談の一つ。

 

 

 

いつのことか...

おそらく2000年頃

 

 

 

ある大物機関投資家のお客様と営業担当者と

米国の資産運用会社を訪問した時のこと

 

 

 

たまたま

カリフォルニア州で全米プロゴルフツアーの大会があり、リーマン・ブラザーズがPGAスポンサーとしてゴルフコース脇にかなり大きなテント張りのレセプションホールを運営していて、せっかくだから行ってみようとLAから日帰りの旅を計画。

 

 

 

モントレー郡カーメルという

海岸沿いの美しい街があります

 

そのすぐ近くの空港に降り立ち

 

そこからぺブルビーチと呼ばれる

 

ゴルフコースにタクシーで向かいました

 

 

 

 

 

人気者のタイガーウッズを追いかける人で

 

混雑していましたが

 

 

お天気も良く海岸沿いのコースは美しく

 

またリーマン・ブラザーズの運営するテントも

 

とても洗練された雰囲気で

 

 

楽しい時間を過ごせました。

 

 

 

 

ところが、帰りにトラブルが発生します。
 
 
楽しい時間を過ごしつつも
夕方には同じルートでLAに戻る予定で
 
 
私は空港までのタクシーを予約するため
 
現地ゴルフ場スタッフやイベント担当者に
ゴルフコースに着いてからずっと
掛け合っていました。

 

 

 

 

ところが誰に聞いても

「予約する方法はないしタクシー乗り場に行けばいくらでもタクシーが来るから、心配なら少し早めにタクシー乗り場に行ってください」

 

くらいの返事です。

 

 

 

米国で何度も痛い目に合っていたので

額面通りには受け取りませんでしたが

 

 

 

景色が良かったので

それ以上考えることはやめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし一緒に来ているお客様は
何をするにも慎重で

早め早めに行動する人でした

 
営業担当者も気を張っています

 

 

心残りでしたが

かな~り早めにタクシー乗り場に向かいました

 

 

すると案の定

 

予想通りというか、予想以上というか

かなりの長蛇の列でした

 

 

 

しかも列がまったく動きません
 

 

ずいぶん待ったあとに

 
 
何が起こっているのか
おそ~い私もようやく気が付きました

 

 

 

当然、ありとあらゆる文化の人が来ていて

 

 

一部の人たちが

タクシー乗り場の通りに曲がる角の前で

タクシーを捕まえていたのです。

 

 

 

困りました。

 

 

30分以上待って

飛行機が出発する時間が迫っています。

 

 

 

でも、同じようなズルはしたくなくて

 

 

 

しょうがないな~
 
とか言いながら
私は走ることにしました
 
 
コース反対側の別のタクシー乗り場に行き
そこでタクシーを捕まえて
(どのくらいの列があるかわからないけど)
 
今のタクシー乗り場に戻ってくる
という計画です。
 
 
出発までに残された時間は30分あまりで
もうギリギリでした
 
ゴルフコースの反対側入り口ですから
かなり距離があります
 
 
真夏です
 
汗びっしょりになって走りました。

(嫌いではありません)

 

 

 

 
 
 
そして走っているその途中で

私は空車のタクシーを見つけます

 
 
タクシー乗り場じゃないけど
公道だし
まあ、言ってみれば非常事態だし
 
 
と自分に言い訳をしながら
そのタクシーを止めて飛び乗りました
 
 
 
ギリギリです
 
でも
運よくタクシーを拾えたんだから
きっと間に合うシナリオなんだ
と、思いました。
 
 
 
とにかく急いで!
運転手もわかってくれて飛ばしました
 
 
 
そしてお客様と営業担当者が待っている
あの魔のタクシー乗り場まで
あと数百メートルのところまで来て
 
 
 
最後の角を曲がる手前で
 
 
 
ああ無情
 
 
 
車は止まりました。
 
 
なに? なぜ? どうしたの?
すべての質問を一気にまくしたてると
 
 
 
帰ってきた答えは
"Flat tire"
 
フラットタイヤ
訳してパンク
 
です。
 
 
ゴムのチューブに何かが刺さって穴が開いた
あの、パンクです。
 
 
昔はよくあったけど
もうあまりなくなったあのパンクです
 
 
面白いタイミングでパンクと遭遇したものです
 
 
 
ホントにこれはいつかネタにしてやる
と思いつつ運転手さんにお礼をして
 
 
 
タクシー乗り場へ歩いて行くと
二人が列の先頭でした
 
 
少し前からタクシーが来るようになって
 
「私がちょうど良いタイミングで帰ってきた」
らしいです。
 
 
 
もう一度チャンスがやってきたと思い
 
今度こそと思って運転手さんに事情を説明したら
"Okay I have to step on it, right?"
 
と言いながら飛ばしてくれました。
 
空港までは15分
離陸予定時刻までも15分
 
 
 
奇跡が起きるか
可能性はゼロではない...
 
 
 
 
小さい空港で
タクシーは正面ドアに付けてくれて
正面ドアから空港内すべてが見渡せて
 
 
 
 
ああ無情
 
 
滑走路に向かうガラスのドアが
ゆっくり閉まるのが見えたのです

 

 

 

 
空港スタッフは
「気の毒に」と言ってくれましたが
もうLAに飛ぶ便はありません
 
 
ですが
お客様は翌朝早くLAから飛行機で移動予定で
なんとしてもLAに戻る必要があります
 

 

選択肢は二つ

 

①サンフランシスコ経由でLAに行くか

②レンタカーを運転してLAまで行くか

 

 

どちらも7時間くらいかかりますが

サンフランシスコーLA便が確認とれず

 

結局、レンタカーを選びました。

 

 
 
出発したのは午後7時くらい
腹ごしらえをしてから大型のSUVを駆って
フリーウェイの5号線を南下しました。
 
 
 
気が急いていたのだと思います。
 
 
 

ビュンビュン

他の車を追い越して走りました。
 
 
平均時速90マイルを維持です。
 
 
 

何故捕まることを恐れなかったのか

今考えてもわかりません
 
 
あ、
もしかしたら
自分の失敗を気にしていて
 
少しでも早く走ることでそれを
ごまかそうとしていたのかもしれません
 
 
 
赤い回転灯で止められたのはもう深夜でした
(サイレンでなく回転灯で止められます)
 
 
フリーウェイの端に車を止めて
ドライバーシートで待っていると
 
「どのくらい速く走っていたか知ってる?」
と聞かれました。
 
 
とにかく謝り続けて
ついでに事情も少し話しました。
 
 
そして
この日の出来事で一番不思議なことが起きます
 
 
警告だけにしておくから
ここからはスピード抑えて安全に帰るんだよ
 
と言ってくれたのです。
 
 
有難いことです。
そして、あり得ないことだそうです。
(米国の同僚談)
 
 
 
お客様は何とか日付が変わる前に
ホテルに届けることができました。
 
 
私は営業担当もホテルに降ろして
 
 
深夜でもレンタカーを返せる
LAX(ロスアンジェルス国際空港)まで行き
レンタカーを返しました
 
 
レンタカーを返した後
悪夢もう一度
 
またタクシーがつかまりません
 
 
「LAXは24時間だから大丈夫だよ」
と言われてましたが
 
その日の私には
当てはまらなかったようです。
 
 
タクシーを捕まえてホテルに戻ったのは
日が昇った後でした。
 
 
 
 
良いこともありました。
 
お客様は早朝のフライトに間に合いました
スピード出し過ぎましたが安全に着きました
警察官に違反チケット切られませんでした
 
 
良いことはそれだけではありませんでした。
 
 
 

失態の連続なのですが

 

 

 

お客様と逆境を経験して
逆に信頼を勝ち取ることができました。
 
 
 

ご注文も沢山いただけて

 
「リカバリーショットが素晴らしい」
「もしもの時に頼れると感じた」
「逆に面白い経験ができて良かった」
と言っていただいて
お客様との関係がぐっと近くなったのです。
 
 
 
わざとやって出来る事ではありませんが
失態転じて福となす
というケースでした。
 
 
 

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