前書いた記事では鉄道事業者(軌道含む)の精神障害者割引の導入の有無に関してのものでしたが、ここでは障害者割引と適用距離に関して取り上げようと思います。具体的に言うと、事業者によって、「子供料金と同様、距離に関わらず無条件で割引が適用される場合」「ある一定の距離から割引が適用される場合」に分かれます。パターン化すると以下の通りになります。(今回は第2種障害者単独での普通乗車券利用を仮定しています。第1種障害者や介護人がいた場合や定期券を含めれば、さらに複雑になります。)

  1. パターンA…距離に関わらず割引される場合
  2. パターンB…片道1km以上の利用で割引される場合
  3. パターンC…片道101km以上の利用で割引される場合
  4. パターンD…距離によって割引率が異なる場合
  5. パターンE…その他
  6. パターンD…割引自体なし

ちなみに、全鉄道事業者を上記のパターンに当てはめると以下の通りになります。(各事業者へのリンクは省略させていただきます。ご了承ください。また、精神障害者割引を導入している事業者は文字色がオレンジとなっています。)

  • パターンA
西鉄札幌市、函館市、仙台市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、福岡市熊本市鹿児島市青い森弘南IGRいわて三陸、秋田内陸、山形福島会津ひたちなか筑波山野岩真岡上信上毛わたらせ渓谷秩父銚子、北総、新京成、芝山、千葉都市、舞浜、いすみ、ゆりかもめ、東京モノレール、つくばEXP、高尾登山御岳登山、横浜シーサイドライン、大山観光、十国峠ケーブル、北越えちごトキめきしなの、長電、アルピコ、上田電鉄あいの風とやま富山地鉄富山ライトレール黒部峡谷立山黒部万葉線IRいしかわ北陸えちぜん福井、岳南、静岡天竜浜名湖遠鉄長良川明知、樽見、あおなみ線ゆとりーと、城北線、伊勢、信楽高原、比叡山、嵯峨山観光、丹後海陸、神戸新交通、北条摩耶ケーブル、六甲山、岡山電軌水島臨海広電アストラムラインスカイレール錦川、琴電、伊予鉄、とさでん土佐くろしお皿倉山北九州モノレール平成筑豊門司港レトロ筑豊電鉄甘木松浦長崎電軌島鉄熊本電鉄南阿蘇、くま川、ゆいレール
  • パターンB
西武
  • パターンC
JR6社(普通)、東武、京成、京王、小田急、東急、京急、東京メトロ、相鉄、名鉄、近鉄、南海、京阪、阪急、阪神、大阪メトロ、道南いさりび、由利高原、仙台空港、阿武隈、関東、鹿島臨海、東葉高速、小湊、りんかい線、横浜高速、箱根登山、伊豆箱根、富士急、伊豆急、大井川、養老、愛環、愛知高速、豊鉄(渥美線)、三岐、四日市あすなろう、伊賀、近江、京都丹後、神戸高速、山陽、神戸電鉄、能勢、紀州、若桜、智頭、井原、阿佐海岸、肥薩おれんじ
  • パターンD
津軽のと一畑岡本製作所
  • パターンE
東京都、鞍馬寺
  • パターンF
JR6社(特急料金)、埼玉高速、ニューシャトル、流鉄、山万、多摩モノレール、湘南モノレール、江ノ電、豊鉄(市内線)、京福、大阪モノレール、北大阪、阪堺、泉北高速、水間、北神急行、和歌山電鐵、四国ケーブル
 
 ※JRに限らず、有料特急の場合は適用されない場合が多いです。(もちろん、普通乗車券の割引はあります。)
 
東京都交通局の場合は都電荒川線、日暮里・舎人ライナーは区間に関わらず割引、都営地下鉄は東京都発行の療育手帳(愛の手帳)所持者は区間に関わらず割引。身体・精神手帳所持者及び他府県の療育手帳所持者は割引なしもしくは101km以上の利用で割引となっています。
 
 この通り、JR・大手私鉄を中心に距離によって障害者割引の有無が分かれるケースが非常に多く、常に利用者を悩ませています。総務省や国土交通省もこの状況に関しては是正するように要請を行っていますが現状は多くの事業者が片道100km以上の原則を維持しています。