8月8日
続落で始まった東証、歯止めが効かない様だ。G7の声明で為替は少し落ち着いた様だが、どうせ長くは持たないだろう。売り注文ばかりが目立ち営業の連中も活気が無い、そして今日の私はもっと活気が無い。昨夜も妻に求められた、それも表裏で。表の攻撃は妻、私は自由に身体を動かせない、妻の命じる儘だ。暫くしてして妻は気を遣り大きく仰け反る、いつもならここで私も果て終わっていた。だが昨夜の妻は早く私は未だ、前日の余韻がまだ何処かに残っていたのだろうか。そしてここで攻守交替、裏の攻撃は私だと言わんばかりに、絡み付きながら見つめてくる。中途半端な状態の私には断る術は無く、半ば本能で妻の要求に応えた。さすがに堪えた、今朝洗面所で見た自分の顔は酷かった、疲労感丸出しだったから。妻の好色に気付いた、いや妻が目覚めたのは実家に移ってからのこと、それでも二晩連続で求める事は無かったと思う。新婚当時は毎晩の様に励んだが主導したのは私、自らの欲望を体力任せで妻にぶつけていた。だが今は立場は間逆と言って良い、妻の求めに私は従順し事に及んでいた。ひょっとして一昨日の夜に受け側となった事で、また新たな悦楽を覚えてしまったのだろうか。そうすれば昨夜の様な行為を今後も続けさせられるのかも、その場の主導権は渡されても行為そのもその実権は妻が握る。家事や義母、義妹の事で溜まったストレスの発散にその権力を頻繁に行使されたら。確かに今は妻にとって慰めが必要なのは解る、だからと言って毎晩の様に求められたら此方が持たない、株価¥9000を切る前に私が破綻だ。だがまあ¥9000を切るのもそう遠くはないだろうが。新たな愉しみを覚えた妻にこれからも従わねばならないと思うと、軽い腰の痛みが心も身体も重くしてしまう。だが義母は今だ静かだ、妻との時間を何とか熟せば良いのだ、ささやかな団欒もある。そう気持ちを切り替え痛む腰を伸ばし仕事に中る、すると昼前に面白いニュースが入った、驚いた。コメの先物が72年振りに復活、買い殺到で値がつかず。正直「しまった」と思い声に出そうになった、狙い目だったのに気付かず見逃した。数週間前から出ていた米の問題、これは予測出来た筈なのに。すっかり勘が鈍った、デイトレードの好機を逸した。そんな時に携帯電話が鳴った、メールの着信で差出人は義妹。まだ少し混乱する頭でそのメール開いて見た、そして更に私の心も大きく混乱した、添付された画像によって。昨夜の妻との行為が撮影されていた、対処の方法など思いつかぬうちにまたメール。今度も義妹からで画像は無い、だが添付されたURLを開くと動画で昨夜の事が。慌てて携帯電話を閉じ株や先物どころではないと悩む、だが答えなど出る筈も無い。そもそも義妹の意図が解らない、妻に話すべきか。もし義妹が私と義弟の関係を知っていたら、妻が義妹に言い寄った時点で露見してしまう。もしそうなればデイトレードは潰され、株式市場への復帰の道が断たれてしまう。どうする、解らない。ただ解った事は、これからも私は家の女達に支配されるかもしれないと言う事か。(嘘)・・・・・おわり
8月7日
よく晴れた日曜日、朝から暑い、そして身体が懈い。昨日は健康診断で散々な目にあったが、文字通り「喉元すぎれば」であった。残留疲労感の原因はその後、帰宅してからの事。夕食を終え暫くして寝室へ入ってからだ、久し振りに妻が私を求めて来た。思えば義弟の死後は初めての性交渉、家庭内の様子が一変し色々と忙しくしていた為かこれ迄は全く無かった、あれ程好色だった妻が。だが義妹の件でとうとうストレスも満タンになったか、堰を切ったが如く貪る様に絡み付いてきた。いつもの様に仰向けに横たえ妻に主導権を預けると、少し怪訝な顔をして私を見つめ訴える、責めて欲しいと。復権した、私にも急に火が点き燃えた、傍らで眠る息子の事などすっかり忘れて。いつ以来だろうか妻の素肌に自ら触れたのは、忘れかけていた感触は思いの外に心地良い。妻はハンカチを銜え声を殺し悶える、その姿を以前は下から見上げていたが今回は見下ろす、しかも妻の目の前で。その表情と声に激しい興奮を覚える、攻守交替で様々な事が蘇り力の限りに努めた、そして果てた。今にして思えば妻も疲れていたのだろう、だからきっと昨夜の欲求へと繋がったのだろう。慰めて欲しかったのだ、私に。そう考えると幾つも反省すべき事が頭に浮かぶ、仕事を言い訳に家の事を避けていた所為だ、少しでも傍にいる時間を取るべきだった。義弟の死後は義母に代わり家の一切合財の面倒を見てきた、そして気丈だった義母が塞ぎ込む姿には心配が絶えないであろう。そんな状態が既に数ヶ月続いている、疲れて当たり前だろう。そこへ来て先日の義妹逮捕の一報、無事釈放されたものの我慢の限界だったのかもしれない。気の強い女で弱みを殆ど見せない、その母親譲りの性格が仇になり何も言えなかったか。義弟の死には私も少なからず責任を感じている、事故とはいえその現場は私の紹介した店、悔やみきれない。その事で感傷的になり過ぎたかもしれない、その為に妻への配慮が少々足りなかった。尤もそれまでは義母の口撃で精神は軽い麻痺状態に陥り、くだらぬ保身ばかり考えていた。気付くのに時間が掛かったが手遅れではあるまい、今は心に余裕も多少は出来たのだから色々と取り戻して行こう、妻との時間の中で。(嘘)・・・・・つづく
8月6日
土曜日で休みだが普段と変わらず家を出る、今日は年に一度の定期健康診断なのだ。会社が契約している病院へ朝一で出向く、検査項目の都合で全てを午前中に済ませて欲しいとのこと。本人の都合はどうでもいいらしい、でも早く終わるのは助かるので良しとしよう。兎に角一昨日の義妹の騒動のお陰で家には居づらい、昨日は会社で今日は健康診断、少しは気楽になれる。義妹は義父に叱られ暫く外出禁止、義父はイライラ、義母はソワソワ、妻もストレスを感じているみたいだ。あまり力になってやれず申し訳ないが、私にも今日は試練が待っているのだ。初めての内視鏡検査、胃カメラを初体験してしまう。経験者曰くかなり辛いらしい、とある女性などは御産の次に苦しい事だと明言する。だが全く逆の人もいた、慣れればどうと言う事は無いと。しかし私は未体験者、ネガティブイメージだけが頭に蓄積されてしまう、足取りが少し重いが予定通り病院に着く。受付で問診表を渡され記入、毎年同じだがちゃんと読んで答える。その中の設問でちょっと手が止まった、ここ1年で体重の増減が3kg以上あったかとの問い。答えはYes、5kg以上減った、昨年も減り今年も春までは徐々に減っていた。ここ数ヶ月は安定しているが、営業時代に比べれば7~8kgは減っている。夜の酒の席が無くなったことと、ストレスフルな家庭環境の為だろう、お陰でBMIも標準をやや下回った。軽く溜息。身長、体重、視力、血圧、測定や検診を続けとうとう胃カメラの順番に。私の前に呼ばれた人が診察室に入ってから既に20分、こんなに時間が掛かるのかと不安が募った頃合で呼ばれた。先ずは胃壁の洗浄、小さな紙コップに入った薬をゴクゴク飲まされる、不味い。次は喉の麻酔、細長いノズルで直接吹き付けられる、痺れて苦い。喉や舌に残った麻酔薬を飲み込めと指示される、軽く吐き気。そしていよいよ検診台へ、横向きに寝そべる。全身の力を抜いて遠くを眺めると良いと看護士からのアドバイス、だが緊張からか肩が強張っているのが分る。穴の開いたマウスピースを噛み、その穴からチューブが入る、だが無意識の内に舌が邪魔をして喉に届かない。嘔吐く、咽る、全身が強張る。一旦止め深呼吸を続ける様にと医師が言う、再挿入、嘔吐く、咽る、今度は喉を過ぎ胃に届いた様だ。嘔吐きも咽びもその度合を増し、身体の強張りも止められない。看護士がしきりに脱力を促すがなかなか上手くいかない、ここ近年に経験の無い苦しみが続く。身体の動きを止めたままのた打ち回り、何とか脱力を試みるが数秒しかもたない。そしてようやく呼吸と脱力が少し出来かけた頃に終了、気付くとよだれと鼻水だらけの顔になっていた。見苦しい姿を晒した、だがその羞恥より苦しみから解放された安堵の方が大きく上回り、案外静かな心持になれた。麻酔の効力は1時間ほど続くので飲食はその後、そう注意され次の検査に向った。辛かった、苦しかった、たかが15分だったが。最近は義母からの口撃が無くなり、打たれ弱くなってしまったか。(嘘)・・・・・つづく
8月5日
やっぱりだ、今朝の東証はいきなり400円も落ちた。ふだんなら独り言の話題になる出来事だが、今日の私、いや我家にとってはどうでもいい。もっと大きな厄介事が降って来たから、義父、義母、妻は昨夕から大騒ぎだ。昨日の退社間際に掛かってきた妻からの電話、義妹が警察に逮捕されたと叫んでいた。だが義妹は犯罪への関与が無いと認められたので釈放する、だから迎えに来て欲しいと警察署から電話があったと。取り敢えず義父と妻とで警察署へ向うので、なるべく早く帰って来てくれとの事だった。家には義母と幼い息子を残して行くが、その義母も話しを聞いてショックを受けているので心配だ、妻からのごく当たり前な願いだ。よって足早に帰宅し妻達の帰りを待ったが、義母を宥める言葉は出て来なかった。退屈そうな息子をあやしながら、義母と居間で過ごす時間に重苦しさを感じていた。以前ならこのシチュエーションは拷問で別の辛さを味わっただろうが、この時は憔悴した義母への心配が上回っていた。そうしているうちに息子は眠ってしまい、時計を見れば午後8時を過ぎていた。息子を居間から寝室へ移そうと抱きかかえたら、玄関が開き妻達が帰ってきた。息子を寝室で寝かせ居間で出迎えると、皆一様に暗い表情で義父は更に怒りの気持ちも顔に出ていた。義父の指示で義妹は無言のまま自室へ入った、そして義父も書斎へ籠もってしまった。義母は詳細を訊こうと妻に詰め寄る、その義母を宥める様に妻が話しをし出した。警察署で聞かされたのは大麻の捜査で暴力団組員を逮捕、その男が大麻を売った先を調べていたら義妹の交友関係に当り、捜査員が踏み込んだ所に義妹を含めた高校生や若者が数人いたとのこと。その何人かは大麻を吸っていて、現場にも多数の大麻煙草があったので全員をその場で現行犯逮捕。だが義妹は何も知らず其処に居て、薬物反応も無かったので事情聴取だけで帰された。友人の中に非合法組織と関係する人間がいたのか、普通に考えれば不幸な夏休みのアバンギャルドで済むのだが。やはり義妹は予備校の夏期講習には行っていなかったのだ、義父の怒りは容易に想像出来る。しかも不良仲間と一緒に警察に逮捕、予備校をサボるだけならまだしも。先日見かけた女の子達の中に義妹がいたのかもしれない。それに昨日の何か企んでいる様なメール、油断出来ないと勘繰ってしまう。警察と、恐らく義父からもキツイお説教を受けただろうから暫くは大人しいかも。一通りの話が済んだら腹が減ったが誰も夕食の準備をしていない、それに義父と義母は食事を摂る気持ちになれない様だった。よって昨日の夕食は妻と二人でコンビニ弁当、ちっとも美味くなかった。(嘘)・・・・・つづく
8月4日
政府の為替介入で円高に歯止めが掛かった、株価も少し上った、だが焼け石に水だろう。兜町は冷めた目で見ている様だ、部外者の私でも側にいれば分ってしまうものだ。私は私の仕事をする、半ば開き直って画面に向かいキーを叩く。昼過ぎに携帯電話が鳴る、メールの着信、アドレスに見覚えは無い。だが差出人は直に分った、添付された画像で。義妹だった、昨日妻から教えられた私のアドレスへ早速の送信だった。件名は無い、本文は「びっくりした?」の一言、そして画像は上半身は裸でピースサインの笑顔。慌てて携帯電話を閉じ周囲を見て、何食わぬ顔で仕事をした。正直ちょっと驚いた、だがこの位の事はしてくるだろうと言う思いもあった。現に送られて来た画像には見覚えがある、義弟のPCでだ。以前に私が見つけ秘密裏の内に画像も、その痕跡も根こそぎ消去したものの一つだ。こんな画像を送りつけて来た意図は、やはり義弟との事に気付いていたか、それとも単なる悪戯か。しかし悪戯にしては度が過ぎる、思春期の女の子がする事では無い。だが小遣い稼ぎに自分のヌード画像を売っていたのだから、この程度は構わないと言った所なのか。でも私は仮にも家族、実姉の亭主だ、しかも同居人でもある。それを承知の上での所業なら、絶対になにか魂胆があると思うべきだろう。暫し仕事の手が止まる。程無くして携帯電話がポケットで震える、1秒弱が2回、またメールだ。先のメールの際にマナーモードにしておいて良かった、やはりまた義妹からだ、今度は画像は無いが賑やかな文面?だ。流行の絵文字が小刻みに動き、それらが文中のあちらこちらに配置されている。少々読みづらいが早い話が、私に色々訊きたい事、教えて欲しい事があるから宜しく、とのこと。勉強に関わる事柄ではあるまい、恐らくは義弟の事と私との関係だろう。だが私には疚しい所は今のところ無い、PCデータの処分も嘘は吐いたが正当性は有る。こっそり引き継いだデイトレードの取引口座もまだ未使用、当然ながら義父の資産にも手を着けていない。よって私に非は無いが得体の知れぬ不安も感じた、義妹の企みが読めないからだろうか。取り敢えず義妹の半裸画像はメールごと消去しよう、妻の目に入ったら大変だ。そうこうしているうちに夕方となり、そろそろ退社時刻を迎えようとしたその時、再びポケットで携帯電話が震えだした。今度は途切れない、通話の着信だ、見ると妻から、聞くと一大事だった。(嘘)・・・・・つづく