7月10日「空沼岳湯の沢ルートへ!」の巻
お薬手帳を見る。薬がきかないこともあり、「もしかしたらウィルス性かも」と治療方法が変わったのだが、下痢は治まらない。「今までの考えを一度リセットして、膵臓を調べさせて下さい。」と急遽造影剤を注入。CTスキャンのベッドの上の人となった。結果から言うと、「何ともない!!」のである(前回の内視鏡検査から数ヶ月しかたっていないが、それは他の病院だったので)来週は胃と腸、つまり上から下からいっぺんにカメラを入れて調べるという。う・う・う・・・病院から戻り時計を見る。夕方の仕事まで6時間。腹を押さえ横になっても、本を読んでも6時間、ならばとリュックを背に沢へ向かう。
空沼岳(万計沼)へと続く湯の沢ルートだ。4月の下見では雪が多すぎて入渓ポイントすらわからなかったが、一言で言う。素晴らしい沢である。
まずこの写真を見てほしい(写真)。

蛍光灯モードで写しているからだけではない。滝の下の一枚岩が乳白色なのだ!そこに木漏れ日が落ちて・・・いっぺんにファンになってしまった。

次々と小滝が現れる。カメラをしまう暇がない。この三段の滝などは中段(左)のたまりに森の木々が映り込み、まるで緑の沼のようだ。(写真)


お腹の調子と夕方からのスケジュールをかんがみ、万計沼までの遡行は無理としても15mの大滝はみてみたい。だがすでに登り始めて2時間が経過。どこかであきらめをつけなければ、しかし依然、15mの滝の気配(音)はない。

 ふと前を見ると、大岩にたおれかかった大木の上で僕の方をふりかえりながらシッポを上下させている黒い鳥がいる。チーチージョイジョイという声からしてカワガラスだろう。なぜあんな高所に?しかもあのシッポの振り方はどうみても「ここにおいで」である。
よし、あそこまで行って滝が見えなんだらあきらめよう。そう思っておそるおそる大木の橋を渡った。すると・・・50mほど奥の崖の上から流れ落ちる滝が!あった!カワガラスが教えてくれたのだ。いそいで沢を詰める(時間がない!)とてもファインダーには収まらない高さだ。リュックと三脚を足元に置き、カメラだけをタスキがけにして僕は向かいの土壁を登った。木の根にぶら下がって写したのがこの一枚だ(写真)

よし、今日はここまで。16時からの打ち合わせに間に合うよう、駆けるように沢を降りた。