今日は園田競馬で実況歴50年という、

競馬ファンの中で伝説のアナウンサーとも言われる

吉田勝彦さんにお会いしました。


実際、テレビでのトークショーや

園田競馬の実況ではお目にかかったことがあるものの

生でお会いできるのは初めて。

なおかつ、座談会もできるというのだから

心躍る思いであんな店の門を叩きました。


実況一筋50年の吉田さん。

実況する上でのポリシーが


「騎手を男前にすこと」


強い馬を強く言うことは誰にでもできる。

実況アナウンサーはその馬が違う騎手に乗り変わったとき、

また違う走りをするところを見てそれを言わなければならない。


独特の吉田節の実況の中で

先日、サンテレビの特番でも取り上げられた

金沢のホシオーとそれを取り巻く園田競馬の馬たち

赤木騎手の騎乗ををとりあげてお話していただきました。


そんな話の中で一番印象にのこったのが

吉田さんは馬券を一切買わないという話。

騎手が競馬というものの一部であるのと同時に

実況アナウンサーも競馬の一部であり

そんな実況アナウンサーが馬券を買うことによって

「私情」をはさむことになり

実況に濁りが生じる。


飲み屋で客より先に酔っ払う主人がいてはいけないのと同じで

実況アナウンサーも競馬というものに酔っ払ってはいけない。


おもわず「なるほどなぁ」と思わせてくれる一言でした。

かつてラジオたんぱの長岡一也アナウンサーが

後輩の佐藤泉アナウンサーに


「実況は勝ち馬だけ強調するものではなく、

ほかの出走している馬たち全員に関係者の思いが詰まっている

それぞれ平等に実況できてこそ実況アナだ」


とといたそうです。

たとえ弱い馬だろうと、ダービーに出走すれば

その世代の頂点に立っているわけで

オーナーからすれば、名前を呼んでいただけるだけでも

幸せだという心境がよくわかります。


最近の実況はとくにラジオなどで言えることですが

下手に台本を作っていたりして肝心のところで

2着が抜けていたりと聞き手側からすれば

わからない実況が増えています。


そんな中で吉田さんの話をきき、

深みを感じたとともに、他の実況の問題のようなものが

余計に際立った・・・そんな気がしました。


園田 サイン