king craft rifleブログ
【1】［King Craft K22C-W］…by Kimihiko Oura
有限会社キングクラフトが製造した珍しいライフルを紹介しますね。
名称はK22C-W。（有）キングクラフトが製造したワルサートリガー付きの22口径ライフルです。
キングクラフトK22C-Wライフル。
キングクラフトで製造したWalther KKトリガー付きライフル。ライフリング面粗度が世界で1番滑らかなマクミラン銃身を使用。
プレサイスストックにベディングしました。タイトネック薬室。特殊なボルト包底面加工を施しました。
何が珍しいかと云うと、ワルサーライフル以外にWalther KKトリガーは、取り付け不可能なんです。それをキングクラフト機関部に付けちゃった。その数、3丁です。全て自衛隊体育学校射撃班向けに製造しました。その内2丁は個人所有ライフルです。
Walther KKトリガーを使う理由は、切れ味世界1位で壊れないことです。
1956年に製造されたトリガーが今だに壊れない。切れ味抜群です。このトリガーに勝てる物はありません。
1953年、ワルサー社はカール・ワルサーの長男フリッツと次男ハンスによって西ドイツのウルム市で再建されました。創業時6人のちっちゃな会社です。戦時中はP38で有名でしたが、戦後はスポーツ銃全般を取り扱うことから競技用22口径ライフルの図面が描かれます。
難題だったのは22口径の機関部に使用する引き金なんです。フリッツとハンス、そしてP38のピストル技師によって完成迄2年掛かりました。世界初のダブルステージトリガーです。
何が世界初かと云うと、普通の引き金とはまったく構造が異なる。Double Stage Triple Sear Set Trigger（ 2段引き3段シアのセットトリガー）なんです。ボルトを後方へ引くとセットトリガー特有の3分割シアがセットされます。Cocking sear からFirst SearとSecond Searの2箇所に、撃針スプリング10kgの張力が分散されるので、引き味抜群で壊れないです。1956年から Walther KK Match rifleに付けて販売開始されました。
1956年設計のワルサーKKトリガー。切れ味世界1位で壊れない。このトリガーに勝てる物は有りません。後部アクションネジ受けは6al4vチタン。
写真のキングクラフトK22C-Wは現在、大阪府ライフル協会のKさんが所有され、今回チューニングを施しました。Kさんは2023年11月全日本クラブ対抗選抜大会3姿勢60発で優勝しました。この時のライフルは、キングクラフトでチューニングしたWalther KK500です。
今回、ボルト包底面をキングクラフト特許K25C包底面へ改造しました。ライフリング面粗度が世界1位の滑らかなマクミラン銃身を使用しました。プレサイスストックに載せ替え、ネジ受けはチタン合金で製作しました。
強風が吹いた能勢射撃場での初撃ち10発標的。103.9点-9x。
初撃ちしたKさんによると…このライフルなら105点を狙えます…でした。
以上。
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