「2万7000年前の巨大建築!?世界最古のピラミッド」

と言う刺激的な記事タイトルが目に入りました。

 

エジプトのピラミッドが約6000年前、世界最古の宗教施設と言われる

トルコのギョベクリ・テペの遺跡も1万2000年前と聞いておりますので、

さすがにそれより倍以上古い2万7000年は無いだろうと思えました。

 

このピラミッドと言われているものはインドネシアにある、

グヌン・パダン遺跡と言われるもので、

インドネシア国立研究革新庁(BRIN)が10数年以上にわたり、

調査を続けてきた最新の報告が元のようです。

 

 

 

遺跡の丘 google Earthより

 

 

 

UFOの目撃事例や、未確認生物との遭遇のように不鮮明な写真が1枚あって、

それについてどうのこうの言う類の怪しいものではなさそうです。

 

 


 

記事の中に元の論文のURLがありましたので、見てみると、

長期間にわたり政府関係の機関で調査されたものがまとめられています。


 

一般にピラミッドと言うイメージは、

エジプトの何トンもある石を正確に積み上げた四角錐状のものですが、

どうもそのような形のものではなさそうです。

 

写真で見ると柱状に割れた石(柱状節理岩)を積み上げた、

巨大なというか広大な祭壇の連なり、

というのが一番近いようなイメージを受けました。

 

 

インドネシア、西ジャワ州にあるグヌン・パダン埋没先史時代のピラミッドの地質考古学的探査より

 

 

 

重層的に重なっている遺跡ということまでは、

分かっていたらしいのですが、

全部はがして次の層の調査などという方法は取れるわけもなく、

複数の調査方法が紹介されていました。

 

一つはトレンチといって狭く深い溝を何本か掘って、

断面の一部を直接見る方法。

 

コア抜きといって直径5cm程度のパイプの先端に、

ダイヤモンドの刃をつけたものを遺跡に上から貫入させて、

それぞれの深さの岩や土のサンプルを採取する。

 

トレンチやコア抜きした土のサンプルを放射性炭素分析で年代測定。

これが築造された年代の根拠となっています。


 

この辺まではなんとかわかりますが、表面波探査、地中レーダー、

電気探査による地中の可視化、ST法(人工地震波使用?)

などの調査結果が報告されています。

 

 

 

インドネシア、西ジャワ州にあるグヌン・パダン埋没先史時代のピラミッドの地質考古学的探査より

 


 

その結果から内部に空洞を持ち、長い休止期間をはさんで、

4層に重ねて築造された先史時代のピラミッドであると結論づけています。



 

最長で考えると、2万年以上にわたって、

次々重ねて作ったということですが、

1つの意思や権力がここに大きなピラミッドを作ろうと、

したとは考えにくいと思います。


 

実際、層と層の間が数千年開いているようなものもあるとのこと、

ひょっとしたら、この場所が大きな祭壇を設けたい、

と思わせる特別な場所なのかも。

 

そう考えると、歴史を書き換えるような発見とは別の、

興味も湧いてきます。