山陰旅行のハイライト、出雲大社のことは先日書きましたので、

今回は同日に行った「足立美術館」についてです。

 

足立美術館入り口

 

 

ここは収蔵品もさることながら、庭園が有名なところです。

庭園に特別な興味のない方でも「足立美術館」の名前や、

スキなく整備された庭園が大きな窓の向こうに絵のように見える。

そんな写真をご覧になったことがあるのでは。


 

この美術館の収蔵品は学校の美術の教科書で見たことのある、

横山大観、岸田劉生、平山郁夫、北大路魯山人などの作品があり、

季節ごとに入れ替え展示をしているそうです。

 

それにもまして人を引き付けるのは、

創設者の信念「庭園もまた一幅の絵画である」がもたらした、

美術館の周囲に広がる庭園です。

 

入館したときも数名の庭師さんがシートを敷いて松の手入れをしていました。

庭師さんたちが常に手をかけている庭園は、

時間とともに成長、変化する生きた彫刻のようです。

 

 

 

 

館内に飾られた季節ごとの写真は、

小砂利と借景の組み合わせで、

見る時間や季節によってさまざまに見えます。

 

そしてこれを「一幅の絵画」のように見せるため、

庭園の中を歩く回遊式ではなく、

建物の中から眺める鑑賞式の庭園となっています。

大きなガラス窓を額とみたてて視点を固定して、

そこからの眺めが最も美しく見えるように庭園が作られているように思えます。

 

 

 

 


 

観光用のパンフレットには

「米専門誌の日本庭園ランキングで20年連続トップ選出」

などというフレーズが見られます。

 

アメリカの専門誌ってなんだ?

トップがあるなら2位以下はどこ?

そもそもどういう格付け?

など疑問が浮かびます。

 

美術館のHPに答えがありました。

アメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)』が、日本国内の日本庭園約1000か所を対象に実施した「2022年日本庭園ランキング」を発表し、当館の日本庭園が「20年連続日本一」に選ばれました。

2022年日本庭園ランキング上位5位
1位 足立美術館(島根県)
2位 桂離宮(京都府)
3位 山本亭(東京都)
4位 皆美館(島根県)
5位 養浩館庭園(福井県) 

 アメリカ在住のダグラス・ロス氏が日本庭園を世界中に紹介するために1998年に創刊した隔月刊誌。
英語圏を中心とする世界37ヵ国の人々に定期購読されています。
同ランキングは、歴史的価値、規模、知名度ではなく、庭園の質、庭園と建物との調和、利用者への対応といったホスピタリティ等「いま現在鑑賞できる日本庭園としていかに優れているか」を基準に調査・選考されています。

 

だそうです。

 

 

紅葉にはまだ早い時期でしたが、色づいて落ち葉となった時や、

ツツジなどの花が咲いた後の、

落花狼藉の状態を一枚の葉も落ちていないように掃除するのは、

大変なマンパワーが必要なことだと思います。

 

高めの入館料も「生きている絵画」を育てるお手伝いだと思えば納得ですか。