出雲大社は日本で最も古い神社のひとつで、縁結びの神様として有名です。

「大社」と名の付くものは全国に20以上あるそうですが、

出雲大社は伊勢神宮と並んで別格です。

 

縁結びに特別関心があるわけではありませんが、

天津神の伊勢神宮は2度ほどお参りしましたので、

もう一方の国津神を祀る出雲大社を一度は訪れてみたいと思っていました。

 

 

 

 

 

 

たまたま機会があり、仲間数人と出かけてきました。

和風月名(わふうげつめい)では10月は神様が出雲に出かけていなくなり、

神無月(かんなづき)と言いますが、

出雲の地では神様が大勢いらっしゃって神在月(かみありづき)と呼び、

旧暦の十月だそうです。

 

出雲大社は八百万の神様が毎年旧暦の10月11日(今年は11月23日)から

7日間、出雲の地で神事(幽業、かみごと)、すなわち人には予めそれとは知ることのできない人生諸般の事などを神議り(かむはかり)にかけて決められるといわれています。

男女の結びもこのときの神議りであるといいます。

(出雲観光ガイド)

 

 

八百万の神様のお宿 十九社(じゅうくしゃ)

 

 

 

 

 

ということで神様の集会の一月前のお参りとなりました。

 

稲佐の浜で砂を採取

 

 

 

参拝する前に、まずは稲佐の浜に立ち寄りました。

ここは出雲大社の別宮で、海岸に小さな祠があります。

ここで浜の砂を採取し、大社の境内にある

「素鵞の社・そがのやしろ」に砂を納め、以前からある砂をいただくと

縁結びのご利益があると言われています。

 

 

                                  拝殿
 

 

いよいよ、出雲大社の拝殿に向かいました。

ここでは他の神社と違って、拍手が2回多く、

2礼4拍手1礼をするのが正しい作法だそうです。

拝殿に立ち、これまでの縁結びに感謝し、そして新たなご縁をお願いしました。

 

 

 

拝殿の後ろには本殿があります。

一般人は入れませんが、周囲を一周することができます。

本殿は塀に囲まれていて、全体が見渡せないのですが、

高床のお社はその存在感があります。

 

 

本殿を裏から見る

 

 

回り込んだ本殿の後ろ側、境内のいちばん北側に砂を納める、

「素鵞の社・そがのやしろ」があります。

ここも出雲大社の別宮で、稲佐の浜の砂を箱に入れ、

別の箱から新しい砂を頂きました。

 

 

素鵞の社 回廊下に砂を納める箱がある

 

 

降り参道を登って帰る途中で、カップルを見かけました。

男性が大社の方を見て立ち、抱き合えるほどのところに向い合わせに女性の姿。

彼女は小柄で彼を見上げていますが、

彼は目を合わせることなく遠くを見ています。

 

 

どう見てもこれから別れる雰囲気の二人でした。

あれこれ二人の事情を想像させられました。

 

ひょっとしたらここ出雲大社のご縁で知り合ったのかな。

ご縁を「赤い糸」のように感じたのかな。

やり直したくてここに来たのにダメだったのかな。・・・

 

この先がどうあれ、二人にまた新しいご縁が出来ますようにと

祈りたくなる光景でした。


 

出雲大社は、歴史的な事実はともかく神話の上では、

天孫の神様に国を取られた国神様の社です。

それでも滅ぼされ上書き保存されることなく、

別名保存されることで、現代に生き残っています。

 

誰の知恵かわかりませんが、多くの多様な神様がいらっしゃることに、

安心感を覚えます。

 

大きな注連縄のある神楽殿