東京あきる野市の二宮神社に行ってきました。

二宮神社といっても余り知名度はありません。

私も「縄文神社」というタイトルの本で知ったところです。

 

 

 

 

「縄文神社」 表紙

 

 

 

 

この本によると東京で一番美しい場所として紹介されていた神社です。

 

「縄文神社」とは何か。

この著者によると文字通り、縄文時代の遺跡と、

神社が重なっている場所。

縄文時代から現代まで続く祈りの場であり、正に現役の祈りの場です。

 

長い間に宗教や神様が変わっても、祈る場所は変わらなかった。

人間が祈りたい、大切にしたいと思う場所には、再現性があるのではないか。

そういう発想のもと作られた造語です。

 

この著者がギリシアの神殿を訪れた時感じた「空っぽだ」という感覚。

美しい「遺跡」ではあるけれど、現役の祈りの場ではない。

それに対して、「縄文神社」は数千年、ひょっとしたら1万年以上前から、

現役であり続けている祈りの場所であると、記しています。


 

二宮神社は、JR五日市線東秋留(あきる)駅から歩いて5分ほどのところにあります。

 

 

 

東秋留駅(上) お池中央の湧水(下)

 

 

神社はあきる台地の東端にあり、境内へは、東に向かって伸びている

階段を50段ほど登らねばなりません。

階段の入り口付近、高台のふもとには湧水があり、

「お池」となっています。

 

 

この湧水は、おそらく縄文時代から変わらず湧いているのだと思うと、

池の中央から湧きだしている湧水の光景が違って見えます。

1万年前も、千年前も、百年前も、湧きだす水を

私と同じように見ていた人がいたと思うと、

過去と現在がピーンとつながり、時間を超えた感動があります。

 

 

二宮神社入り口 鳥居をくぐって石段を上る


 

神社の本殿に向かって階段を登っていきます。

前に書いたように、神社は台地の東端にあり、東に開けているので、

階段を登り切ったところから東に広がる市街が見えます。

多摩川の本流まで1キロほどですから、

建物がないころであれば川の流れがハッキリ眺められたかもしれません。

 

 

神社拝殿 後ろに本殿

 

 

境内に入り、手水舎で清めをして、拝殿へ。

御祭神は国常立尊(くにとこたちのみこと)とか。

二礼二拍手をして心を込めてお祈り、最後に一拝。

 

拝殿の後ろに古い本殿があり、ぐるりと一周し、

摂社にも手を合わせました。

ここには、境内に隣接して考古博物館があります。

中には、境内や近くの遺跡で発掘された石器や土器などが展示されています。

 

 

二宮考古館

(展示物撮影はOKだがブログに乗せるには許可要すとか残念)

 

 

順路に従って、縄文の草創期の石器から中世の食器まで、

この境内や関東各地から出土したものが時代順に並んでいます。


 

土偶や土器に描かれた模様や装飾に目をひかれます。

縄目もそうですが、蛇の身体をモチーフにした蛇体装飾土器や

どう見ても実用的ではない顔面把手(とって)などがユーモラスに思えます。


 

二宮神社は、縄文時代から現代まで続く祈りの場です。

ここでは、縄文時代から現代まで時間の流れが続いていることが実感できます。

 

本にはその他いくつもの神社が紹介されていますので、

ひょっとしたら最強のパワースポットかもしれない「縄文神社」巡りも

面白いかもしれません。