熊本に所用があり、少し足を延ばし、
人吉駅近くの球磨川で竿が出せるかと調べてみました。
残念ながら、令和2年7月豪雨の影響により、
JR肥薩線が川を渡る第一橋梁流失したまま、
八代駅から吉松駅間は不通区間となっていました。
3年ほど前に行った球磨川の釣りの基点、人吉に
熊本から列車に乗って行こうと思っておりましたが、
未だ復旧していない状態です。
熊本から人吉に向かった「やませみ」
「やませみ」内部
人気はあるが慢性的な赤字路線の高額な復旧費用を、
誰がどう負担するか調整が難航しているようです。
鉄道利用で釣りに行くようになったのはこの10年ほど。
鉄道の駅には駅員さんがいて、駅前は商店があり人が行き交っている、
そのようなことが当たり前だと思っていました。
しかし、ワンマン運転車両の利用や無人駅の乗降を経験すると、
とんでもない間違いだったことに気づきました。
川に沿った鉄道を利用しての釣行をいつも計画しています。
古いガイドブックでは鉄道があるので候補に挙げて調べてみると、
廃線になっていると言うケースがいくつかありました。
鮎が釣れるような川に沿った鉄道はほぼ地方交通線で、
このいわゆるローカル線は、
利用人数が少ないため発着の本数も少なくなっています。
1時間に一本あれば良い方で、お昼時など2時間以上来ないこともあります。
鉄道利用の釣行ですと何かあったときの逃げ場を考えておかねばなりません。
特に軟派な私は、釣り場が駅から近いこと(重いリュックで歩くのはキツイ)、
近くに橋のあること(急な雨でもその下に入れます)、
コンビニが近くにあること(弁当と氷とトイレのため)
などがチェック項目です。
問題は遊漁券が手に入らないことです。
ネットで遊漁券が買える漁業協同組合もありますが、
まだ数が少なく、特に小さな漁業協同組合ですと、
特定のおとり屋さん(友釣り用の最初のオトリ鮎を売っている)
くらいしか取り扱いがありません。
これまで鉄道利用して釣行したところをいくつか挙げると、
北の方から青森県の赤石川。
ここは「リゾートしらかみ」が走る五能線、
利用した駅は「陸奥赤石」。
この時は先行した仲間と合流するため、
陸奥赤石駅からタクシーで上流の宿まで移動しました。
山形県の最上小国川では新庄から瀬見温泉駅。
この駅は鉄道釣行にあったらいいな的なものがすべてそろっているところです。
久慈川での釣りは水郡線(茨城県水戸から福島県郡山)利用で山方宿駅。
条件はほぼそろっていますが、バーベキュー客が騒がしい。
山方宿駅
豊川(愛知県)は友釣りの解禁前に毛バリ釣りのできる珍しいところ。
利用した駅は飯田線江島駅。
食事のできるところが1軒。橋はありますがコンビニはありません。
いくつかの駅は無人の駅で、私一人が降り、そして乗車します。
そんな風ですと、この鉄道はいつまであるのか心配になってきます。
利用客が鉄道ファンや私を含めた観光客、
時折のイベントだけではとても維持できないでしょう。
江島駅
過疎化や、高速道路の整備が進むと赤字ローカル線が増える。
これは日本の鉄道が、比較的人口密度が高い地域を結べた、
自家用車の普及が遅かった、などの特殊な条件の上に咲いた花だったのか
などとも思えてきます。
赤字路線対策として路線バスへの切り替え、
鉄道の施設を自治体が持ち運行のみを鉄道会社が行う上下分離など
いろいろな案が検討されていると聞きます。
一年一度使うかどうかもわからない釣行者には何もいう資格はありませんが、
鉄道で繋がっているという安心感は残してほしいと願うところです。