お寺、特に禅宗のお寺の玄関などには

「看脚下」と書かれた札が置かれています。

 

 

これは「「かんきゃっか」と読み、足元をよく見なさい、

そして脱いだ着物をきちんと整えなさいと言う意味です。

 

 

 

 

さらに進んで、生活態度や人生の生き方なども

目先のことにとらわれずしっかりと足元を見て対処しなさい

と言う教えだと聞いています。

 

その例として、人生のいろいろな問題に対する対処の仕方とか

ビジネスの考え方などに使われることも多いようです。

 

企業のトップの方がこの「看脚下」という言葉を、

企業経営の要であるとして座右の銘としているとか。

会社の理念に従ってまい進するのも大事だが、

まさに足元を見て一歩一歩着実に進んで行くのが

最も重要、などです。



 

この言葉を思い出したのは、

そういうレベルの高い話ではなく、

このところ立て続けに左膝の下をぶつけて傷を作ったからです。

 

一度なら不注意と言うこともあるでしょうが、

二度続くとひょっとして注意力が散漫になってきたのか、

あるいは視野の下の方がよく見えていないのでは、

など心配になったからです。


 

特に私のように近眼の度のつよい人間は、

緑内障になりやすいなど脅かされたことがあります。

自覚症状が出にくく、

見えにくくなったときはかなり進行している時だともいわれました。

 

 

 


 

そこで早速、眼科を訪ね、視野の測定と言うのをやりました。

少し薄暗い部屋に、直径が80センチ位でしょうか

パラボラアンテナのような形をした検査機です。

 

その中心あたりに顔を固定する台があり、

片目に眼帯で左右別々に検査をします。

 

視線は正面中心部から動かさないように指示され、

パラボラアンテナの表面に、音と同時に光の点が見えたら

ボタンを押すと言う検査。

 

この音が曲者。

音が出ても光が出ず、見ていなくとも適当にボタンを押す。

そういうものをカウントして、精度を上げているようです。


 

最初のうちは強い光が中心部に出ますので、

わかりやすいのですが、周辺部に弱い光が出ると、ほぼ見えない。


 

視線を動かしたいのに動かせない、

上下左右視野の範囲に、

ランダムに光の点があらわれたらボタンを押す

こんな作業を繰り返します。

 

左右の目で合計で30分以上かかったと思います。

かなり集中してやらされますので、とても疲れました。


 

結果は周辺に少し見えにくいものがあるものの

それほど深刻なものでは無いようで一安心。

 

 

 



 

脚のキズは目の視野の問題ではなかったら、

注意力が落ちているのかよくわかりません。


 

とりあえずは、普通の生活の中の所作の1つとして

つまずかぬように「看脚下」、「看脚下」と唱えながら、

街を歩き、玄関で靴を脱ぐようにします。