出張先から新幹線で帰るとき、少し時間があったので、
駅のカフェで久しぶりにチャイを飲みました。
チャイを飲んで、旅行気分が出たところで、昔飲んだ、マテ茶を思い出しました。
今は、スーパーに行けばペットボトルに入った「太陽のマテ茶」
を見ることも多くなって気ましたが、
最初に飲んだ時はなかなかインパクトがありました。
ご存知かもしれませんが、マテ茶はふつうのお茶と飲み方が違います。
まず、マテと呼ばれるヒョウタンなどから作った、
こぶし大の容器にお茶のもとになる葉とお湯を入れます。
そこに先端がしゃもじ状の形をして、
を差し込み飲みます。
また、このお茶は緑茶や紅茶のようなチャノキからとれる茶葉ではなく、
主に南米のモチノキ科(うばめ樫のなかまらしい)
の潅木の葉や枝を乾燥し、荒く粉砕したものだそうです。
湯を加えて飲むのですがその容器(マテ)は、
ヒョウタンのくびれた部分から少し下の太くなったあたりでカットして作られています。
これに七分目程度の茶葉を入れ、直接入れお湯を注ぎます。
このひたひたのお湯をの入った茶葉の中に、
マテ用ストロー、ボンビージャを差し込み、
ストローで吸うようにお茶を飲みます。
この飲み方が伝統的なもので、紅茶や緑茶のように、
ポットでいれて飲む飲み方は、コシードと呼ばれるます。
このお茶を数人でのむとき、一組の茶器を使いマテ茶を回し飲みする習慣があります。
ホスト役が茶器とボンビージャを使いマテ茶を淹れ、一煎めは自分で飲みます。
二煎目からは順番に参加者に回していき、各人が満足するまで何杯でも回し続けます。
客はホストから茶器を受け取り自分ですべて飲んでホストに返します。
客から別の客に直接茶器を渡すことはせず、
受け取った茶は自分ですべて飲みきりホストに返すのが作法とのことです。
茶器をホストに返すときに「Gracias(ありがとう)」と言うと、
「もう満足しました」という意味になるので、次からは自分に茶は回ってきません。
客から茶器を戻されたホストは湯を注ぎ、
場合によってはボンビージャを差している位置を調整したり、
茶葉を追加したりして味を調えた上で次の客に渡します。
ボンビージャの位置を動かすと茶漉し部分が目詰まりしたり、
味の濃さが変化したりするので、
客は勝手にボンビーリャを動かしてはならない、らしいのです。
わたくしが最初にこれをいただいたとき、
これをつい動かしてうまく飲めなくなりました。
というのはホストが調整して渡してくれるのは、
口の真正面ではなく、
少しずらした位置から斜めにして飲むようにセットしてくれるのです。
私のほうはボンビージャ=ストローゆえに、
口の正面に構えてまっすぐに飲むべし、のような感覚があり、
ボンビージャを動かしては、うまく飲めなくしてしまいました。
ホスト役に、仕方のない奴だ的な顔をされたことを思い出しました。
お茶といっても茶葉も、容器も、飲み方も、いろいろあります。
頭を柔らかくして世界の「茶道」をあれこれ楽しみたいと思います。