昨日は用事が少し早めにかたづいたので、カフェで一休みをしました。ブレンドコーヒーとバームクーヘンをもって席に着きました。店は比較的混んでいて、両隣とも先客がいました。ここから先は左隣の女性客二人が話していたことを、多少想像で補って書いたものです。

 

 念のためお断りしておきますが、決して聞き耳をたてて、会話の内容を記録したわけではありません。大きめの声ではっきり話す方でしたので、いやでも耳に入りました。また、その内容が私には意外だったので、書かせてもらいます。

 

 女性客二人はともに五十台後半、お友達同士といった感じでした。一人の女性が猫好きらしく、病気の猫の看病の様子を話していました。

 

 話しをしている女性はペット禁止のマンション住まいらしく、ご自宅では買っていないようです。どうやら面倒を見ているのは、少し離れた母親のマンションにいる老猫のようです。

 

 このお年寄り猫が風邪をひいたため、毎日バスで母親の家まで通ったようでした。へーっ、出張して面倒見るなんて、大変なもんだと感心していました。ところが、具体的な看病の様子を聞いて猫好きな人はここまでするのかと驚かされました。

 

 看病をしていたのはまだ寒いころのようで、まず部屋を暖かくする。まあ人間でもそうだからね。続いて、ハウスダストが舞い上がらないよう、隅々まで掃除機をかける。母親が大変そうなのでお掃除ロボットルンバを買った。次に空気中のウイルスも除去できるダイソンの空気清浄機を自分の家から持っていった。

 

この辺まで来ると、「その二つとも、我が家にはないんですけど」となってきます。

 

機械設備だけではありません、エサはペースト状にして、お医者さんの薬を少しづつ混ぜて、注射器のようなもので食べさせる。加湿器は当然として、鼻が詰まって苦しそうだからと蒸しタオルを猫の鼻先に近づけ、湯気を吸わせる。これも、濡らしたタオルをラップにくるみ、レンジでチンして、猫の鼻先に。冷めたらまたチンして鼻先に。これを鼻が通るまで繰り返す。 

 

この辺まで来ると、私も子供が熱を出した時、タオルでおでこを冷やしてやったことを思い出しました。ただ、ここまで徹底してやったか、いささか自信がなくなりました。

 

この猫ちゃんは薬が効いたか、看病のおかげか、元気なったそうで、思わずよかったですねと、声をかけそうになりました。

 

いくら猫好きでも、ここまで看病ができる人は、そうはいないと思います。こういう愛情深い人に飼われた猫の幸運を祝福したくなります。

 

同時に、お医者さんの薬以上に大切なのは、身近な人の親身な看病なのだと、改めて感じさせられたコーヒータイムでした。