海外ドラマそれもミステリーをよく見ます。 

アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、EU北欧などが舞台の

それぞれのドラマは個性的な探偵や刑事などの活躍につい時間も忘れてしまいます。

 

 主人公の謎解きはもちろんメインの楽しみですが、

その他に街の様子や景色など地域によってずいぶん違います。

アメリカなどはあまり違和感なく見ていられますが、

イギリスや、北欧のものは空がいつも暗く、

雲が垂れ込めているイメージがあります。

反対に明るい太陽のもとで、主人公が動き回るのはイタリアのものです。

 

  もう一つ違いが際立つのが主人公たちが食べる料理です。 

何といってもかわいそうなくらいワンパターンなのが、アメリカの刑事です。

大きな自宅の立派な台所でサンドイッチを作っていますし、

職場では出前かテイクアウトの四角い紙箱の

チャイニーズカートンをつつき、外ではドーナッツかピザをほおばっています。

 

 アメリカの刑事ものでもコロンボ警部はイタリア系のためか、

好物が豆とひき肉の香辛料料理、

チリコンカルネが好物という設定なので、いくらかましに思えます。

 

 イギリスでもアメリカと似たようなもので、

シャーロックホームズにもあまりおいしそうなものは出てきませんし、

ベルギー人の名探偵ポワロは、イギリス人のジャップ警部の作った手料理を、

アレルギーを理由に口をつけようともしません。

 

  現代のイギリスの刑事たちも現場から帰る途中で、

料理なしでビールだけ飲んで車を運転して帰るシーンがよく見られます。

まだ北欧のほうが何とか料理らしいものを食べているように見えます。

 

 そこに行くと、見ていて楽しいのはなんといってもイタリア、モンタルバーノです。

海辺の自宅テラスで一人食べる時も

サンドイッチなど見たこともありません。

 

 最近知りましたが、彼の好物はカポナータというシチリア料理。

野菜のトマト煮込みなのですが、

玉ネギ、パプリカ、ズッキーニ、ナスなどを素揚げしてからトマトソースで合わせ、

オリーブオイルで蒸し焼きにして仕上げに

ワインビネガーと砂糖を加えて軽く煮るという料理です。

  少し甘酸っぱい味の料理だそうで、一日くらい置いたほうがおいしいそうです。忙しいときでも作り置きの料理とワインを必ず飲むのを見るのは、ストーリーとは別の楽しみです。

 

 ミッテランだったかほかのフランス大統領だったか忘れましたが、

「料理のまずい国の言うことは信用できない」的なことを言ったとか。

 

 信用できないかどうかはともかく、

作品の中にサンドイッチ以外のおいしそうなものが出てくるのは、

視聴者にとってプラスアルファの楽しみであることは間違いありません。