滋賀県草津市に草津温泉はございません――。
草津市の市観光物産協会が、日本三名泉の一つ「草津温泉」がある群馬県草津町と間違えられることを逆手に取り、温泉地の定番商品をパロディー化した「温泉ないまんじゅう」を6月22日に販売しています。
群馬県の草津温泉は、行基や源頼朝らの開湯伝説があり、年間約400万人が訪れます。
有馬温泉(兵庫県)、下呂温泉(岐阜県)とともに日本三名泉と呼ばれます。
一方、草津市は琵琶湖の南側に位置し、草津温泉から南西に約300キロ離れています。
草津市観光物産協会によると、草津温泉と混同した電話やメールが年間100件ほどあり、間違えて訪れる人もいます。
同協会のホームページでは「草津温泉はございません」と注意喚起しています。
テレビのクイズ番組でも「草津温泉がある都道府県は?」という問題が出題され、解答者が「滋賀県」と答えて不正解❌になることもよくあります。
「温泉ないまんじゅう」は同協会の谷坂優希さんが「間違えて来てくれた人に申し訳ない。お土産になれば」と発案し、市内の和菓子店が協力しました。
表面の温泉マークに斜線を入れ、その存在を打ち消すデザインの焼き印が特徴です。
中にこしあんが入っています。
谷坂さんは「最近も、ウェブメディアから(草津温泉名物の)湯もみショーの画像がほしいと連絡があった。間違いが少しでも減ってくれれば」と期待しています。
6月13日には、谷坂さんらが草津温泉を訪れて販売を報告しました。
草津温泉観光協会の担当者は「協力し合って、お互いの知名度を高めていきたい」と話していました。
価格は1個300円(税込み)。
6月22日、JR西日本大阪駅で開催された県の観光キャンペーンで、2個入り50セット限定で販売されました。
今後、草津市内の道の駅などで販売を検討します。