ソフトバンクは11月5日、和田毅投手が今季限りで現役を引退することを発表しました。
球団は来季も契約する意向を示していたものの、43歳のベテランは22年間の現役生活に自らピリオドを打つことを決断。
“松坂世代”で唯一の現役選手として走り続けた左腕は、NPB通算160勝(日米通算165勝)をマークしました。
和田投手は浜田高校(島根県)で3年夏の甲子園に出場し、ベスト8に進出。
早稲田大学へ進むと、4年間で東京六大学の歴代最多記録を更新する通算476奪三振をマークしました。
2002年ドラフトの自由獲得枠でダイエーに入団しました。
1年目から先発ローテの一角を担い、14勝をマークして新人王に選出されました。
2年目以降も先発の柱として活躍し、ルーキーイヤーから5年連続で2桁勝利をマーク。
2010年には17勝で最多勝とMVPに輝きました。
翌2011年には16勝をマークし、同年オフに海外フリーエージェント権を行使してボルチモア・オリオールズと契約し、アメリカ🇺🇸大リーグに挑戦しました。
渡米1年目のスプリングトレーニングで左肘の違和感を訴えて離脱すると、5月にはトミー・ジョン手術を受けました。
術後約1年で実戦に復帰したものの、メジャー昇格の機会はなく、オフには自由契約となりました。
シカゴ・カブスに移籍して迎えた2014年は13試合に先発して4勝をマークしたが、2015年はスプリングトレーニング中に左太ももを故障。
登板はわずか9試合に終わり、再び自由契約となりました。
2016年に5年ぶりにソフトバンクに復帰すると、15勝をマークして最多勝、最高勝率のタイトルを獲得しました。
2018年は左肩の故障で一軍登板なしに終わるも、2019年に4勝、2020年には8勝をマークして復活。
42歳で迎えた2023年も開幕ローテに入り、4月5日のオリックス戦で球団最年長記録となる42歳1か月で勝利投手となりました。
5月24日の日本ハム戦では通算2000投球回も達成し、8勝をマークしました。
今シーズンも小久保裕紀監督から開幕ローテ入りを通達されていたものの、怪我の影響もあって出遅れました。
今季初先発となった5月6日の日本ハム戦で初勝利をマークし、同22日の楽天戦でも7回無失点と好投したが、その後は怪我もあって状態が上がらず、ファームでの調整が続いていました。
クライマックスシリーズ、日本シリーズでのリリーフ起用を見据えて、シーズン終盤には中継ぎで戦列に復帰しました。
だが、10月1日のオリックス戦で左股関節を痛めて途中降板し、10月13日に行われた実戦形式の練習で再び左股関節付近を負傷。
クライマックスシリーズ、日本シリーズでの登板は叶わず、シーズンを終えていました。
和田投手は西武やソフトバンクなどでプレーし、メジャーリーグでも活躍した松坂大輔氏と同学年で、「松坂世代」最後の1人として懸命に腕を振り続けました。
また、2004年に消滅した大阪近鉄バファローズから白星をあげた最後の現役投手でもありました。
結局、「松坂世代」からは、名球会入りとなる200勝、2000安打、250セーブを達成した選手はひとりもいませんでした。(藤川球児氏(阪神監督)は特例で名球会入り)
巨人・立岡宗一郎選手が、今季限りで現役引退、三軍外野守備走塁コーチに就任しました。
大きなけがを乗り越えた野球人生でした。
2022年6月9日の西武戦(ベルーナドーム)で守備の際に味方と交錯し、左膝前十字じん帯を損傷。
同30日に同か所の再建手術を受けました。
同年オフには育成契約となったが、懸命にリハビリを続け、約1年後の昨年7月に実戦復帰。
今年5月には支配下に復帰を果たしました。
「ここから全盛期だと思って頑張りたい」と宣言した通り、同6月4日のロッテ戦(東京ドーム)では自身9年ぶり2度目となる4安打に4打点をマーク。
阿部慎之助監督も「ここぞって時にやってくれる選手だと思っています」と信頼を寄せ、DeNAとのクライマックスシリーズ最終ステージでも3試合に出場するなど重宝されました。
立岡選手は鎮西高校(熊本県)から2008年ドラフト2位でソフトバンクに入団しました。
2012年6月にトレードで巨人に加入したが、直後の7月に左肘じん帯を損傷しました。
当時は右打ちだったが、患部への負担が軽い左打ちに挑戦を決意。
「人の3倍は振らないといけませんから」と努力を重ね、自分のものにしました。
2015年には91試合に出場し、打率.304を記録。
スタメンだけでなく、50メートル5秒9の俊足を生かした代走や守備固めなど、途中出場でも力を発揮し、チームになくてはならない外野のスーパーサブでした。
「体がボロボロになってもいいので、チームのためにやりたいという思いが一番です」と話していた男が、16年のプロ野球人生を戦い抜きました。
ロッテ・二保旭投手が11月2日、自身のインスタグラムを更新、現役引退を発表しました。
二保投手は「今年で引退することにしました。ホークス12年半、タイガース2年半、マリーンズ1年 16年間ありがとうございました」とあいさつ。
「こんなに長くプロの世界で野球ができるとは思いませんでした。色んな人に支えられてここまで続けることができました。そしていつもこんな自分を応援してくださったファンの皆様 本当に励みになりましたし心強かったです。感謝してもしきれません 16年間ありがとうございました。」と声援に感謝しました。
「寂しい気持ちありますが またお会いする日が来ると思うのでその時は声をかけてください。これからの人生まだまだ頑張っていきたいと思います。皆さんも元気で!また会いましょう!」と結びました。
二保投手は九州国際大学付属高校から2009年育成ドラフト2位でソフトバンクから指名され、入団。
2015年には自己最多44試合に登板し、6勝をマークしました。
2021年にトレードで阪神に移籍も2023年に戦力外通告。
同年11月にロッテと育成契約し、今年3月に支配下契約を結んだが、8試合のみの登板に終わり、シーズン終了後に戦力外を通告されていました。
アメリカ🇺🇸大リーグから日本プロ野球入りした日本ハムの加藤豪将選手が11月3日、今季限りでの現役引退を発表しました。
加藤選手は球団を通じ「12年間、応援し支えてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございました。ここまで来られたのは、家族やチームメイト、監督、コーチ、球団の方々、ファンの皆さんのおかげです。これからも新しい挑戦を続け、これまでの経験と感謝の気持ちを胸に、前に進んでいきます」とコメントしました。
新庄剛志監督が獲得を要望し、2022年ドラフト3位で日本ハム入り。
昨年の6月にはドラフト制以降のプロ野球の新人最長タイとなるデビューからの10試合連続安打を放ったが、今季は28試合の出場にとどまり、打率.172、0本塁打、1打点と低迷していました。
今後は未定だが、周囲には「これからは(プロ生活の)12年の経験を生かしてやりたい」と野球に携わることを希望しています。
アメリカ🇺🇸・カリフォルニア州出身で、ともに日本人の両親の仕事の関係で5歳だった2000年に渡米し、2013年ドラフト2巡目(全体66番目)でニューヨーク・ヤンキースに入団。
マイアミ・マーリンズ、サンディエゴ・パドレスを経て、2022年4月9日のレンジャーズ戦で代走で初出場。
日本プロ野球を経ずにメジャーデビューを果たしたのは、日本人野手では初めてでした。
「憧れの人」とするイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)との親交も深く、マイナー時代の2013、14年はともに自主トレを行いました。
戦力外通告から異例の復帰となったのが巨人・直江大輔投手です。
10月28日に来季の契約を結ばないと戦力外通告を受けていたが、球団は育成での再契約を打診。
本人も前向きに受け止めているようで、11月3日よりチームの秋季練習に合流しました。
直江投手は松商学園高校から2018年ドラフト3位で入団。
2022年にはプロ初勝利を挙げ、昨季は中継ぎとして自己最多となる16試合に登板して6ホールドをマーク。
今季は一軍登板がありませんでした。
2021年のソフトバンクのドラフト1位、風間球打投手が高卒3年で戦力外となってしまいました。
風間投手はノースアジア大学明桜高校(秋田県)から2021年ドラフト1位で入団。
背番号「1」を与えられるなど球団の期待は大きかったが、故障に苦しみ、入団3年間で一軍登板はありません。
昨年までは二軍でも登板がありませんでした。
3年目の今季は二軍戦に6試合登板して、計5イニングを4失点(自責3)、防御率5.40に終わりました。
球団は育成選手として再契約を打診する方針で、本人は「当然の結果」などと胸中を明かしました。
戦力外通告を受けた選手の中には、「なんでこの選手が戦力外に?」とファンの間で疑問に思うことがあります。
オリックスから戦力外通告を受けた横山楓投手に注目が集まっています。
10月8日に球団から来季の野球選手契約を結ばないと通告された26歳右腕。
今季は二軍で47試合に登板して14セーブを記録し、ウエスタン・リーグの最多セーブに輝いただけに「覚醒してほしいわね」「もーちょいチャンスあげろよ」「戦力外は正直驚いた」「なんでや?」などの声が上がっています。
横山投手は2021年ドラフト6位でオリックスに入団。
コンパクトなテークバックが特徴的な投球フォームで、打者を翻弄するスタイルで戦っています。
プロ3年目の今季は二軍で47試合に登板して1勝5敗14セーブを記録。
防御率は3.65で安定した投球を披露していました。
ウエスタン・リーグ最多セーブのタイトルを獲得するも、今季の一軍登板はありませんでした。
右腕の戦力外に「二軍タイトルホルダーも、一軍で活躍できんとなかなか厳しいんかねぇ」「ファームで最多セーブでも来季構想外なのか」「横山楓は引く手数多な気がするけどな」「ずっと期待してたのに」「這い上がれ!」などの声が広がっていました。
DeNAは10月27日、横浜スタジアムで行われたソフトバンクとの日本シリーズ2024第2戦に4番手で中川颯投手が登板、1回2/3を完全投球。
クライマックシリーズを含め5試合無失点で、ファンは「なぜ戦力外?」「宝石のよう」「無双じゃん」と声をあげていました。
桐光学園高校から立教大学を経て、2020年ドラフト4位でオリックスに入団。
一軍登板は2021年の1イニングのみで、育成で臨んだ昨年オフに戦力外を通告されたが、昨年11月に地元であるDeNAに支配下選手で加入しました。
新天地で目覚め、今季は29試合登板(6先発)で3勝0敗1セーブ5ホールド、防御率4.42。
ポストシーズンではさらに冴えわたっていました。
巨人とのクライマックスシリーズファイナルステージで3登板無失点。
日本シリーズでは26日の第1戦で打者1人を封じ、この日も1人の走者も許しませんでした。
ポストシーズン5登板で5回1/3を投げて2安打7奪三振無失点。
四死球も与えていませんでした。
圧倒的な投球を続ける右腕にファンも歓喜。
SNSには「絶好調すぎる」「天才すぎて眩しい」「期待しかない」「大舞台に強い」「戦力外にした意味が分からん」とコメントが寄せられていました。